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年代物
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しおりを挟む当時はいろいろと大変な時代だったわ。
きっと今の人に言っても信じてもらえないような事が当たり前のようにあった。
でも私達にしてみればそれが当然だった。
だからね、だからあの人はそうせざるを得なかったのよ。
「君との婚約は破棄するよ」
そう言われた時、私は一瞬で頭の中が真っ白になったわ。
一体、彼は何を言っているのだろうって意味が分からなくて、しばらく呆けて
いたくらい。
「何を言っているの? 」
私がそう聞き返せた事は奇跡に近かったわね。
だって世間ではもうすぐ大戦に参戦するかもしれないって事で大騒ぎしていて
そんな状況の中で婚約破棄をする意味なんてまったく感じられなかった。
寧ろ、すぐにでも結婚する方が真面だったわ。
「俺は君の事が好きではなくなったという事だ」
だからそんな事を言う彼に私は激怒した。
だって彼と結婚するって私の中ではもう決まっていたんだもの。
なのに、好きではなくなったとか突然言われたって納得なんて出来なかった。
そうでしょ?
でももう既に全ては決まってしまっていた。
話は既に決まっていたの、彼とお父様との間でね。
私の知らない所で全てが決まっていて、そして私はそれを知る事もなく、
ただ怒りに任せて結婚したの、お父様が決めた相手とね。
そのおかげであの大戦を私達は安全に乗り越える事が出来た。
それは正しい選択だったと思う、命あっての物種だしね。
でもだからって私が納得出来ていたかというとそれは話が違うのよ、やっぱり。
怒りなんてものはいつまでも続かないしね。
正直、お父様と彼の話を聞いた時は思ったわ「ふざけるな! 」ってね。
私の知らない所で勝手に決めて、私は一体何なのって思ったけどそんなのは
彼も一緒だったて分かったから。彼にだって守らないといけないものはあって
きっと婚約破棄が一番いい方法だったて事なのよ。
「本当、馬鹿みたいな話よね」
そう言うロビルリアの表情は恋する乙女そのものだった。
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