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お前しかいない
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しおりを挟む何処からか噂を聞きつけた奴らがやって来て、教室は満杯だった。
俺の初舞台とは大違いであるが、まあそんな事は大した問題じゃない!
そもそも映像と舞台は違うものだし、人数が多いから何だというのか?
大事なのは演技力である。
一体どれ程のものを見せてくれるのか、見せて貰おうじゃないか。
大した事がなかったら文句の一つでもつけてやろうと、
実際は文句をつける気満々で見に行ったのに、俺は感動してしまった。
その圧倒的な演技力に脱帽だった。
同い年の子がやっているとは思えない程の演技で、俺は完全に打ちのめされた。
これがプロと言うものだと実感させられ、彼女が演劇部を蹴った理由が十分
理解できたのだ。
これは絶対に部長も見た方がいいと思って急いで戻ってきてみれば
もう既に噂は届いていたようで
「ほう、あれだけ大口を叩いたんだ、そりゃあそうだろうよ。
どれ程のものか見せて貰おうじゃないか、プロの演技ってやつを! 」
部長は意気揚々と他に部員も引き連れて行ってしまった。
きっと俺と同じなんだろうと思ったら、この後の事がとても不安で仕方がなく
部長が無事に帰ってくる事を祈るばかりだ。
*****
「見たで! よかったわ、ほんま感動した! 君らほんまに凄いんやな」
部室にやって来てそうそう三田村が上機嫌な理由は
祭りが終わった後、映像部の評価はうなぎのぼりだったからだ。
「なんか凄い評判良いみたいでよかったな! これで映像部も安泰やろ、な? 」
急にやって来た部外者がなんだかんだといいながら、座ったのを見て
千里は流石に不信に思ったのだろう
「あんた一体誰なのよ」
「「「三田村だよ! 」」」
三人でハモってしまったが、答えると
「なんや自分ら、仲ええな」
三田村は俺達を見ながらそう言うので、なんだか変な感じになってしまったが
こうして映像部が成り立っているのは三田村のおかげな部分が大きいのは
誰もが知る所である。だから俺は三田村にお礼を言う。
「ありがとう、三田村。お前のおかげでどうにかやってるよ」
「いやいや、俺なんて何もしてないから。そんな事よりも次、期待してるで」
そう言うとすぐに三田村は部屋を出て行った、まったく忙しい奴だ。
「ねえ、結局あいつは何なのよ! 」
千里には結局三田村が何者なのかわからなかったようなので、
ちゃんと説明しないといけない、三田村という奴がこの映像部にどう関わって
来たのかを。
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