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それもまた理
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しおりを挟む「あんたが死ねばよかったのよ」
そんな言葉が聞こえ出したはどれくらいたった後だっただろうか?
今まで使えたものが使いという不便さに誰もが気づき出していた。
そもそも便利だとさえ思っていなかった事が便利だったと知ったという事
なのだろう。
始めはみんなやさしい言葉を投げかけてくれたのに、それが変わって行く事に
時間はそんなに掛からなかった。何かを奪われるという事に対しては敏感で、
奪った相手が誰か分かっているのなら当然のように矛先はそちらへ向く。
みんなが言っているからという、流されやすいものだっている。
『気にする事なんてない』と言われても既に知ってしまった事を気にしない
なんて出来る訳もなく、ただただ悩まされる日々に、本当に死んでしまおうか
とさえ考えた。
それでも勇者は私に優しかった。大好きだった。
だから私は彼に甘えていたのだろう、全ての鬱憤を彼にぶつけてしまった。
全てを彼の所為にしてしまった。
「私は死にたくなかっただけなのに、どうして責められないといけないの?
みんな私に死ねっていうけど、そんなの嫌よ。絶対に無理。
だって死にたくなかったんだもの、それの何が悪いっていうのよ。
大体、こんな世界にしたのは私じゃない、貴方がしたんでしょ!
勇者である貴方がした事の責任をどうして私が取らないといけないのよ、
そんなのおかしいわ! 貴方が責任を取りなさいよ! 私は関係ないもの。
貴方とは何も関係ない! もう私に近づかないで! 」
それが勇者への最後の言葉だった。
そして彼は居なくなった。
私の前から、この国から、責任を取ると言って出て行ってしまった。
*****
「本当に別れたの? 」
「ああ、本当さ。結局俺は勇者なんかじゃなかったって事なんだろう」
『そんな訳があるか! 』って叫びたかった。
彼が勇者じゃなくて誰が勇者だというのか? 間近で見たきた私が言うのだ。
彼は勇者で英雄である。ふざけるんじゃあない!
所詮は人間の理でしかモノを見れないのだ。
「ちょっと待て、今思い出したんだが、薪が足りないんだった。
手伝ってくれよ、それぐらいいいだろ? 」
そのまま立ち去ろうとする彼に私は言う。
このまま彼を何処かへ行かせる訳にはいかないと思ったのだ。
放ってなんておけないのだ、こんな真面目な奴は。
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