390 / 425
お前しかいない
41
しおりを挟む最初の山場を乗り越えてからというもの、驚くほどスムーズである。
だから問題があるとすれば、それは私のテンションが上がらない事だった。
栄ちゃんはうまい事やっていると思うし、実際、ここまで小暮洋という
ポンコツを上手に処理できている。
初日のあのポンコツとは別人なんじゃないかと思う程の変わりように
私は素直に尊敬する、栄ちゃんを、あくまでそれは栄ちゃんが凄いので
あって、このポンコツではないのは明らかなのだが……どうもこのポンコツ
調子に乗っていると感じる所が多々ある。
無駄に映り込んで来たり、謎の決め顔があったり、さすがに栄ちゃんに注意
されてからは治まったが、カット前に余計な台詞を足したり、立ち位置を
変えてみたりと本当に余計ない事をしてくれるのだ。
千里の演技が良いので撮り直しなんてしないけど、カメラ越しに私は
イライラしっぱなしなのである。
「あのさ、虹子。悪いんだけど…… 」
だから栄ちゃんが何が言いたいのかが分かるから私は、
「分かってる、分かってる。ええ我慢しますとも、もちろん。
ただね、栄ちゃん。編集では我慢しないからそれは分かっててね」
「はい」
栄ちゃんの良いお返事が聞けたので私は我慢して撮り続けた。
*****
ようやく撮影が全て終わった。
いつもならこれから編集の作業があると思うと、一回休憩入れないと
やる気が出ない私だが、今回はルンルン気分ですぐに取り掛かる事が出来た。
ここからはずっと私のターンだ。
「あの、虹子さん。編集の方よろしくお願いします」
栄ちゃんが丁寧にお願いして来たので私も笑顔で答える。
「はい、もちろんそのつもりですよ。じゃあ鈴、連れって行って」
私は栄ちゃんをさっさと鈴に連れて行ってもらう。
「栄ちゃん、大丈夫だよ虹子だから」
鈴はそう言って心配する栄ちゃんを連れていった。
「さてと、始めますか」
鈴は私だからと言うが、当然私に遠慮や配慮なんてものは一切なく、
無駄なカットはどんどん削って行くし、音声なんかもってのほかである。
だから私は必要の無いもの(主にポンコツの映像や声)はどんどん
編集してしまうのだ。
「ここも、ここも、後これも」
今回の作業は私史上一番はかどった。
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる