異世界騒動記。「さて、一丁やる気だしますかね‥。」

桂木 鏡夜

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一章

1話「落とされた先は森の中の小川だった。」

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光に包まれ徐々に視界が戻ると、俺は森の中にいて、其処には本当に小さな小川が流れていた。

 服装は安易な白シャツ一枚に動きやすそうなカーゴパンツだった。

 ふと足元に違和感を感じ、視線を下へと向けると人一人分程地面から浮いていた。

 まさかとは思ったが見事に重力が発生し、落下する。

ドテン!!

「痛ってぇ。っつかここは何処だ?」

 辺りを見渡すが何もない。

 そして出た言葉は「大自然。」その一言だけだ。

 カサッ。不意に目の前に一枚の紙が舞い降りた。

 俺は手に取りそれを見る。

「特別に無限収納インベントリのスキルだけをお主に授ける。後、食事も幾つか収納しておいた。食べるが良い。by神。」

 ‥‥。

「って、アホかぁ!!ここは何処なんじゃぁ!!!」

 勢いで紙を破き、放り投げてやった。

 ったく。どないなっとんじゃ!?

 そんな風に腹を立てていると、急にお腹の虫が鳴き始めた。

「あ~。イライラして腹が減ってきた。無限収納インベントリかインチキドリか知らんが、スキルとか言われても意味が分からん。」

 ふと、意識的に無限収納インベントリを想像すると、頭の中に色んな食べ物が現れた。

 言葉では説明しずらいが、食べたい物と言うよりも今手に持ってる物?謎だがそんな感じに思えた。

 試しにステーキが頭の中で出てきたので、出そうと考えると、目の前に厚さ2センチぐらいある熱々のステーキが黒い鉄板の上に置かれ現れた。

 その横にはニンジンとマッシュポテトも添えられている。

 ステーキの上に乗せられたガーリックの香ばしい匂いが食欲を掻き立てる。

 俺はその流れでまた脳内で無限収納インベントリを開き、フォークとナイフを取り出しステーキに齧りついた。

「上手い!!!なんじゃこりゃ!!今まで食ったステーキの中で一番上手い!」

 あっという間に俺はステーキを平らげ、満腹状態となると、急に喉が渇きだす。

 もう一度無限収納インベントリを開くが水は無かった。

 その代わりに水袋と名称される物を発見し、取り出すが中は空っぽだった。

「川の水を汲めって事か‥」

 俺は迷わず川の水を袋に入れ、水を飲み干した。

 水は冷たく、とても美味しかった。

 せっかくなので、水袋に再度水を入れる。

「そういえば出す事は出来たが収納はできるのか?」

 試しに水袋を持って収納を意識すると、パッと目の前から消えた。

「成る程。なかなか便利だ。」って感心している場合ではない。

 ガササ。

 不意に茂みから物音が聞こえ、俺の視線はそちらに向く。

 「なんだ?猪か?それか熊?」

 俺は直ぐにでも逃げれる様に姿勢を低くし様子を伺うと、その物音の正体が姿を現した。

「ギギギ!」

 な!!?

 俺は驚愕のあまり声が出せなかった。

 現れたのは尖り耳で緑色の肌をした生き物だった。

 体調は140とそこまで高くはないが、物騒な事に錆びついた剣を持っている。

 そして更に此方に向けての敵意を感じる表情が何とも悍ましい。

 何だあれ?まさか襲ってくるとかないよな?

 いや、襲ってくる。絶対。絶対だ。

「ギギギィィ!!!!!」

 案の定、その生き物は剣を振り上げ俺目掛けて突っ込んできた。

 物体は剣で俺に突きを繰り出したが、間一髪で俺はそれを避けた。

おいおい!マジか!やる気か!?話が通じそうな感じでも無いよな?そもそもあの剣が本当に斬れるのかは兎も角、当たったら痛い事は間違い無い。死だってあり得るぞ。

 さぁどうする!?

るかられるか?

 答えは決まってるでしょ?

 るっきゃねぇだろ!!


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