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夢
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しおりを挟む「グランプリはミラベルさんです! 」
その結果を聞いても私は別に驚かなかった。
項垂れていたフレデリカは違ったようだが、私は当然の結果だと思っていた。
上手く立ち回っていたつもりでいたのだろうが、どう考えたって私達では彼女に
勝てる要素がなかったのだから。
確かにフレデリカも私も見せ方だとかポイントだとかの心得はあった。
でもそんなものが通用しないって事を私は今回で痛感したのだ。
だからフレデリカの悪あがきが私にはとても痛々しく見えてしまったし、
悪いけどそこまでする気には到底なれなかった。
基本的な人としての出来が違うのだ。
どんなに上手くメイクしようとも、どんなに着飾ろうとも、美人と言うだけで
全てが無かった事にされてしまうのだ。こればっかりはどうしようもない、恨む
のならば神様を恨むべきだろう。
だから私はもう夢は終わったしこれで終わりにしようと考えていた。
「どうして、どうしてなの? 」
舞台を降りれば私の予想通り頭を抱えていたから声をかけた。
「帰ろう、もう終わったんだから」
ここに敗者の居場所などはない。
もう十分に夢は見れたのだからそれでいいはずだ。
「嫌よ! おかしいわこんなの。どう考えたっておかしい。何の努力もしていない
ような子がどうして? どれだけ私がこの為に費やして来たと思ってるのよ!
ありえない、ありえないわこんなの! 」
まあ気持ちが分からない訳ではない。
ずっと憧れていたこの舞台、夢が破れたのだから取り乱す事もあるのだろう、
だけどもうたくさんだった。
「十分夢は見れたでしょ? これ以上はもうないの。終わったのよ全部」
「嫌よ、イヤ! 私の夢は終わらないわ! 」
このままでは埒が明かないから私は目を覚まさせる為に頬を打った。
「いい加減にしてママ! もう十分でしょ? ここまで連れて来てあげたんだから
満足してよ! 私にはこれが限界なの、ここまでだったのよ。これ以上私にママ
の夢を背負わせないで! 」
そう、私にとってコンテストなんてどうでもよかった。
ただ『ママが喜んでくれるから』そんな理由で始めただけだったのだ。
でも最近はもう苦しかった。勝ち上がって行く度に重圧は増して行き、私は気が
ついてしまったのだ。
『ママの夢は私が叶えるから』
確かにあの時約束した。
でもそれは私の夢では決してなかった。
人は誰かの為に生きるなんて事はできやしないのだ。
「何を言っているのカリンちゃん。約束したじゃない。
ねえ、ママと約束したでしょ、忘れちゃったの? 」
「子供に大人の夢を押し付けないで! 」
それが私の本当の気持ちだった。
「いいじゃない。大人だって夢を見るの! 何がいけないっていうのよ! 」
その言葉が全てだった。
大人の夢はエゴが強すぎる。
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