175 / 425
ビルダヴ家の掟
2
しおりを挟む「よう! 」
「よう! 」
そんな挨拶をするのはいつもの事で、俺は買って来た物を冷蔵庫へと入れる。
その間も別にニタは何も言わない、読んでいる本から全く視線を外さない。
そもそも家の中に勝手に入って来ているのに、それすらも気にしていないのだ。
俺の事を許しているのか、それとも気にすらしていないのか、どちらかと言えば
前者であって欲しいとは思う。
入れ終わったら俺はすぐにニタを後ろから抱きしめた。
「なに、どうしたの? 」
そう言いながらもニタは本を読み続ける。
だから俺も負けじと耳を齧った。
「もう、今良い所だから邪魔しないでくれる? 」
ニタはそう言うがこっちだって溜まっているのだ。
我慢なんて出来る訳がない。折角久しぶりのお泊りである、どれだけ楽しみに
していたと思っているのか? 俺はもう我慢なんて出来ないし、そんな聞き分け
のいい子ではないのだ。
「え? もう、しょうがない人だなぁ」
そしてニタも俺を受け入れてくれた。
*****
ニタは一個下の学校の後輩だった。
俺が通っていた学校は学力が高めの男子校である。
そんな中で日々競い合う事を求められた俺達が何処かにはけ口を求めるのは
自然な流れだった。
勿論、近くに女子校もあって普通に彼女持ちも居たには居たが、それでも俺達は
そうはならなかった。認め合えるのはニタしか居なかったのだ。だからそれが
歪だとも思わないし、普通だったのだ。
そして俺達は今も変わらずこうして一緒に居る。
休みが合った日はニタの家に入り浸るのいつもの過ごし方だった。
「僕の為にクツーリも戦ってくれるのかな? 」
我が家の掟の話をしたらニタにそんな事を聞かれて俺は戸惑った。
今までそんな事、考えた事も無かったのだ。もしそうなった時、俺は兄ちゃんに
挑むのだろうか? あの兄ちゃんに? 別にそれがおかしな事ではないのだ、
我が家では力が全てなのだから。
勝ってしまえば誰も文句なんていう奴はいない。
そう言う意味では非常にシンプルで分かりやすい。
そうであるのなら考えなければならないのだ、俺も。
弟と同じように兄ちゃんを倒す方法を。
そして俺は思い出していた、あの兄ちゃんの姿を。
弟を瞬殺し、呆然としている弟へ向けたあの顔を。
だから少しだけ怖くなってしまって俺はニタを抱き寄せた。
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる