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エスト公国にて
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「………………」
「………………」
「………………………………」
ち、沈黙が重い。空気が淀んでいる。辛い。
先刻、殿下にやばい光景を見られてから、体感時間で数時間経ったような気がする(実際は、数十分なんだろうけど)
正座をさせられ、殿下に見下ろされる、私。この重圧に押しつぶされそうだ。
しかも、元凶とも言えるルイは
「なに?アーサー。俺らが何をしていたのか気になるの?なら、ルーナちゃんに聞きなよ。じゃあね」
と、私を残して去っていってしまったし。なんという奴だろうか。最低だ、人間としてあり得ない。助けろよ。マジで!彼奴許すまじき。
というか、殿下も殿下だ。何故、この場を後にしようとした奴を引き止めなかった。引き止めろよ!私だけ、こんな目に合わせるなよ。
「……………」
「……………………」
「………………で?」
「はい……」
「で?お前は、ルイとあの場で何をしていたんだ?」
「そ、それは……」
なんと答えたらいいのやら。呪印を見てもらってました、呪われたので。などという理由は言えない、言える筈がないし……
「言えないような理由なのか?」
顔は笑ってるが、あぁ!と凄んできそうな殿下の雰囲気。あぁ、恐ろしや、恐ろしや。
「い、いや。そう言うわけでは……」
真実を告げるのが、嫌なだけなんです!!
「………ルーナ。お前は、何もわかってないな。」
殿下の(男のくせに綺麗な)手が、私の顎を捉える。
「お前は、あの日あの時から、俺の駒なんだ。駒が、勝手な行動を取っていいと思っているのか?」
「……っ!!」
ぐっと、顎を掴まれたかと思えば、そのまま持ち上げられ、近づけられる顔と顔。違う意味で、ドキドキする。命の危機、本能的に感じ、そして思い出した。あの日のことを、殿下に、殿下の駒になってしまった時のことを。この人には絶対に、逆らえないという事を……
「……一応、俺と君は恋人同士という事になっているんだ。多少の事は多めに見てあげてもいいが、……それでも、君が、あぁいう行動をすると迷惑なんだよ。わかるかい?」
はい、わかります。わかりますとも……でもね、私にも訳があるのですよ。言えないけどさ。言いたくないけどさ。
「で?何をしていたんだい?言えないのかい??」
「……いえ、そういう訳では」
あるんだよ!そういう訳だよ。言えない内容なんだよ!変に嘘をついたとしても、多分バレるだろうし?私嘘つくのあまり得意じゃないし?バレた跡が怖いし?
「………ぃっいだぁ」
手に力を入れ、殿下にグリグリと顎を思い切り掴まれる。骨に食い込んで痛いので、やめてほしい。というか、女の子に対して、手荒い真似をすると嫌われるぞ。
「……ムカつくなぁ。」
目を細め、こちらを見つる表情が、氷のように冷たい。と同時に……どこか、なんとなく………それ以外の感情も読み取れる気がするが、気のせいだろうか。気のせいか。
「まぁ、ルーナが俺に対して隠していることなど、簡単にわかるけれどね。」
パッと手を離されれば、殿下の不敵な笑みが目に入る。……って、言うか、え?隠している事が、わかる?つまり、バレているってこと?
なにそれ、想像するだけで、恐ろしい。
「……呪い、かけられたんだろ?彼奴らに」
瞬間、ざっとする感覚が全身に広がった。全身の毛穴が縮小する感じ、多分、鳥肌が立ちまくってる。
「え、あ…いや」
「隠そうとしても無駄だよ、ルーナ。知ってるだろ?俺が誰と手を組んでいるのか」
えぇ、知ってます。知ってますとも……なんせ、貴方様は母国を滅ぼす為にわざわざ敵国と手を組んでますからね!しかも、あの三馬鹿と!
……………………え、つまりそう言うこと?
