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2章 王都編
14. 第三王子の戦場 ~死~
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本日のみ1話更新です。次回更新は明日になります。
前話に引き続き第三王子マルク視点です。
-------------------
――半月後。
辺境側の抵抗は徐々に激しさを増し、出来上がった道は徐々に短くなっている。
「まだ成果は上がらないのか……」
王族たるもの、相手に思考を悟られる行動は慎むべきとわかっていても、苛立ちが止められない。
夜の間に切り開いた先で血の滴る肉がいくつも投げ込まれ、魔獣だけでなく狼など肉食の獣が現れる。出来上がった道の半分ほども進めない状況が、軍内部に焦燥感を漂わせた。
今はまだ木々を伐採した場所が踏み固められて下草はない。だが数か月もしない間に、獣道でさえ残らないだろう。常に辺境優位に進む状況が気に食わない。
「末端の兵士の損耗を気にせず進ませても良いですが」
エンゾ兄上の二の舞になるだけだという言葉を口に出さない程度に、参謀は思慮深いようだった。
「無駄に兵士を消耗しただけで帰還したとなれば、辺境はつけ上がるだけだ。一矢報いてやらねば、王の沽券にも拘わる」
此度の戦役も失敗に終わりそうだ。という考えが末端から広がりを見せていた。誰も口に出さないのは、未だ人的損害が少ないからだった。
厭戦的な空気が重い。
だが王子が一人戦死し、二人目が失敗したとなれば、王の威光に陰りがでる。王位継承に名乗りを上げるための出陣だったが、このままでは兄上と争う以前の問題になりかねない。
――起死回生に手段を選んではいられないな……。
作戦会議が空回りする中でどう動けば良いか思案するが、実戦経験の乏しい自分では、何ら答は出せなかった。
そんな中、森の中を潜みながら行く部隊がボロボロになって帰還した。
数を一割以上減らし、残りのうち二割が戦闘不能な負傷を負い、まったく無傷の兵士はほぼゼロという惨状に言葉がでなかった。
挙句の果てに、辺境から食料を恵んでもらってようやく帰還できたと報告されて唖然となる。
「どういうことだ!? 食料を得たのなら、なぜ前に進まず戻ってきたのだ!!」
「無理です」
肩から腕を吊った部隊長が蒼褪めながら報告するが、単に逃げ帰ったというだけの話だった。
「実際、辺境に近いところまで迫っていたのに、より遠いここまで帰ってこれたのだ。わざわざ食料まで恵んでもらって。どこが無理なんだ?」
「間違いだったんです……、何もかも。確かに森の中に拠点はありました。ですがかつて森の向こうに見えた砦はまったく見えず、辿り着けるとは思えない状況でした。彼等が食料を提供したのは、我々が全滅すると報告する者がいなくなるからというだけで、厚意ではなかったと思われます。何より損耗が激しく戦闘になったところで、辺境は無傷だったでしょう。我々が一人残らず死んだとしても」
「土の魔法結晶を大量に使って、あり得ない速度で森を広げたとしか思えません。食料だって帰還できる量ではあっても、向こう側に辿り着けるほどではなかったのです。前進したところで、そもそも戦闘すら無理だったでしょう」
部隊長の言葉を補足するように副部隊長が続けた。
だが随分な言いぐさだ。
確かに負傷者は多い。
だが戦えないほどの重傷者は少なく、戦闘不能なほどではなかった。
「臆病風に吹かれおって!」
自分の横で将軍が声を張り上げた。真横からの罵倒は少しばかり響きすぎるが、この場の誰よりも腹を立てている様子から好きにさせた。
先の戦役ではエンゾ兄上と一緒に長男が戦死している。
だからこそ戦わずして逃げ帰ったのが許せないのだろう。
「……森の、………………森の奥まで行ったこともないから将軍は判らないのです!!」
「森の恐ろしさも、いつ魔獣に襲われるかわからない状況で常に気を張っているのも、もう限界です!」
喉の奥から絞るような言葉は将軍批判だった。
前線に立たず、自陣でのんびりしている癖に何を語るかという。
「貴様らッ!!」
――一閃!
