赫い眼下の蝶葬

藻軌

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本編

3話

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 『NEST』で数杯ひっかけたあと、久しぶりに自分のマンションへと戻った。

 午前二時を回った空はすでに熱を失い、夜風が頬を撫でていく。酔いはうっすらと尾を引いていたが、むしろそれが心地よかった。無言で歩く夜道は、どこか水の中を泳いでいるような感覚に似ていた。

 額の裏に、じわじわと鈍い痛みがにじみ出してくるのを感じる。頭の内側をゆっくりと爪で引っかかれるような、嫌な痛みだった。帰路の途中、信号に足止めされ立ち止まると、自然と道路脇の自販機へと足が向いていた。



 硬貨を滑り込ませ、冷たいペットボトルを取り出す。 
 キャップをひねる音が、夜の静けさの中でやけに大きく響いた。

 ボトルの口を唇に押し当て、無造作に流し込む。水は、舌の奥から喉へ、さらに食道を伝い、胸の内側にまで冷たさを残して落ちていく。微かに鉄のような金属臭が舌に残った。気のせいか、あるいはどこかで混ざった微粒子の味かもしれない。

 水のボトルをぶら下げたまま歩き出す。歩幅が安定しない。身体がふわふわと浮いているような、地面との繋がりが薄れていく感覚。酔いのせいだと思い込もうとするが、指先がほんの少し痺れているのが気になった。

 マンションのエントランスが近づく。人の気配はない。

 自動ドアが音もなく開き、内側の空気がまとわりつくように鼻を打つ。湿った密閉空間の匂い。酒と汗の、混じり合った甘い残り香が微かに漂っていた。誰かが最近までそこにいた気配が、空気の中に名残のように沈んでいる。

 無意識のうちに郵便受けに視線を向ける。

 視界の端に紙の角が突き出していた。開けると、束になったチラシや封筒がばさりと足元に落ちた。湿って柔らかくなった紙の角が、靴下越しに生々しい感触で触れる。少し眉をしかめながら、それらを拾い上げる。

 水道料金の督促状に目を通し、小さく息を吐く。そういえば、水道だけはなぜか電子決済に切り替えないままだった。面倒で後回しにしていた些細なことが、生活の端々でこうして顔を出す。

 郵便物を腕に抱えたまま部屋の前に立ち、差し込んだ鍵を捻ると、カチリと外れる音がした。

 扉を押すと、部屋の奥から冷えた空気がふっと流れ出てきた。肌を撫でるそれは、まるで長いこと誰にも触れられず沈黙していた部屋の、溜め息のようだった。

 閉め切ったままの空気には、人が消えたあとのわずかな残り香があった。自分自身のものか、あるいは他人のものか、一瞬わからなくなる。

 赤く点滅するデジタル時計が、時間を静かに刻んでいる。ソファには前回帰宅したときに脱いだままのジャケット。床に置いたままの空き瓶。

 空間は止まっていた。時間だけが、取り残されたように動いている。

 郵便物をテーブルの上へと乱雑に放り、肩を落とした瞬間だった。

 視界が、わずかに傾いた。

 床がゆっくりと揺れる。錯覚ではない。

 脚が突っ張らず、膝から力が抜けていく。

 頭の奥が熱を持ち、目の裏から血が抜けるような感覚。手を伸ばし、壁を支えにしようとしたが間に合わない。

 さっき飲んだ水の味が、まだ舌の奥にかすかに残っている。喉の奥が痺れるような、嫌な感覚。四つん這いになりながら、必死にリビングへ這う。

 額から汗が滲み、視界がぼやけていく。指先からボトルが滑り落ち、床を静かに転がった。音がしない。それがかえって不気味だった。

 どうにもならない。力が入らない。

 次の瞬間、全身の重みが一気に崩れ落ちた。

 床の冷たさが肌に貼りつき、そこから意識がゆっくりと沈んでいく。

 仄暗い部屋の中、静けさだけが辺りを満たしていた。

 まるで、誰かがここを訪れ、帰ったあとに残した空気のように――













 
 翌日、目が覚めると既に昼の二時を過ぎていた。

 まぶたの裏にほんのりとした明るさを感じたあたりで、意識がゆっくりと浮かび上がってくる。頭は重く、身体も鉛のように動かない。しばらくそのまま天井をぼんやりと見つめていた。