「彼奴から連絡を受けた時は驚いたよ。まさか、呪いをかけられているなんてね。」
殿下の目線が、私の右肩へと移る。やばい、呼吸がつまりそう。
「本当に可哀想だよ。不幸すぎて、哀れだ。まさか、俺だけじゃなくて、彼奴らにも呪いをかけられるなんてね」
再び、すっと伸びてきた殿下の手は、頰を掠め、下へ下へと降りてきい、右肩に行き着く。
「さっきのは、事情の知ってるルイに呪印を見せてたんだろ?……なんで、あの体制になったかは知らないが」
「あ、あはははは」
もう、やばい。乾いた笑い声しか出てこないよ。
「でも、さみしいな。俺に話してくれないなんて。君は俺の駒なのに」
話せるわけないじゃないか。話したら、話したで、絶対脅しますよね?私のこと
「……お仕置きが必要かな?」
いや、要らない。お仕置きとか、いらない、欲しくない。
「そう、例えば……君にかけている呪いをさらに強くする、絶対に俺に逆らえないようにする……とか」
グッと近く顔と顔の距離。いやぁ、今日はイケメンに攻められてばかりだなぁ……とか冗談を言うしか、もはや私の心を落ち着かせる方法が残されていない……
てか、近!あぁ、あの時の思い出したくもない記憶が蘇る。グッと目を瞑り、視界を遮る。
「………っと、冗談さ。流石にこれ以上君を不幸にするのは、俺としても気がひけるからね。」
そんな中途半端な優しは要らない……です。
「だから、呪印を、見せてくれたら今回の事は水に流してあげよう。見せてくれるよな?」
「え?いや、それはちょっと……」
水に流してくれるのは嬉しいですけど、これでも嫁入り前の乙女な訳でして、肌をそう、むやみやたらに他人に、しかも男性に見せるのは気がひけると言うか……うん、気がひけるんだよ!
「……ルイはいいのに、俺はダメというわけかい?」
そう言われても、嫌なものは嫌なんだよ!てか、ルイの場合は仕方ない部分もあったし!!
「妬けるなぁ。君は俺のものなのに……」
そう言って、何故か、服に手をかけてくる殿下。
「いや、ちょっ!殿下!?何しようと。」
「別にいいだろ?呪印を見るくらい」
いや、ちょっ!待って!!そんなセクシーボイスで言われても困るのですが。てか、何、服脱がせ用としてんですか!!本当に待って!いや、ちょっ!あっ…………………
……………もう、お嫁にいけない。
「………………」
「………………………………」
ち、沈黙が重い。空気が淀んでいる。辛い。
先刻、殿下にやばい光景を見られてから、体感時間で数時間経ったような気がする(実際は、数十分なんだろうけど)
正座をさせられ、殿下に見下ろされる、私。この重圧に押しつぶされそうだ。
しかも、元凶とも言えるルイは
「なに?アーサー。俺らが何をしていたのか気になるの?なら、ルーナちゃんに聞きなよ。じゃあね」
と、私を残して去っていってしまったし。なんという奴だろうか。最低だ、人間としてあり得ない。助けろよ。マジで!彼奴許すまじき。
というか、殿下も殿下だ。何故、この場を後にしようとした奴を引き止めなかった。引き止めろよ!私だけ、こんな目に合わせるなよ。
「……………」
「……………………」
「………………で?」
「はい……」
「で?お前は、ルイとあの場で何をしていたんだ?」
「そ、それは……」
なんと答えたらいいのやら。呪印を見てもらってました、呪われたので。などという理由は言えない、言える筈がないし……
「言えないような理由なのか?」
顔は笑ってるが、あぁ!と凄んできそうな殿下の雰囲気。あぁ、恐ろしや、恐ろしや。
「い、いや。そう言うわけでは……」
真実を告げるのが、嫌なだけなんです!!
「………ルーナ。お前は、何もわかってないな。」
殿下の(男のくせに綺麗な)手が、私の顎を捉える。
「お前は、あの日あの時から、俺の駒なんだ。駒が、勝手な行動を取っていいと思っているのか?」
「……っ!!」
ぐっと、顎を掴まれたかと思えば、そのまま持ち上げられ、近づけられる顔と顔。違う意味で、ドキドキする。命の危機、本能的に感じ、そして思い出した。あの日のことを、殿下に、殿下の駒になってしまった時のことを。この人には絶対に、逆らえないという事を……
「……一応、俺と君は恋人同士という事になっているんだ。多少の事は多めに見てあげてもいいが、……それでも、君が、あぁいう行動をすると迷惑なんだよ。わかるかい?」
はい、わかります。わかりますとも……でもね、私にも訳があるのですよ。言えないけどさ。言いたくないけどさ。
「で?何をしていたんだい?言えないのかい??」
「……いえ、そういう訳では」
あるんだよ!そういう訳だよ。言えない内容なんだよ!変に嘘をついたとしても、多分バレるだろうし?私嘘つくのあまり得意じゃないし?バレた跡が怖いし?
