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・本編
94 無理しないで、ね
「お、おっ、おはよ!」
「うん? おはよ」
めちゃくちゃ顔が赤いメョンミくん。昨日長風呂したんじゃ……と思って彼のオデコに手を当てると凄い勢いで離れる。
「風邪かなと思って。違かった?」
「い、や……はあ。」
「風邪なら治せるよ、手出して」
彼の手を取って《短い詠唱》をすると緑のフワフワが彼に纏わりつく。《状態異常》を治すやつなんだけど。
彼を見るとポカンとしてる。
「本当は《聖魔法》なんだ。僕」
「マジか! なんで、偽ってんだ」
「目立ちたくないから」
「他にも隠してる事多そうだな。でもマルくんが話したくなるまで良いよ」
「ん、ありがとう」
メョンミくんは良い子だな。友達になれて良かった。
その後はいつも通り。
ただただ、機械的な日常が彼が居るだけで少しだけ気持ちが楽になれたのは良かった。
【モンスター討伐】や【競技大会】色んなイベントをこなして、高3になった。
この【世界】は15歳で成人だけど、こういう【学校】に通ってるものはまだ学生として学業をこなす。
だから【高等部】がある訳で。さっきの【モンスター討伐】は【冒険者ギルド】の人と一緒に派遣された【地域】に出没するモンスター達を狩る。
それと【職業体験】も。貴族の一番上とその下は【家】を継ぐのが一般的だけどその下からは何処に行ってもいいわけで。それは次男だけど長女が居るから、兄が【家】を継ぐけど、長女も手伝うから俺や弟は自由。
で、俺は研究者になるって決めてるから──
パチパチと目の前で燃える焚き火。定期的にある【モンスター討伐】に来てる。三角座りで寝落ちしてたみたいだ。目が覚めたらなんか【トイレ】に行きたくなって近くの【木々】の中でしようと移動する。
おしっこして戻ろうとしたらなんか少し遠くで話し声がして、そろりと《認識阻害》つけながら近づくとメョンミくんと冒険者達が川の近くで談笑をしていた。なんで、こんな所で。と思ったけど焚き火近くは他の人達が寝てるから、か。と戻ろうと振り返ったとき。
『っすよね、やっぱ』
『戦争なんてそうそう起こらないし、そんなの嘘──』
『いやいや、──流石に、──……ですよ?』
『ははっ、──まだ言ってないことも多いみたいで……』
『彼とは、ですか?』
『俺はマルを友達なんて思った事ありませんよ』
川の音であんまり聴こえなかったけど、最後のだけハッキリ聴こえてその場からもとの【焚き火】へ戻る。
やっぱ、無理してたんだな、……まぁ、そりゃ、まあ……だよな。
友達じゃない、か。普通の友達を作るのが難しいよな、俺も基本セフレしか居なかったし。
起きたらどんな顔で友達のフリしながら接したら良いんだろ。
・・・なんとか、なるか。
朝起きて、普通に挨拶した。彼はいつも通り笑顔で。ああ無理してんだって分かるとその笑顔も辛い。
何事も起こらないままモンスターを討伐して【学校】へ戻る。
《認識阻害》を普段も付けるようにした。【授業中】はさすがに着けないけど終わったら着けて、それの繰り返し。昼は一人で過ごす。これが普通だったからただ前に戻っただけ。
「ま、るっくん、やっと、捕まえた……最近、【授業中】以外どこ行ってんだよ」
「な、」
【授業】開けに《認識阻害》をつける瞬間──腕を掴まれて、彼に抱き締められる。一瞬の周りのざわめきとその後は他の人達は普通に過ごすのを彼は何事かと俺に抱き着いたまま目をパシパシしてる。
「ちょっと、集中したくて、気配消してた。それだけ」
「すげぇ、心配してた。それも《聖魔法》?」
「ううん、違うけど。僕の事は、気にしないで」
「泣きそうになってる顔みて、ほっとけねぇよ」
抱きしめる腕が強くなる。誰が泣きそうな顔だって? ただそう見えてるだけだろ、……1人になった方が冷静になれる。彼の胸を押して再度《認識阻害》をかけ直した。
さっさと、帰ろう。
《模倣体》を出せるだけ出して【各地】に散らばして情報集をしてるけど、未来に戦争が起きる予感すら噂もない。ただ、怪しいもの、そういう集団は俺の姿達が片っ端から消していく。
ベッドに沈む。疲れた、思考が……でも頑張らないと。マルやその家族を長生きさせないと。
すやぁ…………
ああ、またあの日の夢──目の前で殺される愛しいヒト、我が子、マルの家族もみんな……、早くしないと。
【燃える街】で、逃げ込んだ【教会】には人々が怯え、泣く声そして侵略者達に、ひとり、またひとり、と殺されていく。
近くで泣く子供の手を握りあやしてたが、いつの間にか子供は消え、青白い手だけが残った。これ、は、マルの……違う、それは、
「はあ、はあっ、……夢が混在し始めてる、くそ、とにかく嫌な夢だった。」
何度もやり直しをしてると、頭の思考キャパがおかしくなる。常に鈍痛があるし、治してもすぐなる。即治すなら《回復》の方が早いけど、薬飲むか。
《回復薬調合》で作った薬。
「ふう。マシになった。」
