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おめでたい人
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しおりを挟む私はあの男を知っている。
でもどこで見たのかが思い出せなかった。
だからずっと考えていたのだ、彼に酒を勧められようとも断ったのも当然だ。
だって可愛い後輩が結婚したのだ、幸せになって欲しかった。
「ねえ、これもう食べませんか? 」
碌に食事にも手を付けていなかった私にそう聞いてきたので下げて貰う事にした
のだが、そう聞いて来たのは同じ出席者だった。確かに聞き方が雑な感じがして
いたが、どうしてこの人は私の料理の事を聞いて来たのだろうかと考える暇も
なく彼女はドサッとタッパーに料理を詰めた。
「ありがとう」
彼女はそういうと他の席へと移動していく……
何これ? どう言う事? これがエコロジーってやつなの?
いやいやそんな訳がないだろ!
「ちょっと貴女、何をしているの? 」
気付いたらもう私は声を掛けていた。
こればっかりは性格なのだからどうにも出来ないのだ。
「持って帰るんですけど、ダメですか? 」
「ダメに決まってるでしょ! そもそも二人を祝う場でそういう事をしちゃダメ
だって事ぐらい分かるでしょ? 」
何だこの女はと思った。小首をかしげるその姿になんだかイラっとしてしまった
のは生理的にこのタイプの奴が受け入れられないからだろう。
「でももったいなくないですか? どうせ捨てちゃうんでしょ? そういうのって
よくないと思うんですよね、環境とかにダメな奴なんじゃないかな? 知ってま
す? そういうのが最近の流行りなんですよ? 」
なんだその薄っぺらい理由は。というか私の事を馬鹿にしているなこの女。
「流行りとか関係ないから、ここはアンタみたいなのが居ていい場所じゃないの
帰りなさい」
「言われなくても帰るわよ、別にこんな所に来る必要なんてなかったんだから」
「じゃあ何をしに来たのよ、遊びにでも来たっていう……思い出した」
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