バトンタッチした話

加速・D・歩

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・本編

96 一人暮らしなう

「マル、寝る時間だ。」
「……わかった」

 彼に捕まって強制的に寝かされる。普段《認識阻害》してるのに彼には何故か捕まるなんでだろ。
 彼の腕に抱かれて目を閉じるとすぐに寝れる。これで、また頑張れる。




「マルくん。」
「なに、起きたから離れて」
「なんで、1人で抱え込もうとするんだ。俺じゃ頼りにならない?」
「なってるよ、ありがとう。でも今は大丈夫だから」
「俺は、お前を──」くそ、逃げられた……


 メョンミくんと一緒に寝れば寝れるのは分かった。けど友達だって思いたくない人と一緒にいるのは苦痛だろうからすぐに離れる。
 他は、反乱軍? まだ規模は小さいけど【隣国】の近くにそういう集団が燻ってて、それが大きな規模になると【隣国】を乗っ取りそのまま周辺の【国々】を蹂躙し始める。からその元となった彼らを始末する。

 いつか全ての脅威が無くなったらメョンミくんに「嘘だよ」と笑って言ってやりたい。だから、心配しなくても良いよと。

 


「卒業式だったな、」
「うん。メョンミくん、元気でね」
「なあ、せめてマルくんの【住む場所】を教えてくれ」
「なんで?」
「そりゃ、君を寝かせないと、また無理するだろ」
「良いよ、僕の事はほっといて」
「あっ、また!」

 メョンミくんの前から姿を消して一回【実家】に戻る。姿は《着せ替えセーブ》から引っ張り出してきたもの。さすがに隈が凄い顔で会うと心配されるから。

 久しぶりに会った家族は皆元気そうで、新しく妹が誕生していた。相変わらず夫婦仲が良い。

 弟のマッコィツから一緒に寝ることになった。

 朝起きて彼から寝言は言ってなかったけど「凄いうなされてた」って言ってた。夢は記憶してないけど……
 彼には「【学校】楽しかったけど疲れてたから」と誤魔化して、両親には【家】を出ることを言って。弟からは「嫌だ」と言われたけど最初からそうするつもりで、せめて手紙だけでもやり取りをする事になった。ちな、鳥で運ぶタイプの。

 新しい住む場所は【領地】近くにある【山】の中にある【小屋】で到底貴族が住む場所ではないけど、一人暮らしだし研究するには【山の中】が丁度いい。


 研究と言っても、俺の姿で悪いやつを倒しつつ、【山】で採れたモノを使って《召喚使役》で出したモンスターで色々と試したり、《結界》は張ってるけど色んな《属性》や武器でも破れないモノを作らないと。

 そんなこんなで20代後半になってた。
 弟に彼女が出来たと報告されたり妹も【学校】に通い始めたと報告が来た。
 



──トントン

【ドア】が叩かれる音に目が覚める。【町】の誰かが来たのかと【ドア】を開けると見知らぬ男性が立っていた。

 フルプレートの白い鎧に背中には大きな剣。
 彼はバイザーを上げると顔が見え、緑の髪にオレンジ目……

「もしかして、メョンミくん?」
「まる、なのか? 研究のし過ぎて、髪の色が……」
「違う。本来の色。茶色だったのは変装してて」
「目立ちたくない、からか」
「そ。……立ち話もあれだから中に入って。」
「ああ、お邪魔します。」

 今はいつもの銀の髪に紫の目だから、彼は見慣れないようでソワソワしてる。【部屋の中】誰も来ないからゴチャゴチャしてるんだよな、適当に椅子らしき場所の荷物をどけて、掘り起こして《生活魔法》で綺麗にしてから彼を座らせた。

「よくこんな辺鄙な所に来たね。」
「ああ、君の弟君おとうとぎみに聞いて」
「ふうん、そうだったんだ。」

 そんな話は手紙に書いてなかったけど。にしても変わったな、かなりムキムキになってるのが、鎧を着てても分かる。

「結局、【王国騎士団】に入ったんだね」
「ああ、マルくん」
「別にマルで良いよ」
「マルに言われてから考えたんだけど、それでも誰かを守るためなら【ココ】に入った方がいいと考えた」
「確かに、それもそうか。それで? 僕に何かよう?」

 俺が話したことは嘘だと思ってる彼は、一応俺の手前だしそれらしい事を言って話す。まぁ、戦えないより戦えた方が良いもんね。

「本当はすぐにでも会いたかったけど、【居場所】が分からなかったから、名前で聴いても違うって言われてマルの本当の名前を知って弟君から情報を知って……寝れてないだろ、寝に来た。」
「あは、メョンミくんさぁ、お人好しだよね。昔少しだけ過ごした仲で【ココ】まで来るなんて、さ」
「ああ、お前の為なら何処にだって駆けつけるさ」

 そう言って鎧を外した彼は俺の顔に手を当てる。


「っ、なんの、つもり?」
「ごめん、そういうつもりじゃなくて……」
「僕の邪魔をするなら出ていって、」
「悪い、違うから、寝るだけだ!」

 何故かキスされた。
《感覚遮断》をつけてるのに、感覚があって、ビックリする。
 完全に鎧を取った彼は【俺のベッド】に俺を寝かせて一緒に横になると、腹を一定のリズムでポンポン叩くとどうしても即熟睡してしまう。

 彼が何したいのか分からないや。

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