バトンタッチした話

加速・D・歩

文字の大きさ
95 / 378
・本編

68 トーナメント──1ブロックと2ブロック試合

──ではこの国王様からのお言葉です。
──ワーッ!!

 要約すると無事に【勇者の祭り】が出来て良かった。無理せずリタイアもありだからな、的な良い感じの長い言葉にウトウトしてくる。あれだ、校長先生の話だ。
 開催式に集まる人々の中でマルの手を繋いで少し目線の上にあるステージでこの【国】の王様が喋る。人間で年齢は70代ぐらい。優しい声色だけど、どーなんだろうね。
 まぁ、関わり合いはないし、いいか。


「来賓の皆様を代表し、トィン家のエディワールィド様に、一言ご挨拶をいただきたく存じます」

 ん?
 ボーッと聴いてたらなんか、耳に──マルも同じようで俺達はステージを見あげた。

「こほん、私の名前は、トィン・ヌルィニ・エディワールィド。ヌルィニ一族の長をしている。今日、選ばれる勇者を楽しみにしている。我が子達も参加する者達の勇姿を楽しみにしている。とても良い晴天に恵まれた。頑張ってくれ」
「「ワーッ!!」」


「先輩……、」
「ワグーッツン……っ」


 見た目20代ぐらいの若々しい男性の前に4人の子供たちが現れた。その中の3番目の子はヴォン先輩に4番目の子はワーチャンが立っていた。一瞬だけ彼らと目が合った気がして無意識に《認識阻害》をかける。はあ、はあ、っ、今のやり直しで彼らと面識はない、たまたまこっち側を見ただけだ。そう思いたいのに、

「ううっ、」
「ま、まる、どうした」
「けーすけぇぇ」
「大丈夫だ、こっちきて」

 握ってた手がギュッと握りしめられてマルの方を見ると胸を押さえて苦しそうな表情をしてるマル。俺の体に抱きついたあとわんわん泣き始めるから俺もまだ先輩があの時死んだ映像がこびりついて離れなくて苦しい。人混みを通って少し離れた所で抱き合いながら落ち着くまで過ごした。

 にしても、マルの方はやっぱワーチャンなんだな、マルの記憶の影響か発音も良かったし。わぐーっつんって俺が言葉にするとこう弱々しい言い方になっちゃうもんなぁ。
 みんなを応援しに来たのに、なんか、気もぞろぞろになっちゃったな。

 いつもならマルが俺に交尾をしようと誘ってくるのに、落ち着かせようと軽いキスをしようと口を寄せると「嫌ッ」と顔を背ける。
 こんなの俺らしくない。マル本人に引っ張られてんのか? 本人はもう居ないのに。
 シクシク泣くマルに背中を優しく撫でる。周りは試合が始まってて観客達の声援が聴こえてきた。


「お、お前たちどうしたんだ、こんな所で」
「ルギ……っ」
「ルギルス~って、マルたちもう試合は始まってるわよ?」
「ヤヤ……うん、……」
「「うん?」」

 1回目の試合が始まってるのは知ってたけど、マルの精神が不安定だったのと俺もココベンチから立ち上がる気力がなくてボーっとしてたら、ルギが屋台で買った食べ物を両手に持ちながら前を通った。俺達に気づいた彼と、その後からやって来たヤヤ。ゼスの試合を応援しに来たらしい。
 それでも動かない俺らに首を傾げる2人。

「何があったか分からねぇけど、ほらよ、これ食えって」
「そうそう、ゼスの試合応援に行きましょ!」
「ありがと、うん、美味しい」
「だな、マルが少しでも元気になったなら、よし、行こうか」
「うんっ」

 マルと再び手を繋いで彼らの後を追ってゼスの試合を見に行く。
 今回の参加者が多かったから、4ブロックで分かれてやってるらしい。トーナメント表を貰ったらこんな感じだった。


ブロック毎の勝ち上がりで
1ブロック(ルーレット使用)
ガバッァッア・ザガール∶鳥獣人∶女∶爪∶《雷》
カカムナ・ラカット∶人間∶女∶杖∶ムーナ《風》

ダガガ・ガッィダ∶ドワーフ∶男∶杖∶《土》《雷》
コバッタ・メラッド∶人間∶男∶剣∶《光》

ベラッガ・ゴォッダッ∶獅子獣人∶男∶槍∶《水》
ゲカャカ・ラゲラゲ∶魔族∶女∶鞭∶ラゲチャ《伸縮》《闇》
+上の勝ち上がった人と↓
ガ・バッガザ∶ドワーフ∶女∶斧∶《炎》

2ブロック
ゲラッタ・モリーヌ∶妖精∶女∶杖∶《雷》 
ローィト・トゥルク∶狼獣人∶男∶シーフ∶ルーク《風》
+
コカヤカ・マサノァ∶人間∶女∶杖∶カヤ《闇》

ヤナィダ・ロガ・ギヒィダ∶ドワーフ∶男∶ハンマー∶《雷》
ドンィベ・サカュハ∶犬獣人∶男∶シーフ∶ドンチャン《水》
+
ギィラ・ヤ・ドォーレ∶エルフ∶男∶弓∶ドレ《風》

3ブロック
コ・カメイメ∶人間∶男∶剣∶メイチャン《風魔法》
マ・ド・トマッバ∶魔族∶男∶剣∶トマ先輩《闇魔法》

カコォタァ・イニーハ∶エルフ∶男∶杖∶コータ《水》《土》
ゴォーリ・ラガ∶人間∶女∶剣∶ゴリちゃん《土》

フ・ラィャ・カヤダ∶妖精∶男∶剣∶《風》
マ・リア・ゼスァリ∶魔族∶女∶ハンマー∶ゼス《光》《土》
+
ラナォザメ・ギマ∶鼠獣人∶男∶杖∶《変身》《風》

4ブロック
ニラリ・マードォ∶妖精∶女∶弓∶《風》
ララッ・ダーマト∶猫獣人∶男∶爪∶ララくん《炎》
+
マニマ・ャーャ∶魔族∶男∶剣∶ヤーヤ《無》

コラコ・サマタァ∶人間∶男∶杖∶サマー《炎》《風》
グリィ・タンリィ∶犬獣人∶男∶爪∶リィちゃん《炎魔法》 
+
カーメーダ・ソラッガェ∶人間∶女∶剣∶《水》


 なんかいつもと違うな、にしてもゼスが居る3ブロック目ってメイチャンとトマ先輩戦うんだ……最終決戦感あるな。


1ブロック
1回戦
◯ガバッァッア・ザガール∶鳥獣人∶女∶爪∶《雷》
●カカムナ・ラカット∶人間∶女∶杖∶ムーナ《風》

◯ダガガ・ガッィダ∶ドワーフ∶男∶杖∶《土》《雷》
●コバッタ・メラッド∶人間∶男∶剣∶《光》

◯ベラッガ・ゴォッダッ∶獅子獣人∶男∶槍∶《水》
●ゲカャカ・ラゲラゲ∶魔族∶女∶鞭∶ラゲチャ《伸縮》《闇》
+上の勝ち上がった人と↓
ガ・バッガザ∶ドワーフ∶女∶斧∶《炎》

●ベラッガ・ゴォッダッ∶獅子獣人∶男∶槍∶《水》
◯ガ・バッガザ∶ドワーフ∶女∶斧∶《炎》

2回戦
◯ガバッァッア・ザガール∶鳥獣人∶女∶爪∶《雷》
●ダガガ・ガッィダ∶ドワーフ∶男∶杖∶《土》《雷》

●ガバッァッア・ザガール∶鳥獣人∶女∶爪∶《雷》
◯ガ・バッガザ∶ドワーフ∶女∶斧∶《炎》

 にしても、勝ち上がると連続で戦わないといけないのキツイな。一応次の試合までに全回復とかしてもらえるらしいんだけど。
 1ブロック勝ち上がったのは──ガ・バッガザ!

『彼の勇者に憧れて《炎魔法》を極めたアタシは無敵よ!』

 彼女の話では大昔に同じドワーフの女性の勇者が居たらしく当時の魔族達をバッタバッタとなぎ倒して活躍した人も《炎魔法》を使ってたらしい。それで彼女を憧れに日々特訓をしてこの祭りに参加したらしい。

「凄い迫力だったね!」
「うん、豪快だった。昔の勇者達もあんな戦いだったのかな」
「そうかもね!」
「試合で買ってきたの食おうと思ってたのに、見入ってしまったぜ」

 ルギが持ってたポップコーン的なお菓子を横から貰って食べる。味は果実的な爽やか。不思議な食感だし、プチプチしてる?


2ブロック
1回戦
●ゲラッタ・モリーヌ∶妖精∶女∶杖∶《雷》 
◯ローィト・トゥルク∶狼獣人∶男∶シーフ∶ルーク《風》
+
コカヤカ・マサノァ∶人間∶女∶杖∶カヤ《闇》

◯ローィト・トゥルク∶狼獣人∶男∶シーフ∶ルーク《風》
●コカヤカ・マサノァ∶人間∶女∶杖∶カヤ《闇》

●ヤナィダ・ロガ・ギヒィダ∶ドワーフ∶男∶ハンマー∶《雷》
◯ドンィベ・サカュハ∶犬獣人∶男∶シーフ∶ドンチャン《水》
+
ギィラ・ヤ・ドォーレ∶エルフ∶男∶弓∶ドレ《風》

◯ドンィベ・サカュハ∶犬獣人∶男∶シーフ∶ドンチャン《水》
●ギィラ・ヤ・ドォーレ∶エルフ∶男∶弓∶ドレ《風》

2回戦
◯ローィト・トゥルク∶狼獣人∶男∶短剣∶ルーク《風》
●ドンィベ・サカュハ∶犬獣人∶男∶短剣∶ドンチャン《水》

『サカュハと戦うことになるとはな。』
『くっ、リーダーに勝てなかったぜ!』

 おー、イヌ科同士が戦うことになるなんて。そして、ルークがストレート勝ちした。でも、ドンチャンと戦ってる時に割と互角というかどっちも引けに取らなかった。でもやっぱルーク凄い、抱いて!

「どっちも動きが洗練されてたね。」
「彼らってマルたちがこの前会ったっていう人達だろ、ゼスが話してたぜ」
「そーだよ、いっぱいエッチしたんだよねぇ、マル」
「う、うん、そうだよ、ね」
「あの【迷宮】楽しいよな」
「また行こうと思うんだけど、ルギたちも一緒に行く?」
「「是非!」」

 色々と話をして、最終的にまたルギ達と【エロダンジョン】に一緒に行く事になった。まだマルが元気じゃないけど、その頃には立ち直ってると思う!

あなたにおすすめの小説

創作BL短編集

さるやま
BL
短編まとめました。 美形×平凡、ヤンデレ、執着・溺愛攻め多め

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

ふたなり治験棟 企画12月31公開

ほたる
BL
ふたなりとして生を受けた柊は、16歳の年に国の義務により、ふたなり治験棟に入所する事になる。 男として育ってきた為、子供を孕み産むふたなりに成り下がりたくないと抗うが…?!

BL短編まとめ(異)

よしゆき
BL
短編のBLをまとめました。 冒頭にあらすじがあります。

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。