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夢
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しおりを挟むわたしのゆめはきぞくとけっこんすることです
やっとの事でここまで来た。
そんな感慨に浸る暇もなく私は舞台に上がった。
スポットライトを浴びているその間だけは確かに私は世界で一番輝いていたと
思う。だってその為だけに私は努力して来たのだから。
『誰にも負けはしない、私が一番だ』
その強い意思だけで私はこの場に立っていたのだ。
ここへ来るまでにどれだけのモノを捧げて来ただろうか?
みんなが遊んでいる間に私は努力を続けたのは全部この日の為だった。
全てはあの日、このコンテストの映像を見た日に私の運命が決まったと言って
いいだろう。あの画面越しでも分かる輝きを見て私は憧れたのだ。自分もあんな
風になりたいって、あの場所に私も立ちたいって。
だからどうすればあの場所に立てるのかを母親に聞いたのだ。
「ねえ、どうやったらわたしもあんなにキラキラできるの? 」
「そうね、いっぱい勉強しないと無理じゃないかな。あそこに居るのはみんな凄く
努力した人達なの。その人達の中から一人だけ選ばれる。一人だけがキラキラに
なれるのよ、フーちゃんは出来るかな? 」
母親のそんな言葉に私は鼻息荒く頷いた。
だって努力をすれば私もあんな風にキラキラになれるのらば、そこを目指す意味
はあると思えたから。
「はい、ありがとうございました」
全てを出し切った。完璧だった。
そう思えたけど、私の中では不安ばかりが大きく膨らんでいく。
そしてその不安は最後まで消える事なんてなかったからこそ、私はずっと集中し
ていられたのだ。
「それでは審査が終わったら呼びに来ますのでしばらくお待ちください」
そう言ってスタッフが出て行った後、控室には私達三人だけが残された。
「嗚呼ヤバかった。私だけヤバくなかった? 」
そう口にしたのはたまたまコンテストに参加したというミラベル。
そんな彼女がこの最終審査まで残っているという事に私は不安を抱いていたけど、
何故か彼女の審査の時にだけ野次が上がったのだ。急な事で私も驚いたけど、
彼女が対応出来ていない事に私は少し安心したのだ。
「怖かったよね? ごめんね、私も何も出来なくて……」
私は彼女を心配するふりをした。
それはまだ審査が続いていると考えていたからで、何処かにチャンスはないかと
集中していたからこそ出た言葉だった。気を抜くのはまだだ、まだ早すぎる。
「ふん、あの人達って貧民街の人達でしょ? どうしてあんなのが混ざってるのよ。
おかしくない? 」
それは私も思った事ではあるけど、すぐに理解したのだ『試されている』と。
どんな対応を取るかで私達の事を審査しているのだ。だからこそカリンの今の
発言は減点だろう。明らかに見下したその言動はこの場には相応しくはないの
だから。
まだ私の夢は終わらない。
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