265 / 425
旅の行方
3
しおりを挟む私が生まれた日、お爺様が亡くなったと知らせてくれたのは私の叔父にあたる人
だった。お婆様がなかなか戻って来ないお爺様を探してもらうように頼み込んだ
のだ。そして叔父は言う。
「悪いがこれ以上は関わり合いにはなれねえ、あれは俺じゃどうしようもない」
叔父は父に会って本人から聞いたのだという。
追って来たお爺様を殺したと、そして家に火を放ったのも自分だと言い放った。
そんな父を前にして叔父が連れて帰るのを諦めたのは仕方が無かった。
何せお爺様より腕の立つものなどこの村には居なかったからだ。
婚約破棄をして、自分の家族も殺し、追っ手のお爺様さえも返り討ちにした父の
噂はすぐに広まった。村の掟を全て覆すそんな父は重罪人である。そしてそんな
重罪人の血を引く私は忌み子であった。でも母そんな不吉な存在の私を手放す事
はしなかった。
そして私達は旅に出た。
それはあての無い旅、父を探しさまよう旅はこうして始まった。
*****
私は今日も手で耳を塞いでいた。
それに実際の意味はなくても、そうする事で安心できたから。
その時間はいつも私は数字を数える事にしていた。
そして5百を超えた辺りでいつもスージーが現れるのだ。
ひょっこりと顔出して現れるスージーは私の唯一の友達だった。
村では友達なんて居なかったし、旅の間も子供と話した事なんて無かったから
私にとってスージーは友達で、親友で、家族だった。
「やあやあ元気かい? 僕は御覧のとおり今日も元気さ」
スージーはそう言って私の前でステップを踏む。
タタンタンタン タントン
「決まったね! 」
そして私とスージーの時間はいつも突然に終わる。
ドンッと乱暴に開いたドアから男が出て来て私を見るが私は何も言わず、男も
それ以上何もせずに行ってしまう。そして私は部屋の中へ入るとすぐに鍵を閉め
るのはもう癖になっていた。
「おいで」
母がそう言ったら私は母に飛びつくのだ。
いつも違う臭いがする母に。
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる