ダゥルパイア

ミライ

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ペットの躾

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古来より位の高い吸血鬼は
眷属けんぞくと呼ばれる

家来を使役しえきするという

主人を守る為の盾となり
主人の敵となる者に牙を剝く………

代表的な所で言うと
蝙蝠コウモリ
獣人ワーウルフが思い浮かぶだろう

しかし、もちろん初めから
創られた生物ならば当然だが

”個”として産まれた生物は
本能で従う事もあるが

絶対的、力で従えるしかない………

野生で産まれ育った獣に
不要に近づくなと言うように

例え可愛いコアラであれ
パンダであれ

最悪な場合、死を招く事になる………



セレス
「エンゼル~」

エンゼル
「はいっ!」

セレス
「お手!」

エンゼル
「はいっ!!」



野生の獣の凶暴性と人間の知能持つ
獣人族は高貴な吸血鬼と言えど
簡単に従える事はできない………



セレス
「エンゼル~ご褒美のジャーキーだぞ~」

エンゼル
「わぁ~!」(キラキラ)

セレス
「まてっ!!」

エンゼル
「はうっ?!………う”ぅ”~」




時には使役するのに
三日三晩、戦い続け………

新たな主と認めさせる必要がある


セレス
「よしっ!」

エンゼル
「はぐっ!はぐっ!」

セレス
「よしよし!エンゼルは賢い良い子だな!」

エンゼル
「はいっ!」(キラキラ)



ナレル
「あの~お嬢様?」

セレス
「ん?ジャーキーは無いぞ?」

ナレル
「要りませんけど………その、ほんとに獣人なのですか?」


まじまじとエンゼルの姿を眺めるナレル

セレス
「どっからどう見ても………」

とエンゼルを見つめる

何の話をしているのか
聞いていなかったエンゼルが首をかしげながら
セレスを見つめ返す


セレス
「犬だ!!」

エンゼル
「わんっ!」


はぁ、とため息をつきながら
頭をかかえるナレル


諦めつつエンゼルを撫でつつ
ナレルは


ナレル
「まぁ、普通の犬を飼うよりは良い番犬になるでしょう」

と言うと

エンゼルは顔を上げつつ
ナレルの手に噛みつく

カブゥ!!

ナレル
「なぜぇ?!」

良い子だなぁ!と
エンゼルを撫でまわすセレス


満足げな顔のエンゼルが笑顔で

エンゼル
「言い付け通りセレス様、以外に触られた時は
思いっきり噛みました!」


ナレル
「ひどいっ!」

涙目のナレルを横目に

セレス
「ふっ!ちゃんと芸も仕込んだぞ!」

とナレルに指差し

セレス
「エンゼル!ホタル!!」

するとエンゼルは
その場でうずくまった


ナレル
「???蛍のものまねですか?」

するとエンゼルは
体をバネのように弾ませて

物凄い勢いで
直立の姿勢でナレルに頭突きした


ナレル
「はぁーばーど?!?!」

勢いよく壁に打ち付けられて
そのまま

何食わぬ顔で二人の前まで歩き

ナレル
「痛いじゃないですか」

と言った………


セレス
「どうだ!これがホタルだ!」


額の汗を拭い(してると思う)

ナレル
「どこが蛍なんですか…」


セレス
「一発KOでお帰りなさるだろ?」


ナレル
「えっ?…」

お帰りなさる?………

ホタル……-…頭突き………帰る………

ホタル………帰る………

※”ホタルの光”?!

※蛍の光
スコットランドの民謡「オールド・ラング・サイン」
を原曲とした日本の唱歌である。 ウィキペリア引用
また、閉店時に店内で流す音楽と知られる。

つまり
はよ、帰れ!と言う意味になる


ナレル
「まわりくどいですよ!!」

セレス
「良いホン〇のスーパー頭突きだったぞ!エンゼル!」

エンゼル
「練習しました!」(ドヤァ!)

セレス
「次は※ぶぶ漬けの作り方を教えてやるぞ!」

エンゼル
「はいっ!」


※ぶぶ漬け
京都のお茶漬けの様な物
一説によると、早く帰ってほしい来客に
振る舞う一品だと言う………


ナレル
「お嬢様!!教育に悪いです!!やめてあげて!」




こうして
エンゼルは対来客用おかえりください兵器として
訓練された………



セレス
「練習はナレルでするぞ☆」

ナレル
「やめてっ!」
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