バトンタッチした話

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119 青い花

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──……ハッ、目が醒めてキョロキョロと周りを見る。

 オレは【王都】で住んでて……それで、【ココ】は何処だ……? 目だけしか動けない、腕と脚は縄に縛られてて……

「だれか! 誰か居ないのか!! オレは花房はなぶさ華蓮かれん! 閉じ込められてるんだ! 助けて!」

 オレが大声で叫んでも【部屋】の中に響くだけで誰も来ない。
 このまま誰も来なかったら──想像してゾッとする。
 これって誘拐だよな、でも理由が分からない。


 そんな事考えながらたまに叫んで、疲れて寝ていると、彼が来た。
 ずっと【暗い部屋】の中に居たから、突然開いた【扉】から光が差し込んできて目が眩しくて薄目になってると、逆光で誰が来たのか分からなかったけど、隣に1人投げ込まれた。


「おい、あんた!」

 隣に倒れてる人に呼びかける。
 そいつは投げ込まれた時に変な所が当たったのか意識を失いながらも悶えてたから心配になって声をかけた。
 何度か声をかけてると、目を開ける。
 オレと同じ、黒髪黒目……この【世界】で見かけない色にオレはそのまま話しかけた。

「オレの名前花房はなぶさ華蓮かれんって言うんだけど、あんたの名前はなんて言うんだ?」
「え、あー……ケース、カレン【ココ】どこ」
「わかんね、オレも気づいたら【ココ】に居てさ、あそこが開いた──って思ったら、ケースが来たからさ、」
 
 ケースって名前なんだ。なんか馴染みがあるような不思議な響きだ。それにオレの名前もみんな、カーレとかカレーとか多いのにちゃんと華蓮って言えてるし……と謎の感動……!
 初めて会うけど、友達になりたいって思った!

 その後、【扉の向こう】からなんか、物騒な音がしたあとに、開いたと思ったらまた男達が立ってて、オレは──

「なあ! あんたらなんだよ! オレ達をあの【暗い部屋】に閉じ込めたのはお前らか?!」
「いえ、貴方達をあの【場所】に連れてきたのは人身売買の組織でしょう。」
「は、じんし……、なんだよ、この【世界】おかしいだろ、」

 たまにこの【世界】の人達の常識がおかしい。当たり前のように言ってくる言葉にオレはつまった。
 そいつらはオレ達を【ココ】から出す為に──抱き上げた。
 縄を外してくれれば良いのに、これじゃまるでお姫様抱っこじゃないか! 恥ずかしさに抵抗するオレとなすがままに運ばれるケース。
 アイツ恥ずかしくないのか?! 男なんだぞ、オレらは!
 
 そのまま【目の前の場所】が変わって、目の前にはデッカイ【屋敷】があって、その中にはいるとずらーーーーりと女の人達が立ってて、メイドじゃん! って思ってたら男達はオレ達をメイド達に渡したあとどっかに行ってしまった。
 オレ達は戸惑ってるとメイド達に腕を掴まれたまま──【風呂場】に連れてかれた。

 着てた服を強制的に脱がされて、全裸にされた。オレは抵抗しまくったけど、そのまま全方位囲まれた状態で柔らかいスポンジで洗われる。

「んあっ、あんっ、は、あ、んっ、」

 ギョとして横を見るとオレと同じく洗われてるだけなのにめっちゃどえろい声をあげてるケースがいた。
 オレの方についてるメイドもそうだけど、顔色ひとつも変えずにオレ達を洗い終わってすぐに《生活魔法》ってやつで乾かして身だしなみを整えられた。
 チラッと見えたケースの首の後ろと、股間……いま、なんか見えたような。
 好きなバンドの影響で伸ばしてた髪もバッサリ切られて、毛先推しのカラーで染めてたんだけど!

 その後はさっきの男にメイドがコソコソと内緒話してたり、オレはオレで異性に体の済から済まで見られてしんどくて座り込んでたらケースに話しかけられ、「なんでそんなに普通でいられるんだよ!」って話したり、てかそれよりも……

「てか、さっきから思ってたんだけど……」
「うん?」
「お前、男だよな……?」
「そうだけど。女にみえんの?」
「いや、じゃあ、[それ]なんだよ」

「俺の番に頼んで付けてもらったんだよ。オメガだしおちんちん使わないじゃん?」
「っ、」

[フラット貞操帯]って教えてもらってもよく分かんねぇ、と、とにかく、ケースが頭おかしいのは分かった。
 そんなの付けてチンコ潰すとか、オメガってなんだよ、意味わかんな過ぎる。
 その後は、服を着させられてまた男達に【中庭】に案内されると1人の綺麗な人が居た。ケースは誰かの名前を呼んだ。


「セリァナラ様、彼らがオメガです」
「そう、なのね。彼らは私の伴侶となる人」
「「はあ?!」」
「は、話がいきなり過ぎなんだけどっ!」
「どういう話なのか、説明してください」

 は、は、伴侶?! なんだよそれ!
 オレとケースは彼女、セリァナラ様ってやつに説明を求めた。
 さっきからオメガ、オメガと言われて説明をされてオレは絶句した。セリァナラはアルファってやつで、オレらは男なのにセリァナラに、……に、妊娠させられるとか! い、イカれてるこの【世界】は……!
 とにかく1人になりたくなくて、ケースに言ったら怒られた。