 ふとした拍子に、枕元のスマホが小さく震えた。バイブレーションの余韻が板の間を伝い、かすかな音となって耳へ届く。

 うつ伏せのまま片腕を伸ばし、画面をのぞき込んだ。薄暗い部屋の中、ロック画面には通知がずらりと並んでいる。




《未読メッセージ 4件》


《SNS通知 9件》


《ニュース速報 3件》





 寝ているあいだは通知音が鳴らないよう設定していたせいで、今こうして目覚めた途端に、溜め込まれた情報が一気に吐き出されたらしい。

 まだ眠気の滲む瞼の奥で、液晶の光が刺さるように明るく感じる。スマホを持ち上げ、親指で画面をスライドしてロックを解除した。

 通知の内容を順に流し見する。タグ付けされたSNS投稿、どうでもいい速報、企業のDM。どれも引っかかるものはなく、指先に力を込める気も起きない。

 ため息まじりに画面を上へ弾くと、通知は音もなく消えていった。

 だが、画面の明かりが消えたあとも、まぶたの裏には微かな光の残像が滲んでいた。まだ現実と夢のあいだに、身体の半分が取り残されたままだった。

 喉の渇きを感じながらベッドから抜け出し、昨夜のままテーブルに放り出していた水のペットボトルを手に取った。キャップをひねって一口含んだものの、ぬるくなっていたので、飲む気が失せて、ペットボトルをそのまま置き直す。仕方なく身体を引きずるようにして洗面所へ向かった。顔を洗い、冷たい水で目を覚まし、軽く身支度を整えた後、リビングに戻る。

 ふとテーブルの上を見ると、昨日の郵便物が積まれたままだった。封筒が一つ、無造作に置かれている。その上に丁度、昨夜のものと同じように一枚のパンフレットが折れ曲がることもなく綺麗に差し込まれていた。





 ――アピス――





 ベージュがかった用紙で表紙の中央に、奇妙に間延びしたフォントでその単語が印刷されている。宗教の勧誘らしい。だが、昨日の時点ではこんなものはなかったはずだ。

 見落としていたのか、それとも夜のうちに新しく投函されたのか。どちらにせよ、不思議なタイミングで手に取ることになった。

 尤瑚は眉をひそめながら、親指で紙の端をしならせた。そうしていると指先に伝わる感触に、微かな違和感が走る。表面は新しい紙のように滑らかで手触りは新しいのに、どこか古めかしい。手の内で薄く反り返る様子は、まるで長い間どこか湿った場所で保管されていたかのような気配を纏っていた。まるで長い間どこかに保管されていたかのような違和感がある。印刷の色合いも微妙にくすんでいて、他のチラシとは明らかに異なっていた。

 どんな内容だろうと、好奇心から意味もなくページをめくってみる。

 その、肝心の中身は……信仰の重要性、魂の救済、人類の転換期といったことや、抽象的で陳腐な綺麗事を繋げたような文章が無作為に並んでいるだけ。

 よくある宗教勧誘の人間が配っている冊子という感想しか湧かない。特定の教義や団体名は一切書かれていない。語りかけるような文体でも、説得力のあるストーリー性もない。ただ、空っぽの善意のような文章が、延々と続いている。

