恋愛倉庫

菫川ヒイロ

文字の大きさ
78 / 425
まだ恋をした事がない

しおりを挟む






 巨乳、それは男のロマンと言っていいだろう。
 誰しもが憧れるそれに理由なんてものはないのだ、ただただリビドーがそう命じ
 るのだから。そんなものに何かしらの屁理屈をこねたってしかたがない。余程の
 異常者でもないかぎりそれが当然の選択だった。
 
 
「そうですか、じゃあこちらの二人になりますね。どちらがいいですか? 」


 巨乳を選択したら一気に選択の幅は狭まった。
 目の前に出された二人の写真と睨めっこをするのはさして二人に差異を見つけら
 れなかったからだ。というか二人とも同じ顔をしている。髪型も同じ、歳も同じ
 違いなんて姉か妹かいう事ぐらいだった。
 
 
「双子ですか? 」


「ええ、そうみたいですね。どちらにしますか? 」
 
 
 姉と妹。
 それならば包容力のある姉を選ぶべきだろう。
 タイプ的にその方が自分には合っている気がするのだ。
 きっといろいろと面倒をかける事が多いだろうから、そういう時に頼りになる
 のはやはり姉だろう。
 
 
「じゃあ姉の方でお願いします」


「分かりました。じゃあ姉の方でお話進めさせて頂きますね」


 そう言うとマキタさんは席を立って行ってしまった。
 何か結構簡単に決まったという感じがするが、そんな事よりもこれで確実に結婚
 へと進んでいるのだと思うと少しだけわくわくする。なんという充実感なのだろ
 うか? 今まで思い悩んでいたのが嘘のようだった。
 
 
 だからだろうか、うれしくなってしまってニヤニヤが止まらない。
 「うひょひょ」と笑ってしまうのが我慢できなかったのは許して欲しい。
 
 
「どうかしましたか? 変な声が聞こえましたが」


 マキタさんが戻って来た事に気が付くのが遅れてしまった。
 
 
「いや、何でもないです」


「そうですか。それでですねソヨダさんには大変残念なお知らせがありまして、
 今回のソヨダさんがご希望された方が既に他の方とのお話が進んでいましてね、
 それでそちらの方とのお話がまとまりそうなんですよね。ですので、今回はご縁
 が無かったという事になるんです、ごめんなさい」
 
 
「え」

 
 まさかの事に止まってしまう。
 そんな事があるのか、じゃあ一体今までの一連の流れは何だったのだろうか?
 急に冷や水をかけられた気分だった。
 
 
「こう言う事も当然ありますのでそんなに落ち込まないで下さいソヨダさん。
 まだ妹さんの方は大丈夫ですよ? 」
 
 
 そうだった。
 まだ妹が居たのだ。それならばすぐに確認して貰わないといけない。
 
 
「妹の確認を! 」


 すぐにマキタさんにお願いすると
 
 
「はい、よろこんで」


 マキタさんが席を立って走って行くの見て何て頼りになる人だろうと思った。
 
 






しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

乳首当てゲーム

はこスミレ
恋愛
会社の同僚に、思わず口に出た「乳首当てゲームしたい」という独り言を聞かれた話。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

処理中です...