バトンタッチした話

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155 戦隊ではなくて

【王都】の【古代物保管庫】に保管されてる[箱]に会いに行けることになった。
 俺と、マル、ワーチャン、メイチャン、プキュギに先生方。

【ファンタジー世界】マシマシのギミックと魔法陣で施錠された場所にはそこを守護する管理者が案内する。

「プキュ!」
「本当に3つある」

 目の前にはあの[箱]が横並びに3つ。
 全て綺麗な状態で横にある文字はもとから消されてたようだ。
 でも一部だけ、『幸せ』って書いてあった。もしかしたら《封印》した人が彼らの幸せを願ったのか……?
 なんて思ったり。なんで、《封印》される事になったんだろう。

 プキュギが《光の聖域》を使うと蓋が開いた。そこには全員全裸の男達が入っていた。やっぱり毛先がピンクでルナと同じ[ペンダント]をつけている。

 彼らを[箱]から出して、【床】に並べる。持ってきたシーツをかけて。
 で、マルと俺で《治療》は、かけた。けど、ルナみたいにすぐ目覚めることが無かった。
 管理者も事前に[箱の中]にヒトが入ってるのは聞いてたけど半信半疑だったらしい。ま、気持ちは分かる。

 ルナは水色にピンクの髪、この前の人が赤にピンク。
 今目の前には、金髪にピンク、銀髪にピンク、緑髪にピンクだった。
 
 せっかく5人なら赤、青、黄、ピンク、緑で戦隊モノに……ってくだらない事を考えてる場合じゃないな。

「ルナに会わせた方がいいのか、な」
「なんで《封印》されたのかも分からないしな……」
「アィーンルナと言う人にコンタクトだけでも取りますか」
「ええ、そうした方が良いかもですね」

 管理者さんと先生達で話が決まり俺達は【学校】へ今回の討伐で各予定が早めに終わってしまった。
 また一応この時期からはモンスターが人を襲いやすい時期だからまた招集はかかるだろうと言われてるが。



 
「ケースケ、さっき呟いたセンタイモノって何?」
「え、聴こえてた?」
「うん、隣にいた僕にしか聴こえてないとは思うけど」
「あー、俺の居た【世界】に居るヒーローなんだよ。5人で悪いやつを倒すってな、武器がナイフの戦隊モノが流行ってたんだ」
「へー、すごい! ケースは守ってもらったの?」
「えっ、ああ、ヒーローショーとか好きだったし、変身ポーズとかも」

 実際は居ないけど、[テレビ]の事とか説明したら面倒くさいからそこを省いて説明するとマルは目を輝かせながら「すごい! すごい!」って言ってくれる、マルも男の子なんだなぁ。としみじみ。

 後日、ルナに説明した先生から何故か『俺だけ一緒なら良い』って言われルナが世話になってる【家】に向かった。

「ケースっ! 会いたかった!」
「おお、ルナ! 元気だったか!」

【屋敷の前】でルナと勢いよく抱擁! ギュッと抱き合ってお互いに笑ってから離れる。
 ルナの後ろから少し年配の夫婦がやってきて、彼らがルナの世話をしてくれてる人達。少し会釈してから一緒に来た先生が彼らと話に行ってしまった。

「ルナに似た見た目……てか髪の色? 4人とも毛先がピンクでその[ネックレス]も似てんだ。だから、ルナの知り合いかなって思っててさ。もし、まだ記憶があれだったらやめるように出来るけど」
「ううん。ケースと一緒なら……不安だけど確認出来るよ」
「うん。分かった、よし、行こう」

【王都内】に【屋敷】があるから【馬車】に乗って数十分で【古代物保管庫】に着いた。
 管理者が別の人だったけど、週替わりで代わるらしい。

「んでは、前の担当者から聞いてますので案内します」
「はい、君達ついてきて」
「「はい!」」

 ルナと手を繋いで先生の後をついていくと、【古代物保管庫内】にある一角の【部屋】に案内された。そこにはシングルベッドが4つ並んでて一人一人【ベッドの上】で寝かされていた。
 管理者がいうにはあれからまだ目覚めてないと言うことだった。




 少し緊張してるのがルナと繋いでる手から分かる。彼の背中を撫でながら優しく微笑むと落ち着いた表情になった。

「見覚えあるかな?」
「ごめんなさい、分からないで……あ。」
「ん? どうした?」
「この子、ユゥールルイ、トルーェマ、ユガゥヤマ、レュヤイ……なんでだろ、頭の中に出てきた。」
「ルナと同じく、ルイ、エマ、ヤマ、ヤイにしよう。」

 やっぱり関係があったか。でも思い出せたのは名前だけの様で。

 彼らの頭を名前を呼びながらなんとなく、ああそうだ。[箱]に書いてた通り幸せになってほしいから、頭の撫でた。


「あっ、彼らの目が開きましたよ!」
「あ、本当だ」

 先生達の声で振り向くと──ルイ、に後ろから抱きしめられてた。

 え、って思ったらそのまま彼にキスされて──?!