「ケースも一緒じゃなければオレ嫌だ!」
「は? 1人で充分だろうが!」

 いや、いやいやいや! てかさっきエロい声出してたケースの方が適任じゃん! 男なのに妊娠とか怖えよ!
 その後はセリァナラにケースが首の後ろの傷を消す話になると彼はこの場から離れようとして、セリァナラの横に居た男に殴られる。
 それでもさらに抵抗するからオレは止めたかったんだけど、ケースと離れ離れになったあと【オレの部屋】に案内された。
 一人っきりにされると【扉や窓】は完全に閉められて開けることができなかった。
 ケースが大怪我してたのが気になった。
 無事だったらいいんだけど……心配だ。オレにできる事が無さすぎる。
 その後何度か食事が運ばれてきたりしたけど、メイド達に聞いても、ケースは【隣の部屋】に居るとだけ。

 次の日、セリァナラがやって来た。
 オレは聞きたい事を聞きまくると、彼女は……

「ふふ、彼の事が大事なのね」
「あ、たり前だろっ! 友達なんだ」
「貴方も稀人なんでしょ」
「まれびと……なんだよ、それ」
「ふふ、どっちに私の子を産んでもらおうかしら……ね」
「ひっ、く、来るなっ!」

 セリァナラは不気味だ。その周りのやつも!
【ベッド】の上に上がってくる彼女に壁際まで追いやられる。
 セリァナラの冷たい手がオレのホッペに触れる瞬間、彼女は笑い後ろに下がった。

「ふふ、そうやって縮こまれるとゾクゾクするわね。毎食出してるお茶をちゃんと飲むのよ? 普段動かないんだから体調の為にね?」
「………」
「また来るわ」

 セリァナラが去ったあと、息をつく。
 また、来るのか……嫌だな……でも、ケースが無事なら……




 いつの間にか寝てたのか、料理がきて食べさせられる。ペースが速くて何度か咳き込むとオレが食べるのを見るからそれはそれで食べづらい。
 出されるお茶……これ、絶対飲めって言われたやつ。
 匂いはいい匂い……でも嫌な予感がして、彼女達に気づかれないように飲んでるフリをして《生活魔法》を使って捨てる。
 いったん、【ベッド下】にためて、メイド達が居なくなったら窓の隙間から流し落とした。




 それから、多分何か月か経った。
 たまに来るセリァナラに何度も「ケースの様子を見せてくれ!!」って言ったおかげで、会わせてくれる事になった。


「セリァナラっ! どこ行ってたんだよ!」
「少し離れてただけですわ、ふふ。ケース、カーレが来ましたわ」
「華蓮……? 久しぶりだな」
「お、う、うん。なんか、ケース雰囲気かわったか?」
「? そうか? てか、セリァナラ、キスして、ほら」
「いいわよ、ほら」
「な、」


 あの【中庭】に行くとケースがセリァナラに駆け寄ってきて抱きしめる。な、……? 2人の仲よさげな感じに違和感、そしてき、キスを強請るケースにギョとする。
 オレが離れてる間に何があったんだ、い、いやこれで良いのか……?
 
 目の前でいちゃつく2人に近くで見守る男達とメイド……1人取り残された感覚のオレ。


「今日良い天気だし、【ココ】でしたらダメ?」
「あら、カーレが見てるけど?」
「いいの、セリァナラぁほしい、メスちんぽちょーらい!」
「ほんと、好きなのね、準備なさいなさい」
「「はっ」」

 オレ以外が動き出す。噴水近くにデカい天蓋付きの【ベッド】が運ばれてオレは近くの【椅子】に座るように腕を引っ張れ、お茶と菓子を出された。
【ベッド】の上にはケースが下で仰向け、セリァナラが上に被さりながら、彼の身体を弄る。

 これ、オレに見ろってことか?! な、バカな事を、と【椅子】から立ち上がろうとすると、1人のメイドに両肩を押さえつけられて、顔も目の前に固定され、お茶を飲まされた。
 ごほ、ごほと咳き込むのに最後の一滴まで飲まされて頭がボーッとする。

 ケースはめっちゃエロい声で泣くし、あ~、ヤリたくなる。おかしい。オレ女の人に挿れる方でしか興味ないのに……やっぱ、お茶のせいか……?

「セリァナラあ、もっと! もっとお、突いてえ!!」
「さっさと産みなさいよ、孕め、このビッチが!」
「んん゙っ、はら……み、」
「今更拒むな、ケースに飲ませて、なんなら花を直接でも良いわ!」
「畏まりました」

 男達はケースの口に何か筒? みたいなモノを咥えさせると、そこにお茶を流し飲んで、飲めない分が隙間から溢れる。ケース本人も抵抗してるけど、男に両腕を掴まれてるし!
 メイドたちが持ってきた青い花をケースの口の中に入れ始めた。
 くぐもった声に、次第に小さくなる反応、オレはケースが死んだのかと思って、彼らの方に行こうとしたんだけど、メイドが持ってた花をオレも食わせられて──
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