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ボクとキミ
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しおりを挟む一体ボクはキミからどれだけのものを貰ったのだろうか?
ふとそんな事を考えてしまったのはキミと過ごした日々があまりにも幸せ過ぎた
所為なのかもしれない。
そもそもボクという人間には何もなかった。
別に何か優れているものがある訳でもなく、何かやりたい事があると言う訳でも
ない、そんな何もなくただ生きているだけのボクがキミに出会えたという事は
本当に奇跡みたいな出来事だったのだと今になってみれば思うんだ。
だからキミの願いを少しでも叶えてあげたかった。
キミはいつだって何に対しても貪欲だった。
ボクたちが付き合う事になったのもキミからのアプローチがあったからだし、
デートはいつだってキミが行きたい所へ行った。キミが食べたいものは何だって
頼んだし、それを嫌だなんてボクは一度も思った事はなかった。
ボクにはキミのような人が必要だったんだ。
でもだからなのかもしれない。
ボクにとってそれがキミへ出来る精一杯で、それがボクの愛し方だった。
そんなボクの愛し方が結局ボクたちの関係を終わらす事になってしまったのなら
全ては僕の所為なのだろう……ごめんね。
もしかしたらもっと違うカタチがあったのかもしれない。
でもボクは不器用で何も知らなくて、そんなボクが唯一キミへ出来る事なんて
限られていたように思う。ただキミが喜んでくれるという理由だけではきっと
ダメだったのだろう。そこにはボクの意思が存在していなかった。
「おい、聞いているのか! 」
そんなボクの気も知らないで父さんはボクを怒鳴りつける。
正直もう聞き飽きたのだ父さんの小言は。
「まったく何なんだお前は……」
そうごちる父さんにボクは言う。
まっすぐに目を見て言う。
「父さんの息子だよ! 」
その言葉に父さんは苦虫を噛み潰したような顔をするから、ボクは父さんの肩を
しっかりとつかんでもう一度言った。
「父さんの息子だよ! 」
すると父さんの目からはぽたぽたと涙が溢れ出していた。
「お前って奴はどうしてそんな……どうしてこんな事になったんだ。何が悪かった
んだ? 私が何かをしたというのか? なあ、どうしてこんな歳になってまで
子供の為に頭を下げなくていけない? こんな人生の最後なんてあっていいのか?
神は居ないのか? 」
膝をつき、天を仰ぐ父さんと一緒にボクも空を見上げれば太陽はそこにあって
ボクと父さんをジリジリと焼く。
「ねえ、ごめんね。私、貴方がマザコンだなんて知らなかったから。もっと早く
気が付いてあげていれば違ったのにね。そうすれば王妃になんて手を出すなんて
事をするはずがないのだもの」
そして母さんは急にそんな事を口にしたがそれは間違っているよ母さん。
ボクは本当に王妃の事が好きになったからその感情に素直に従っただけなんだ。
だから決してボクはマザコンではない。
キミと別れてからボクは少しは変われたのだろうか?
季節が移り替わって行く中で、あの日と同じような暑い日が来る度にボクはキミ
の事を思い出すんだ。そして少しは成長出来ていればいいなとキミとの日々を
かみしめる。
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