「ユゥールルイッ! 離れて!」
「なんだよ、アィーンルナ。ケースケを護るのがオレらの仕事だろ。反応が遅えよ」
「まあまあ、ユゥールルイ、今はケースなんだから名前間違わない方が良いですよ。彼もビックリしてますしね」
「ユガゥヤマの言うとおりだぞ、おまえ嫌われるぞ?」

 ポカンとする俺ら、先生達も含めて5人はワイワイガヤガヤし始める。
 
「えっと、ルイ、エマ、ヤマ、ヤイ、落ち着いて。ルナもね」
「……はい」
「「そうだな」」

 一旦落ち着いてもらって、話を聞くことに。この場にメイチャンがいなくて良かった……もし居たら血が出てたかもしれないし。

「えっと、ルナは4人の事は名前しか分からないんだよね?」
「おまえ、猫かぶってんのか?」
「ホントだもん! さっきまでは本当に名前しか出てこなかった」
「今は?」
「少しづつ、だけど、ウチらは兄弟だった。」
「兄弟なんだ、似てる、ね?」
「顔似てねぇって出てんぞ」
「確かにあの母と父から産まれたのに似てませんよね。私達」
「ほんと、不思議だよな。」

 5人兄弟、なんだ。ヤマだけ目が黒い。他はマルみたいに目が紫なんだけど、それは何でだろう?
 
「でも、徐々に思い出せてるようでよかったよ」
「オレ達の使命は覚えてるよな?」
「……うん。覚えて、思い出した。けど、」
「何? どうしたん?」
「あとで君達に話すことがあるから……」

 使命?《封印》されてた理由なのかな。
 ルナも思い出したことがあったみたいだけど、他の兄弟とだけ話したいと俺達の所から少し離れた所で内緒話を始めてしまった。

「先生、ルナ達はこれからどうするんですか?」
「うーん、彼らがいう使命が何かによって変わってくるだろうね。」

 内緒話が終わったのか戻ってくると、彼らルナ以外の4人は少し深刻そうな表情をしてるのが気になった。
 それでも俺たちと話す時にはフレンドリーな表情に戻ってたけど。

「それで、君達がいう使命って何を指してるんですか?」
「ああ。シンプルな事で彼──ケース様を護るのが我々の役目です」
「へ? 俺?」
「この子に一体……」

 いや、1番訳わかんねぇよ。また様つけされてるし、テック先生にも様つけられてるんだよなぁ。
 ルナの【家】とは別の世帯に彼ら各々預けられる事になって解散となった。
 護るって言われてももう、メイチャン達に護ってもらってるし……

「そのメイチャンって方は?」
「ああ、俺の婚約者で【学校】卒業したら結婚するんだ!」
「ふうん、ケース様にねぇ。」
「そういう言い方失礼ですよ」
「そういえば、プキュギは?」
「プキュギ……?」

 ルナからプキュギの事を言われて説明すると4人は「会いたい」というから後日、プキュギやメイチャン……心配だからとついてきてくれた。




「メイチャンって聴いて女性かと思ったら男か」
「これがプキュギ? ってお前、ロメ──「ブギュー!」うわ、何して──?!」
「「プキュギ?!」」

 チャン付けだったからメイチャンの性別を間違って、それからプキュギを抱っこしたルイにプキュギが襲いかかって、普段こんなことないのに! 俺達は慌てて止めに入った。


「今はプキュギって名前──ってか姿なのか」
「プキュ! プキュンプ、プンプン!」
「なるほどね、だいたいわかった。」

 なんだかんだ彼らはプキュギとも打ち解けたし、なんなら会話も出来てる。すげー!
 

「お前達プキュギと会話まで出来るんだな!」
「ケース様はコイツと会話しないんですか?」
「いや……するよ? するけど、たまに[カード]を選んでもらって聞くことはあるけど……」
「ああ、そういうコミュニケーションの取り方なんですね」
「プキッ! プップ、プキュー!」
「へぇ、なるほどね」

「あー、で、アンタらこれからどうするの?」
「それ、俺も聞きたかったんだ。」

 メイチャンが彼らの生活を詳しく聞こうとする。
 ルナ達は「ケース様が通う【学園】を見たいです」と言うから、先生達に伝えて少しだけ案内する事になった。

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