バトンタッチした話

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82 願いは──観戦

『あんた達も生き残り?』
『ああ。そっちの玉の数は?』

 テック達が【中央】に戻ってくると数人の男女が居た。テック達は妖精男が2人、リザードマン女、人間女の5人。
 あっちには、人間女、人間男2人、ドワ男、リザードマン女の5人だった。

 その5人は同じグループではなく別々らしく、テックの5人が1番多かったらしい。

『あたいは1つ』
『俺達の所は2つ』
『うちは1つだけだよ』
『俺は1つで、ああ。ケース様達が2つ持ってるんだった。』
『『はあ? その玉は何処にあるんだ?』』

 そうだよ、ケース達が持ってた玉って何処に行ったんだ? 今この場にある数は5つ。あと2つはケースが持ってる。

『『居るよぉ』』
『ケース様』
『台本通りとはいえ、テックが首トンした時はイッちゃった』
『僕もぉ』
『またお望みであればしてあげますよ?』
『『はぁい~』』

 突然現れたケース達にその場にいる人達、俺達仲間だった人達はざわつく。だって、ケースとマルってテックに殺られた、よな?
 なのにテックと和気あいあいと雑談してて……他の人達が置いてけぼりになってる。

『いやあんたら誰だよ』
『んー? 俺はケース』
『僕はマルだよぉ』

 で、ケースとマルが1個ずつ玉を見せてこの場に7つの玉が集まったのを確認する。
 最後に残れるのは5人だっけ。また戦うのか?

──ピンポンパンポン~……

『では最終試練の説明~』
『このアイテム達を使って最後に意識がある人が願いを叶えることが』
『『できまーす!』』

 は? 色々とツッコミどころがあるんだが?
 なんであの双子が司会進行してんだ、それに最後の一人? あとケースが鞄から取り出したのは[アダルトグッズ]だった。

『妖精さんの中に普通のサイズは挿れられないのでぇ』
『尿道バイブもぉ、用意してますよぉ~』
『『ひっ』』

 細い棒がブルブルと震えてそれを見た妖精族の2人が抱き合いながら悲鳴を上げた。
 そんな中、武器を没収されてアダルトグッズが入った袋を渡された参加者達は近くに居た同士で使い始める。
 というか両手にバイブを持ってにじり寄る姿はシュールだ。と思うのは俺達側かもしれない。

──いけー!
──俺達の分まで頑張れ!
──殴りつけろー!

 いやいや、殴るようじゃないから!
 てか、これ誰に勝ってほしいんだろ、全員蘇生を願ってくれれば良いんだけど。

 そうこうしてる内に、半分に減っていた。
 今居るのは、テック、ドワーフ男、人間男2人、人間女、人間強いな!
【ファンタジー世界】だし、真っ先にやられると思ってたけど。

 ちなみに妖精の1人は捕まって尻の穴に尿道バイブを挿れられて身体ごと震えたまま脱落していた。
 他はおっぱいにつけるアレでイキまくったり、普通にバイブ挿れられて潮を吹いたりしてた。

『んじゃあ、5人になったのでぇお願い聞いちゃおうかな?』
『君達、勝ち残ったら何を願うの?』

『俺は仲間の蘇生だ!』
『私もよ!』
『俺は世界一の金持ちになる事!』
『俺は──魔王になる事だ』

『テックは?』
『オレ? ケース様の旦那になる事かな?』
『ふふふ』

 蘇生は2人。あとは個人的な願いと魔王ってやばいんじゃねぇの? しかも人間だろ、で、テックはケースに告白してるし。てかそれ7つの玉集めてやることかよ。

 俺達は蘇生2人を応援するしか無さそうだ。

『んじゃあ、また頑張ってねぇ』
『『開始~!』』

 蘇生を願った男が、金持ちと魔王に責められ落ちる。ちなみにドワーフ男。残ったのはテックと人間たち。
 次に脱落したのは金持ちを願った男。

──蘇生の子頑張ってくれ!!
──お前しかおらぬ!!
──頑張れー!

 テックは人間の男女2人だけで対峙させてると魔王の男は、蘇生の女を甚振るように[アダルトグッズ]で責めて落とした。
 檻の中はもうお通夜ムードだった。せめて、テックが蘇生を願ってくれれば──と期待したんだけど。

『オレと魔王を願う者が勝ち残ったかぁ。オレもここまで勝ち残るのは想定外だったなぁ』
『えー? テック、インキュバスだから俺達は勝ち残るって思ってたよ?』
『僕も思ってたー』

 え、テックって淫魔なの?! そういや、相手を見ただけで倒してたのって……これ、テックの勝ちじゃない? って思ってたら

『つーことで、オレは降りるから。はい、魔王を願う者の勝利~!』
『『わー!』』

『は、? え、?』
『何ボサッとしてるのさ、ほら、君の願いをこの玉に言いなよ!』
『早く早く~!』

 最後の一騎打ちはテックが試合を降りたことで終わった。相手の人間もポカンとしてる。
 でも、彼が願うのは魔王だろ、俺達は死ぬのか──……

『俺の願いは──檻の中にいる全員を蘇生と元の【世界】に戻る事です』
『おや? 魔王じゃないの?』
『最初から蘇生が願いだったけど、俺の前に2人居たから同じ事を願えば戦わずに間引かれると思ったからな』
『ふうん。君、面白いね。』
『『うんうん。気に入った』』

 檻の中、俺もみんなもホッとした。
 でも蘇生と元の【世界】へ戻るは別の願いだよな、1つしか叶えないだろうし、だとしたら蘇生か。

『とりあえずぅ【ちゅーおー】に戻るねぇ』

 ケースがそう言った瞬間──勝ち残った男とテック、ケースとマルの4人が【中央】に戻ってきた。檻越しに彼らを見る。

「んじゃあ、君にコレをあげるね!」
「「おめでとー!」」

 パチパチと拍手しながらケース達は男に石板を渡しそれに男が掌を当てると緑の輪っかが頭の上に出たのが見えた。

「はい。これで君も【ダンジョンマスター】だよ。この【ダンジョン】もあげるし、時が経ったら新規を作っても良いからね」
「あー、そうだった。君の名前教えてー?」
「え、あ、俺の名前は──マゥト・ワェドタァドだよ。あの、願いの件は、」
「大丈夫~僕達にまかせて、ね?」

 こうして、マゥト・ワェドタァドが【ダンジョンマスター】になったのを見届けて────

────

──

「おーい、田中!」
「大丈夫か?」
「おーい、聞いてる?」

・・・あれ?

「あれ、ダンジョンマスターは?」
「は? 田中いきなりアニメの話かよ」
「井筒、久しぶり、だな……ん?」
「久しぶりって……お前がボーッとし始めて5分しか経ってねぇんだけど?」
「え?!」

 大学の友人、井筒に呆れられるけど、え、あれって夢……? いやいや、そんな筈が!
 だとしたらどんなだけ欲求不満な夢だよ、エロデスゲームって。




【現実】に戻ってきて、何気ない日々を過ごしてるうちにあんな濃厚な時間をどんどん思い出せなくなっていた。目が醒めた時にメモしとけば良かった。忘れてるって事はやっぱ夢か。
 色々と童貞とか卒業したのに、はあ。

 現実で良い恋人作らないとな。

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