激昂した将軍が、帰還した二人を一刀の元、切り伏せたのだ。
それでも腹の虫が収まらなかったのか、血濡れた剣を抜き身のまま、部屋を出て臆病者を表に出そうと声を張る。敵前逃亡するような兵士と共に、厭戦気分を一掃しようと考えているのだろう。怒鳴り声が少しずつ遠くなっていく。同時に外が騒がしくなっていった。
「お止めしなくてよろしいのでしょうか?」
「将軍に任せておけばよい。多少は部隊内の風通しも良くなって、命令に従順になるだろう」
しかし予想に反して、騒ぎは落ち着くどころか激しくなっていく。
「何をしているんだか――――――」
将軍らしくない、と続けようとしたが、より大きな声で言葉が途切れた。
無礼者、と普段なら言うところではあっても、ここは戦場であり突発的な出来事が日常の場所だ。
しかしこの状況はまったく予期せぬものだった……。
「殿下! 反乱です!!」
「――!!」
伝令の言葉に室内の誰もが言葉を失った。
「盗賊たちが先導しているのか!?」
「いいえ、連中は隔離したままです。徴発した村人が暴動を起こしています!」
木を倒し道を作ったり宿営地建設などは、特に軍事訓練が必要でもない。
だから広く国中から村人を徴発した。一部、王都の貧民街出身者もいるが、兵士の能力的には変わらない。
畑を耕すより危険ではあるが、食事などの待遇面では村に居るのと同等。貧民に至っては三食しっかし得られるのだから、以前の生活より良くなっている。
――なのに何故だ?
「何があっても盗賊たちは合流させるな。最悪、殺してしまっても構わない。絶対に奴らは野放しにするな。村人だけならそう時間はかからず終息する筈だ」
自分が指示せずとも戦慣れした武官たちは動ける。
ただ上と下の意識が摺り合っているという程度でしかない。証左に私の言葉が終わる前に、武官たちは動き始めている。
――忌々しい雨だ。
元から戦いに消極的な村人が森への恐怖を味わい、忌避感を暴走させたのが今回の暴動の原因だろう。
すべてを無に帰すような連日の雨が感情を後押しした。不快さと陰鬱さが拍車をかけた。
そして帰還した兵士たちが騒動を煽ったのだ。
――部隊の再編と綱紀粛正に時間をかける余裕はないな。
開拓した道は毎日のように往来がなければ、あっという間に消えてしまうものだ。
撤退するにしても何らかの成果は必要で、ただ逃げ帰るでは許されない。反面、長く居たところでいたずらに消耗するだけ。得られるものはないだろう。
できるだけ短い期間に最大の結果を出す。
作戦の軌道修正をどうするか……。
言うは易いが、なかなか難しい状況なのだ。
ふむ、と考えに耽った直後、勢いよく部屋の扉が開かれた。
「何だ?」
王宮ではあり得ない無作法さだが、ここは戦場であり緊急事態に陥りやすい場所だ。叱責しなければというよりも、何があったかと焦りにも似た気分になる。
「暴動が……今すぐ避難を!」
「たかが村人ども相手に、なぜ直ぐに制圧できない!」
武器をまともに扱ったことなどない相手だ。ここでも樹々の伐採と、本陣設置のための造営くらいしか役に立っていない。
そんな連中に何故、手間取るのだ。
「数が……、数が圧倒的に違うのです!」
「数っ!?」
羊のように図体は大きくても臆病な村人が?
自分より小さな体躯の犬一頭で右往左往するような羊と変わらぬ村人が?
