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入宮
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「英邁なる新帝の御名を惜しむのは、私だけではありますまい」
「……お前をそのように頑なにした責は、俺にもあるな」
自嘲するように呟いた皇帝は、やるせなさそうに微笑む。初めて見る寂しげな表情に痛みを感じながらも、シェルは返す言葉を持たない。
互いに許しを乞うように見つめ合う二人の間には、互いを思いやる気持ちが確かに通じているが、その想いの質は異なり、交差することはない。
「時間はある。ゆっくり解かしてやる、シェルの身も心も」
「エーヴェルト様……」
面布を捲られ直に重なった唇に、すべての言葉は吸い取られた。
肌を滑る薄絹の感触、ささやかな衣擦れの音。
一糸まとわぬ姿で寝台に這わされたシェルは、男でありながら、后を求める皇帝に狩られた獲物。決して受け入れられないその立場から逃れるために、今は皇帝の意に従い、望みを受け入れる。
突如襲い掛かった、とてつもない試練。恐怖の中にも固い意志を秘め、シェルはそっと目を閉じた。
「……お前をそのように頑なにした責は、俺にもあるな」
自嘲するように呟いた皇帝は、やるせなさそうに微笑む。初めて見る寂しげな表情に痛みを感じながらも、シェルは返す言葉を持たない。
互いに許しを乞うように見つめ合う二人の間には、互いを思いやる気持ちが確かに通じているが、その想いの質は異なり、交差することはない。
「時間はある。ゆっくり解かしてやる、シェルの身も心も」
「エーヴェルト様……」
面布を捲られ直に重なった唇に、すべての言葉は吸い取られた。
肌を滑る薄絹の感触、ささやかな衣擦れの音。
一糸まとわぬ姿で寝台に這わされたシェルは、男でありながら、后を求める皇帝に狩られた獲物。決して受け入れられないその立場から逃れるために、今は皇帝の意に従い、望みを受け入れる。
突如襲い掛かった、とてつもない試練。恐怖の中にも固い意志を秘め、シェルはそっと目を閉じた。
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