バトンタッチした話

加速・D・歩

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156 中毒事件

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 先に俺らだけ【学校】に戻るとなんか、異様な雰囲気だった。所々で生徒達が地面に倒れている。
 貴族の令息達だから普段こんな事はしないだろうし。

「なあ、コレって何が……」
「マル達の所に急ごう!」

 メイチャンの手を繋いでマル達の所に走った。
【校舎内】、【寮】……どこもかしこも生徒や先生までもが倒れていた。
 こんな事って、走って走って、【部屋】に着いた。俺達の隣にマルの【部屋】があるから、ドアをノックしようとすると、俺達側の【部屋】のドアが開いて、マルの顔が出てきた。

「ま、マルっ!」
「ケース達帰ってきたんだ、はやく、【コッチ】に入って!」
「「ああ」」

【部屋】に入るとイツメン達が集まってた。
 メメちゃん達も居る。

「な、なあ、何があったんだ?」
「分からない、いきなり皆倒れ始めて……僕は《聖魔法》を使えるから《浄化》とかでこの【部屋】だけでも……って、プキュギは?」
「ルナ達の所に居るよ、ああ、プキュギに《光の聖域》出してもらえれば良かったのか」
「じゃあ、《光魔法》を使えるやつをもっと集めれば……って事か?」
「でも原因が分からないから──」

 俺達が【ココ】まで無事に来れたのは《聖魔法》と《光魔法》で手を繋いでたおかげかも。
 それで、プキュギがいればマルがこうやって皆を守ってるのも楽になったけど、ルナ達の所に居るからな。
《光の聖域》みたいな《魔法》は《合唱魔法》になるから唱えるとしたら数人必要だって。《光魔法》はメイチャンとヌヌくん。


「俺と探索が得意なゲィマァメメで辺りを調べる。」
「原因と、出来ればフリアャラトくんや《光魔法》使える人達を探してきて!」
「うん、やってみるね」

 ワーチャンの《水精霊》とメメちゃんの《血魔法》で【学校内】にある原因と《光魔法》を使える人を運んできてもらうように言う。




「原因は分かった。青い花──[マネヌーン]が大量発生している」
「あの花が?!」
「だからこんなに被害者が……でもそれだけが原因なの?」
「ああ、それに触れたりしなければ……あった。」

 ワーチャンが見つけたのは【学校の裏手】にある【森の中】に[マネヌーン]が大量に咲いてるって。
 ただそれを触らなければ良いはず、こんなに被害者が出てる理由──それもワーチャンがすぐに突き止めた。


「誰かが生活水に混ぜてる、だから飲料や水浴びでもって所か。その後【学園内】で広まって空気中に漂って余計にそこかしこで……と。」
「だからさっき息苦しかったのか、マルゥメが俺達を守ってくれなければヤバかった。」

 原因を聞けば聞くほどヤバい、その犯人は分からないけど完全にテロ行為じゃん!
 メメちゃんは次々と《光魔法》を持った生徒たちを連れてきた。俺とマル、メイチャン、ヌヌくんで手分けして《治療》をすると少しづつ意識が戻る。
 戻った人には病み上がりで悪いけど手伝ってもらって10人ちょっとぐらい集まった。

「キラっち大丈夫か?」
「う、うんなんとか。でも話を聞けば聞くほどヤバいことになってるな、先生たちもダウンしてんだろ」
「らしい。俺達でどうにかしないと!」

 とりあえず、マルの《補助魔法》で集まってる全員を【校庭】にそこで《合唱魔法》を起こす。

 円になって座り、隣同士と手を繋ぐ。詠唱が始まると地面から天に駆けていくつもの白や黄色の魔法陣が現れる。

「「天に座す光の源流よ、我ら奏でる唱和に応え給え。這い寄る濁り、澱める吐息を、白銀の輝きにて濯ぎ払わん。浄福の鐘音、満ちよ此処に。――合唱・《サンクチュアリ》!」」

 一番てっぺんからドーム状に【学校】を包みキラキラとした光の粒が振り注ぐ。
 詠唱してる人たち以外の、動けるもの全員で倒れてる人達を運んでは手が空いてる人達も含めて《回復》をおこなった。
 先生達も気がついて、俺達は状況を報告するとすぐに原因となる犯人と、全ての水を《浄化》する作業が始まった。