意味がわからなかった。
しかし肩で息をしながら告げる兵士の必死さに、ただ事ではないのは理解できる。
「暴動の中心から遠い所へ案内せよ」
「こちらに!」
先導されながら部屋を出た。
走りながらあちらこちらで斧や木槌を持った村人に混じって、奪った剣を振り回す者がいる。
否、奪った剣を振り回す中に、持ちなれた斧を持った村人がいた。
足元には村人と兵士が、土と血に汚れて折り重なるように倒れている。
「クソッ!」
前を行く兵士が悪態を吐つく。
周囲は――――――――――――――――敵しかいなかった。
武装し圧倒的な力を持つ軍人が、図体だけの村人に負けるなど誰が思うだろうか。
だが目の前には、そのあり得ない光景があった。
「王子だッ!」
目ざとくこちらを見つけると同時に声が上がった。
その向こうにで吊るされた将軍が掲げられていた――――。
前話に引き続き第三王子マルク視点です。
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――半月後。
辺境側の抵抗は徐々に激しさを増し、出来上がった道は徐々に短くなっている。
「まだ成果は上がらないのか……」
王族たるもの、相手に思考を悟られる行動は慎むべきとわかっていても、苛立ちが止められない。
夜の間に切り開いた先で血の滴る肉がいくつも投げ込まれ、魔獣だけでなく狼など肉食の獣が現れる。出来上がった道の半分ほども進めない状況が、軍内部に焦燥感を漂わせた。
今はまだ木々を伐採した場所が踏み固められて下草はない。だが数か月もしない間に、獣道でさえ残らないだろう。常に辺境優位に進む状況が気に食わない。
「末端の兵士の損耗を気にせず進ませても良いですが」
エンゾ兄上の二の舞になるだけだという言葉を口に出さない程度に、参謀は思慮深いようだった。
「無駄に兵士を消耗しただけで帰還したとなれば、辺境はつけ上がるだけだ。一矢報いてやらねば、王の沽券にも拘わる」
此度の戦役も失敗に終わりそうだ。という考えが末端から広がりを見せていた。誰も口に出さないのは、未だ人的損害が少ないからだった。
厭戦的な空気が重い。
だが王子が一人戦死し、二人目が失敗したとなれば、王の威光に陰りがでる。王位継承に名乗りを上げるための出陣だったが、このままでは兄上と争う以前の問題になりかねない。
――起死回生に手段を選んではいられないな……。
作戦会議が空回りする中でどう動けば良いか思案するが、実戦経験の乏しい自分では、何ら答は出せなかった。
そんな中、森の中を潜みながら行く部隊がボロボロになって帰還した。
数を一割以上減らし、残りのうち二割が戦闘不能な負傷を負い、まったく無傷の兵士はほぼゼロという惨状に言葉がでなかった。
挙句の果てに、辺境から食料を恵んでもらってようやく帰還できたと報告されて唖然となる。
「どういうことだ!? 食料を得たのなら、なぜ前に進まず戻ってきたのだ!!」
「無理です」
肩から腕を吊った部隊長が蒼褪めながら報告するが、単に逃げ帰ったというだけの話だった。
「実際、辺境に近いところまで迫っていたのに、より遠いここまで帰ってこれたのだ。わざわざ食料まで恵んでもらって。どこが無理なんだ?」
「間違いだったんです……、何もかも。確かに森の中に拠点はありました。ですがかつて森の向こうに見えた砦はまったく見えず、辿り着けるとは思えない状況でした。彼等が食料を提供したのは、我々が全滅すると報告する者がいなくなるからというだけで、厚意ではなかったと思われます。何より損耗が激しく戦闘になったところで、辺境は無傷だったでしょう。我々が一人残らず死んだとしても」
「土の魔法結晶を大量に使って、あり得ない速度で森を広げたとしか思えません。食料だって帰還できる量ではあっても、向こう側に辿り着けるほどではなかったのです。前進したところで、そもそも戦闘すら無理だったでしょう」
部隊長の言葉を補足するように副部隊長が続けた。
だが随分な言いぐさだ。
確かに負傷者は多い。
だが戦えないほどの重傷者は少なく、戦闘不能なほどではなかった。
「臆病風に吹かれおって!」
自分の横で将軍が声を張り上げた。真横からの罵倒は少しばかり響きすぎるが、この場の誰よりも腹を立てている様子から好きにさせた。
先の戦役ではエンゾ兄上と一緒に長男が戦死している。
だからこそ戦わずして逃げ帰ったのが許せないのだろう。
「……森の、………………森の奥まで行ったこともないから将軍は判らないのです!!」
「森の恐ろしさも、いつ魔獣に襲われるかわからない状況で常に気を張っているのも、もう限界です!」
喉の奥から絞るような言葉は将軍批判だった。
前線に立たず、自陣でのんびりしている癖に何を語るかという。
「貴様らッ!!」
――一閃!