どうせ夢を見るなら、エロい夢が見たい。
「うん? おはよ」
めちゃくちゃ顔が赤いメョンミくん。昨日長風呂したんじゃ……と思って彼のオデコに手を当てると凄い勢いで離れる。
「風邪かなと思って。違かった?」
「い、や……はあ。」
「風邪なら治せるよ、手出して」
彼の手を取って《短い詠唱》をすると緑のフワフワが彼に纏わりつく。《状態異常》を治すやつなんだけど。
彼を見るとポカンとしてる。
「本当は《聖魔法》なんだ。僕」
「マジか! なんで、偽ってんだ」
「目立ちたくないから」
「他にも隠してる事多そうだな。でもマルくんが話したくなるまで良いよ」
「ん、ありがとう」
メョンミくんは良い子だな。友達になれて良かった。
その後はいつも通り。
ただただ、機械的な日常が彼が居るだけで少しだけ気持ちが楽になれたのは良かった。
【モンスター討伐】や【競技大会】色んなイベントをこなして、高3になった。
この【世界】は15歳で成人だけど、こういう【学校】に通ってるものはまだ学生として学業をこなす。
だから【高等部】がある訳で。さっきの【モンスター討伐】は【冒険者ギルド】の人と一緒に派遣された【地域】に出没するモンスター達を狩る。
それと【職業体験】も。貴族の一番上とその下は【家】を継ぐのが一般的だけどその下からは何処に行ってもいいわけで。それは次男だけど長女が居るから、兄が【家】を継ぐけど、長女も手伝うから俺や弟は自由。
で、俺は研究者になるって決めてるから──
パチパチと目の前で燃える焚き火。定期的にある【モンスター討伐】に来てる。三角座りで寝落ちしてたみたいだ。目が覚めたらなんか【トイレ】に行きたくなって近くの【木々】の中でしようと移動する。
おしっこして戻ろうとしたらなんか少し遠くで話し声がして、そろりと《認識阻害》つけながら近づくとメョンミくんと冒険者達が川の近くで談笑をしていた。なんで、こんな所で。と思ったけど焚き火近くは他の人達が寝てるから、か。と戻ろうと振り返ったとき。
『っすよね、やっぱ』
『戦争なんてそうそう起こらないし、そんなの嘘──』
『いやいや、──流石に、──……ですよ?』
『ははっ、──まだ言ってないことも多いみたいで……』
『彼とは、ですか?』
『俺はマルを友達なんて思った事ありませんよ』
川の音であんまり聴こえなかったけど、最後のだけハッキリ聴こえてその場からもとの【焚き火】へ戻る。
やっぱ、無理してたんだな、……まぁ、そりゃ、まあ……だよな。
友達じゃない、か。普通の友達を作るのが難しいよな、俺も基本セフレしか居なかったし。
起きたらどんな顔で友達のフリしながら接したら良いんだろ。
・・・なんとか、なるか。
朝起きて、普通に挨拶した。彼はいつも通り笑顔で。ああ無理してんだって分かるとその笑顔も辛い。
何事も起こらないままモンスターを討伐して【学校】へ戻る。
《認識阻害》を普段も付けるようにした。【授業中】はさすがに着けないけど終わったら着けて、それの繰り返し。昼は一人で過ごす。これが普通だったからただ前に戻っただけ。
「ま、るっくん、やっと、捕まえた……最近、【授業中】以外どこ行ってんだよ」
「な、」
【授業】開けに《認識阻害》をつける瞬間──腕を掴まれて、彼に抱き締められる。一瞬の周りのざわめきとその後は他の人達は普通に過ごすのを彼は何事かと俺に抱き着いたまま目をパシパシしてる。
「ちょっと、集中したくて、気配消してた。それだけ」
「すげぇ、心配してた。それも《聖魔法》?」
「ううん、違うけど。僕の事は、気にしないで」
「泣きそうになってる顔みて、ほっとけねぇよ」
抱きしめる腕が強くなる。誰が泣きそうな顔だって? ただそう見えてるだけだろ、……1人になった方が冷静になれる。彼の胸を押して再度《認識阻害》をかけ直した。
さっさと、帰ろう。
《模倣体》を出せるだけ出して【各地】に散らばして情報集をしてるけど、未来に戦争が起きる予感すら噂もない。ただ、怪しいもの、そういう集団は俺の姿達が片っ端から消していく。
ベッドに沈む。疲れた、思考が……でも頑張らないと。マルやその家族を長生きさせないと。
すやぁ…………
ああ、またあの日の夢──目の前で殺される愛しいヒト、我が子、マルの家族もみんな……、早くしないと。
【燃える街】で、逃げ込んだ【教会】には人々が怯え、泣く声そして侵略者達に、ひとり、またひとり、と殺されていく。
近くで泣く子供の手を握りあやしてたが、いつの間にか子供は消え、青白い手だけが残った。これ、は、マルの……違う、それは、
「はあ、はあっ、……夢が混在し始めてる、くそ、とにかく嫌な夢だった。」
何度もやり直しをしてると、頭の思考キャパがおかしくなる。常に鈍痛があるし、治してもすぐなる。即治すなら《回復》の方が早いけど、薬飲むか。
《回復薬調合》で作った薬。
「ふう。マシになった。」
どうせ夢を見るなら、エロい夢が見たい。
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