「………ぃっいだぁ」
手に力を入れ、殿下にグリグリと顎を思い切り掴まれる。骨に食い込んで痛いので、やめてほしい。というか、女の子に対して、手荒い真似をすると嫌われるぞ。
「……ムカつくなぁ。」
目を細め、こちらを見つる表情が、氷のように冷たい。と同時に……どこか、なんとなく………それ以外の感情も読み取れる気がするが、気のせいだろうか。気のせいか。
「まぁ、ルーナが俺に対して隠していることなど、簡単にわかるけれどね。」
パッと手を離されれば、殿下の不敵な笑みが目に入る。……って、言うか、え?隠している事が、わかる?つまり、バレているってこと?
なにそれ、想像するだけで、恐ろしい。
「……呪い、かけられたんだろ?彼奴らに」
瞬間、ざっとする感覚が全身に広がった。全身の毛穴が縮小する感じ、多分、鳥肌が立ちまくってる。
「え、あ…いや」
「隠そうとしても無駄だよ、ルーナ。知ってるだろ?俺が誰と手を組んでいるのか」
えぇ、知ってます。知ってますとも……なんせ、貴方様は母国を滅ぼす為にわざわざ敵国と手を組んでますからね!しかも、あの三馬鹿と!
……………………え、つまりそう言うこと?
「彼奴から連絡を受けた時は驚いたよ。まさか、呪いをかけられているなんてね。」
殿下の目線が、私の右肩へと移る。やばい、呼吸がつまりそう。
「本当に可哀想だよ。不幸すぎて、哀れだ。まさか、俺だけじゃなくて、彼奴らにも呪いをかけられるなんてね」
再び、すっと伸びてきた殿下の手は、頰を掠め、下へ下へと降りてきい、右肩に行き着く。
「さっきのは、事情の知ってるルイに呪印を見せてたんだろ?……なんで、あの体制になったかは知らないが」
「あ、あはははは」
もう、やばい。乾いた笑い声しか出てこないよ。
「でも、さみしいな。俺に話してくれないなんて。君は俺の駒なのに」
話せるわけないじゃないか。話したら、話したで、絶対脅しますよね?私のこと
「……お仕置きが必要かな?」
いや、要らない。お仕置きとか、いらない、欲しくない。
「そう、例えば……君にかけている呪いをさらに強くする、絶対に俺に逆らえないようにする……とか」
グッと近く顔と顔の距離。いやぁ、今日はイケメンに攻められてばかりだなぁ……とか冗談を言うしか、もはや私の心を落ち着かせる方法が残されていない……
てか、近!あぁ、あの時の思い出したくもない記憶が蘇る。グッと目を瞑り、視界を遮る。
「………っと、冗談さ。流石にこれ以上君を不幸にするのは、俺としても気がひけるからね。」
そんな中途半端な優しは要らない……です。
「だから、呪印を、見せてくれたら今回の事は水に流してあげよう。見せてくれるよな?」
「え?いや、それはちょっと……」
水に流してくれるのは嬉しいですけど、これでも嫁入り前の乙女な訳でして、肌をそう、むやみやたらに他人に、しかも男性に見せるのは気がひけると言うか……うん、気がひけるんだよ!
「……ルイはいいのに、俺はダメというわけかい?」
そう言われても、嫌なものは嫌なんだよ!てか、ルイの場合は仕方ない部分もあったし!!
「妬けるなぁ。君は俺のものなのに……」
そう言って、何故か、服に手をかけてくる殿下。
「いや、ちょっ!殿下!?何しようと。」
「別にいいだろ?呪印を見るくらい」
いや、ちょっ!待って!!そんなセクシーボイスで言われても困るのですが。てか、何、服脱がせ用としてんですか!!本当に待って!いや、ちょっ!あっ…………………
……………もう、お嫁にいけない。
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