激昂した将軍が、帰還した二人を一刀の元、切り伏せたのだ。
それでも腹の虫が収まらなかったのか、血濡れた剣を抜き身のまま、部屋を出て臆病者を表に出そうと声を張る。敵前逃亡するような兵士と共に、厭戦気分を一掃しようと考えているのだろう。怒鳴り声が少しずつ遠くなっていく。同時に外が騒がしくなっていった。
「お止めしなくてよろしいのでしょうか?」
「将軍に任せておけばよい。多少は部隊内の風通しも良くなって、命令に従順になるだろう」
しかし予想に反して、騒ぎは落ち着くどころか激しくなっていく。
「何をしているんだか――――――」
将軍らしくない、と続けようとしたが、より大きな声で言葉が途切れた。
無礼者、と普段なら言うところではあっても、ここは戦場であり突発的な出来事が日常の場所だ。
しかしこの状況はまったく予期せぬものだった……。
「殿下! 反乱です!!」
「――!!」
伝令の言葉に室内の誰もが言葉を失った。
「盗賊たちが先導しているのか!?」
「いいえ、連中は隔離したままです。徴発した村人が暴動を起こしています!」
木を倒し道を作ったり宿営地建設などは、特に軍事訓練が必要でもない。
だから広く国中から村人を徴発した。一部、王都の貧民街出身者もいるが、兵士の能力的には変わらない。
畑を耕すより危険ではあるが、食事などの待遇面では村に居るのと同等。貧民に至っては三食しっかし得られるのだから、以前の生活より良くなっている。
――なのに何故だ?
「何があっても盗賊たちは合流させるな。最悪、殺してしまっても構わない。絶対に奴らは野放しにするな。村人だけならそう時間はかからず終息する筈だ」
自分が指示せずとも戦慣れした武官たちは動ける。
ただ上と下の意識が摺り合っているという程度でしかない。証左に私の言葉が終わる前に、武官たちは動き始めている。
――忌々しい雨だ。
元から戦いに消極的な村人が森への恐怖を味わい、忌避感を暴走させたのが今回の暴動の原因だろう。
すべてを無に帰すような連日の雨が感情を後押しした。不快さと陰鬱さが拍車をかけた。
そして帰還した兵士たちが騒動を煽ったのだ。
――部隊の再編と綱紀粛正に時間をかける余裕はないな。
開拓した道は毎日のように往来がなければ、あっという間に消えてしまうものだ。
撤退するにしても何らかの成果は必要で、ただ逃げ帰るでは許されない。反面、長く居たところでいたずらに消耗するだけ。得られるものはないだろう。
できるだけ短い期間に最大の結果を出す。
作戦の軌道修正をどうするか……。
言うは易いが、なかなか難しい状況なのだ。
ふむ、と考えに耽った直後、勢いよく部屋の扉が開かれた。
「何だ?」
王宮ではあり得ない無作法さだが、ここは戦場であり緊急事態に陥りやすい場所だ。叱責しなければというよりも、何があったかと焦りにも似た気分になる。
「暴動が……今すぐ避難を!」
「たかが村人ども相手に、なぜ直ぐに制圧できない!」
武器をまともに扱ったことなどない相手だ。ここでも樹々の伐採と、本陣設置のための造営くらいしか役に立っていない。
そんな連中に何故、手間取るのだ。
「数が……、数が圧倒的に違うのです!」
「数っ!?」
羊のように図体は大きくても臆病な村人が?
自分より小さな体躯の犬一頭で右往左往するような羊と変わらぬ村人が?
意味がわからなかった。
しかし肩で息をしながら告げる兵士の必死さに、ただ事ではないのは理解できる。
「暴動の中心から遠い所へ案内せよ」
「こちらに!」
先導されながら部屋を出た。
走りながらあちらこちらで斧や木槌を持った村人に混じって、奪った剣を振り回す者がいる。
否、奪った剣を振り回す中に、持ちなれた斧を持った村人がいた。
足元には村人と兵士が、土と血に汚れて折り重なるように倒れている。
「クソッ!」
前を行く兵士が悪態を吐つく。
周囲は――――――――――――――――敵しかいなかった。
武装し圧倒的な力を持つ軍人が、図体だけの村人に負けるなど誰が思うだろうか。
だが目の前には、そのあり得ない光景があった。
「王子だッ!」
目ざとくこちらを見つけると同時に声が上がった。
その向こうにで吊るされた将軍が掲げられていた――――。
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