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1章 出会い
お互いの気持ち
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ニゲルは意地悪を言われているような気がしてきた。まるで、教えたくない、そう言っているように感じる。
思わず不満をあらわにして、サフィラスを見た。
しかし、その瞳は、ニゲルの事を信頼しきって全てをさらけ出しているかのように真っすぐだった。 なんの濁りもない、澄んだ清らかさが滲み出て、正義感が溢れている。
そして、一際強く宿る責任感がはっきりと映っていた。
だからニゲルはそれ以上、サフィラスを悪く思うことは出来なかった。
「…どうして人に見せたり簡単に使ったりするなら教えないって言うの?使うために覚えるんだよね?」
「そうだよ。使うために覚える。だけどそれは、いざという時に使うためだ。今こそまさに使うべきだという時のため。むやみやたらにふりかざすために覚えるわけじゃない」
「いざという時…」
むやみやたらに力を振り回す人がいたら、ニゲルはどう思うか?サフィラスはそう言った。
「力というのは、正しく使わなければならないよ。それは、私と魔法を学ぶ上での掟だ」
「…わかった…」
「まだ、納得できない?」
「…大丈夫」
首を横に振って、納得したと意思表示をする。
しかし正直なところ、完全に納得は出来ていなかった。
しつこいくらい自分に言い聞かせてくる理由がいまいちよくわからない。
「さっき言った、この3つの約束はとても大事な約束なんだ。だから度々破るようになれば、ニゲルは私からすごい技を学んだとしても、その力を次第に使えなくなる。そして、全く守らないようになれば、いずれは二度と使えなくなる。これはそういう契約の紙だよ」
「…使えなくなる!?うそ、なんでそんなことするの?困るよ!」
「…それは私が先生だからだよ。48日しかニゲルと一緒にいられなくても、私は、ニゲルが死ぬまで先生でいるつもりだ。これから教える魔法の技よりも、この大切な3つの約束を忘れられたら困る。だから、こうして契約で見守り続けるんだ」
「そっか、離れても厳しい先生のままってこと…?」
サフィラスは優しく微笑んでニゲルの頭を何度も撫でる。
「そうだ。君が私の誇らしい生徒でいてくれるよう、ずっと見守っているよ」
頭を撫でる優しい手。
ニゲルにこんな優しい眼差しを向けてくれる人はこの先現れないかもしれない。
サフィラスは、どうしてこんなふうによくしてくれるのだろう。不思議でならない。
難しい事をいうけど、こんなに自分のそばにいてくれようとしてくれる大人は初めてだ。
もしかしたら、お母さんに頼まれてニゲルの様子を見に来たのかもしれない…。
ふとそんな予感がした。
「弟子になったら、サフィラスは、僕が死ぬまで僕の、どうしなんだね」
「あぁ、もちろんだよ。忘れるんじゃないぞ?」
「わかった、忘れない。…約束、絶対忘れないよ」
思わず不満をあらわにして、サフィラスを見た。
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しつこいくらい自分に言い聞かせてくる理由がいまいちよくわからない。
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「そっか、離れても厳しい先生のままってこと…?」
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