Change the world 〜全員の縁を切った理由〜

香椎 猫福

文字の大きさ
40 / 106
第七話 前編

臼井と亀田と栗原の作戦 4

しおりを挟む


立花桃は危険に晒されていた
そして、行方不明になっている
ただ、太宰祐徳がこの街に居ると言っていたのに、多くの人と繋がっても立花桃の情報が無い
会ったことがある人物は、なぜか自分の親戚で、連絡を取っていない
犬神絵美は猿渡という人物と繋がっていて、複数で探している可能性がある
そして、最悪、立花桃はこの世にいないかもしれない
だが、それならばなぜ太宰祐徳は自分に立花桃を探させているのか分からない
臼井誠は整理してみたが、改めて悩む
自分は何か根本的な間違いをしているのだろうか
肝心なことを聞き忘れ、肝心なことをしてないのかもしれない
当てずっぽうで動いているから複雑になっているだけなのだろうか
親戚の亀田留衣が今は唯一立花桃と会っていること、雉本穂希が偶然の繋がりではないかもしれないこと、犬神絵美と犬神里美の繋がり…
そういえば、犬神絵美はなぜ立花桃を探しているか聞いたこと無かった、と臼井誠は気付く


「誠さん?大丈夫?」


「あのさ、留衣。立花桃と連絡は繋がらないんだよね?」


「うん、残念だけど2年前から連絡は途絶えてる」


「その、立花桃が言ってたように、リサイクルショップを経営している会社は危ないとこだったのかな?」


「調べたら、あまり良い噂は無かった。言われてた通りに立花さんと連絡取れなくなって、気味が悪くなって辞めたんだよね。だから、しばらくはニュースもチェックしてたけど、何も無かったし、実はネットでも行方不明者の名前を調べててさ。やっぱり立花さんの名前は無かったんだ」


「その経営している会社の名前は?」


「名前は鬼塚って言う会社なんだけど、会社自体が凄く小さいわりには、リサイクルショップだけじゃなくて資源回収業もやっててさ、海外とも取引をしてるみたい。社員は何も教えてくれなかったけどね。普段からみんな死んだような顔してたし、まともな会社じゃないんだろうね」


「そんなに多岐渡って事業をしていて小さな会社…もしかしたら、どこかの子会社かもしれないね」


そういえば、立花桃は危険だと知らせながら、その店を利用していた


「その、買取に来た時の物が相当多かったらしいけど、どんなものだったの?」


「誠さん、怖いぐらい何でも知ってるね」


「後で説明するよ」


「約束だからね。買取で持ってきたものは、一つ一つを覚えているわけじゃないけど、女性が自宅から持って来たとは思えないほど、種類が豊富っていうか、男性が使うようなものもあったかな…とにかく、どれも高額査定だったよ。一応聞いたんだ、大掃除か引越しで出た不用品ですかって。そしたら、言う必要が無いなら言えないって。まあ、立花さんが美人だったからどうでも良かったんだけど、冷静に考えれば怪しいよね」


なるほど、と臼井誠は考える
立花桃が買取で持ち込んだものは盗難品の可能性がある
それが収入源の一つだったのかもしれない
ただ、それをわざわざ危ない店に持ち込んだ理由は何なのか…


「留衣、悪いんだけど、この後で僕の知り合いに会ってくれないかな?」


「誰に?」


「犬神絵美」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~

菱沼あゆ
キャラ文芸
 突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。  洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。  天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。  洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。  中華後宮ラブコメディ。

竜華族の愛に囚われて

澤谷弥(さわたに わたる)
キャラ文芸
近代化が進む中、竜華族が竜結界を築き魑魅魍魎から守る世界。 五芒星の中心に朝廷を据え、木竜、火竜、土竜、金竜、水竜という五柱が結界を維持し続けている。 これらの竜を世話する役割を担う一族が竜華族である。 赤沼泉美は、異能を持たない竜華族であるため、赤沼伯爵家で虐げられ、女中以下の生活を送っていた。 新月の夜、異能の暴走で苦しむ姉、百合を助けるため、母、雅代の命令で月光草を求めて竜尾山に入ったが、魔魅に襲われ絶体絶命。しかし、火宮公爵子息の臣哉に救われた。 そんな泉美が気になる臣哉は、彼女の出自について調べ始めるのだが――。 ※某サイトの短編コン用に書いたやつ。

【完結】『左遷女官は風花の離宮で自分らしく咲く』 〜田舎育ちのおっとり女官は、氷の貴公子の心を溶かす〜

天音蝶子(あまねちょうこ)
キャラ文芸
宮中の桜が散るころ、梓乃は“帝に媚びた”という濡れ衣を着せられ、都を追われた。 行き先は、誰も訪れぬ〈風花の離宮〉。 けれど梓乃は、静かな時間の中で花を愛で、香を焚き、己の心を見つめなおしていく。 そんなある日、離宮の監察(監視)を命じられた、冷徹な青年・宗雅が現れる。 氷のように無表情な彼に、梓乃はいつも通りの微笑みを向けた。 「茶をお持ちいたしましょう」 それは、春の陽だまりのように柔らかい誘いだった——。 冷たい孤独を抱く男と、誰よりも穏やかに生きる女。 遠ざけられた地で、ふたりの心は少しずつ寄り添いはじめる。 そして、帝をめぐる陰謀の影がふたたび都から伸びてきたとき、 梓乃は自分の選んだ“幸せの形”を見つけることになる——。 香と花が彩る、しっとりとした雅な恋愛譚。 濡れ衣で左遷された女官の、静かで強い再生の物語。

あやかし雑草カフェ社員寮 ~社長、離婚してくださいっ!~

菱沼あゆ
キャラ文芸
 令和のはじめ。  めでたいはずの10連休を目前に仕事をクビになった、のどか。  同期と呑んだくれていたのだが、目を覚ますと、そこは見知らぬ会社のロビーで。  酔った弾みで、イケメンだが、ちょっと苦手な取引先の社長、成瀬貴弘とうっかり婚姻届を出してしまっていた。  休み明けまでは正式に受理されないと聞いたのどかは、10連休中になんとか婚姻届を撤回してもらおうと頑張る。  職だけでなく、住む場所も失っていたのどかに、貴弘は住まいを提供してくれるが、そこは草ぼうぼうの庭がある一軒家で。  おまけにイケメンのあやかしまで住んでいた。  庭にあふれる雑草を使い、雑草カフェをやろうと思うのどかだったが――。

処理中です...