恋愛倉庫

なんだかんだ言った所で結局は自分自身で決めないと何も意味はないという事

２

「何が？　」


　私がチヒロに相談したら帰って来た返事がそれだった。
　
　
「だからさ、私はどうしたらいいと思う？　」


「何を迷ってるの？　さっさと別れなさいよ」


　チヒロは私に無表情でそう言った。
　
　
「それ以外の選択肢なんて無いでしょ？　別にそこまで好きって事でもないんで
　しょ？　そもそもアンタが男に必死になるなんて事なかったじゃない。そんなに
　セックスが上手いの？　」
　
　
　チヒロは平気でそういう事を言ってしまうのは少しばかり困ってしまう。
　
　
「まあまあかな。下手ではないよ？　いろいろ知ってるっていうかさ、そんな事
　するんだ！　みたいな？　」
　
　
「色ボケしてんの？　」


「そういう事じゃなくてさ……私もほら、それなりに生きて来たじゃない？
　だからそうそう出会いがあるって訳でもないしさ。寛容さも必要かなと思って
　みたりなんかして」
　
　
　実際、若い時程男が寄って来る事も無くなってきた。
　気にしないようにしていても実感してしまう場面が増えたのだ、年齢の。
　
　
「だとしてもそれは止めなさいよ。どうせまた浮気するって。浮気するやつなんて
　ピアスの数だけするわよ？　目を覚ましなさい、どう考えたってアンタが不幸に
　なるだけよ」
　
　
　確かにチヒロの言う通りだと思った。
　
　
「わかった、そうする」


「寛容さとか言うのならいっその事愛人にでもなればいいんじゃないの？　
　アンタが浮気相手の方になれば余計な事を考えないで済むし、そっちの方が
　向いてるかもよ？　」
　
　
　愛人か……確かに私的にはそれが向いているのかもしれないと思わなくはない。
　
　
「ヨッシャ！　クリアした！　」


「え？　クリアしたのヒロ君、すっご～い！　」


　チヒロの家に来てからずっとゲームをしていたヒロ君こと、チヒロのろくでなし
　の彼氏。ほぼ一日中ゲームをしているという彼の事を気にしなくていいとチヒロ
　は言って私の相談にのってくれてはいたが、やっぱりおかしいだろ！
　
　
　今、目の前で繰り広げられている茶番。
　こいつらどういうつもりだ？
　
　
　
　
　そして私は目を覚ました。