「うう、いつまで、……まだかかりそうですか、」
「僕達もマナが減って……」
「わかった、交代……っていっても、」

 数時間ずっと《聖域》を維持してるとマナ不足になる。【校舎内】から[魔塩]を持ってきた先生が生徒達に舐めさせるけど、マナが回復した瞬間には消費の方が激しいらしく、焼け石に水だった。でもこれじゃ……

「マル、マルは、水の《浄化》作業に行ってくれ、ここは俺がやる……!」

 弓を真上、今詠唱されてる《サンクチュアリ》にプラスするように《浄化の矢》を放つ! 魔法陣を下から支えるように《聖なるバリア》で補強。
 今のうちに《光魔法》持ちの生徒達が休憩にはいる。

 そのまま真下で祈る。誰かの手が包み込んで目を開けるとメイチャンがいた。

「メイチャン、休んでないと……」
「俺には[コイツ]があるから平気だ。それにちゃんと支えないとな」
「んっ、分かった。」


──あの2人の周りが凄いマナの絡まり方……
──あの状態で、彼ら自体が《サンクチュアリ》化してるのね
──あっちでもトィン様と銀の君様が!
──2つの《聖域》で僕達守られてるね

 横の方を見るとマルたちも同じような格好で井戸水や水がある場所で《浄化》が行われていた。
 ちな、花は先生達の指示で《草魔法》持ちが根っこまで全て取って《炎魔法》持ちが燃やしつくし、《風魔法》持ちが【学校内】全ての不穏な空気を取っ払った。


 大掃除ですか? お正月?
 はあ、明日ルナ達を招くのにとんだ事になった、疲れた……




「プキュー!」
「プキュギ、帰ってきたかー、うーんモフモフ、可愛いなぁ」
「プ? プキュン??」
「ケース様、プキュギが戸惑ってますよ」
「にしてもこんなデッカイ【校舎】なんですね、お? なんかいい匂いがする?」
「あー、実は……」

 次の日、腕の中に飛び込んできたプキュギをいつも以上にモフモフすると困った視線を向ける。
 ルイ達にも呆れられつつ、昨日のことを説明した。


「へぇ。で、その犯人は捕まったんですか?」
「ああ。怪しい行動をしてた生徒がいて、彼も水に花を入れたあと自滅してたんだ。なぜそんな事をしたのか聞くために《治療》はしたんだ。」
「その生徒は……?」
「何も覚えてないってさ。家柄も普通のところで他の生徒に危害を加える家系でもないし、本人もいたって普通。友達もそれなりに居て、……それで取り調べのあとにブツブツ何かを言うようになって、メイチャンが、彼の[聖剣]で対象を斬ると魔なモノが祓われるんだけどやったらビンゴでさ」


 斬ったあとその生徒は熟睡するレベルで体が落ちてそのまま寝てしまった。
 メイチャンの話だと完全にまた乗っ取られ案件だったらしい。てことは、その襲ってきたモンスター自体を仕留めないと【学校】が安全にならないから困ってると皆にいうと。

「それは俺らがやりますよ」
「そうですね、ケース様を護るのが私達の役目ですから。昨日も居ればすぐ解決出来たのですが……」

 彼らはすぐに各々動いてそのモンスターを捕まえてしまった。
 見た目は蜂みたいなそれを[枕]ぐらいの大きさがある。コッチに向けないで欲しい。
 ルイの《炎》で燃やされると蜂とは思えないほどの絶叫をしながらモンスターは滅んだ。
 ちな、先生達にもその状況を見てもらった。
 なので解決した事を理解してくれた。


「で、ちゃんと元凶の魔物も取って倒したし、いいですよね?」
「え、ど、どういう事……?」
「私達がこの【学園】に入学する話ですよ」
「ああ、でも来年からな」
「え、ほんと?! 友達が増えるのは嬉しいー!」
「「友達ね、よろしく。ケース様」」
「ああ!」

 貴族でもない彼ら──俺もそうだけど、俺はマルの家に養子になってるし。
 が、この【学校】に入るには色々と条件も必要だったけど、ちゃんと実力はあるって事で、それも示したし、来年からなのは彼らがお世話になる所で最低限の貴族としての振る舞いとかを勉強する為だ。

 なんにせよ、知り合いが増えるのは嬉しい!
 わーいわーいと能天気に喜ぶ俺と、少し警戒するメイチャンとそんな俺らを見る皆。
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