 早々に興味を失うと、尤瑚は乱雑に冊子をゴミ箱に突っ込んでしまった。

 ……にしても、イヤな響きだ。


「アピス」


 何気なく呟いたその音が、舌に張りつくように残った。口の奥にじっとりとした不快感が広がる。

 まるで甘ったるい薬品の味が、喉の奥で燻っているような、言葉では説明しきれない妙な感覚だった。























 夜が深まり、その日もロングコートを羽織り、サングラスを掛けて外に出た。

 尤瑚は生まれつき目が悪かった。強い日差しに晒されると視界が滲み、頭痛がした。尤瑚にとって昼間の光は過酷で、必然と日が暮れるまでじっとしていることが多かった。

 暗くなってやっと外に出ると、人工の光に包まれた夜の街は、どこか心地よく感じる。

 ネオンの灯りや車のヘッドライトがちらつき、視界が歪んでも、太陽の光とは違って痛みを伴わない。サングラスは手放せないが、こうした街の明かりは心地よかった。人工の光なら日光に晒されたときの刺すような痛みを伴わない。

 街に繰り出すと、酔い潰れた人間が歩道に座り込んだり、短いスカートを穿いた若い女や、派手な化粧をした女たちが愛想を振り撒いたりしている。

 歓楽街の喧騒は激しく、まるで誘蛾灯に集まる蟲のように、熱気と欲望が渦を巻いている。酒、煙草、香水、腐臭が入り混じった甘い匂いが湿った空気に溶け込み、街を覆っていた。

 薄暗い路地を抜け、錆びついた看板の下をくぐるようにして、尤瑚は雑居ビルの階段を上がっていく。
足音がコンクリートの壁に鈍く跳ね返る中、不意に視線が横に逸れた。

 ビルの隙間に立てかけられた、ネオンの光が滲むクラブの看板。

 まるでそこだけ時が滞留しているかのような、湿った熱気と微かな重低音。肌に貼りつく夜の空気と、遠くから流れてくる電子音のリズムが、彼の耳をくすぐる。

 誰かに引かれるように、あるいは、自分でも気づかぬ衝動に突き動かされるように、尤瑚はゆっくりとそちらへ歩みを向けた。

 重たそうなドアの開閉に合わせて、甘く毒のある空気が路地に漏れ出す。

 アルコールと煙草、濃厚な香水、汗と熱気――それらが入り混じった空間の匂いが、まるで誘い水のように鼻腔を撫でる。

 耳をつんざくようなビートが断続的に響く。

 煌びやかなライトの中で、熱気と湿気が一気に身体を包み込む。そのたびに、店内からわずかにこぼれるカラフルな光が尤瑚の頬を照らした。

 スモークとアルコールが混じった匂い、そこに交じわる汗と香水の臭いが、一度に押し寄せてくる。足元から響く重低音が、鼓膜を打つと同時に、鼓動と重なる。

 クラブのフロアには、照明が不規則に点滅しているなかで重なり合う複数の影が交わり、蠢いている。音楽が途切れることなく流れ、笑い声、嬌声、くぐもった声が反響する。人々の動きはまるで本能に従うようで、誰もが他人の視線を気にせず、ただ自分の欲望に忠実に身を任せているようだ。

 尤瑚はその中で、ふと目を引く視線を感じた。視線を送ってきたのは、少し乱れた髪の女だった。女の目は誘うように光り、意図的にこちらに向けられている。それはまるで、彼の存在を認識し、何かを求めているような目だった。

 尤瑚はそれに気づき、軽く微笑んで応える。まるで暗闇の中で光を見つけたかのように、自然にその視線に引き寄せられる。そうして、ふと気づけばその女が近づいてきた。女の足音が近づく度に、音楽と喧騒が一瞬だけ遠くなるような感覚を覚えた。

 女の声は低く、甘く、どこかしら挑発的だった。




 ――来ないの?




 そう言ったような気がした。

 よく聞き取れなかったが、女の目には明確な期待が込められていた。

 尤瑚は何も言わず、無言で手を差し出す。その手は、すぐに女に取られ、彼女はそのまま彼に寄り添った。動作に躊躇はなかった。まるで長い時間待ち焦がれていたように、女は優しく、しかし確実に、尤瑚を引き寄せる。

 その場限りの情熱と刹那的な欲望に、尤瑚はそのまま目を閉じると、指先で女の背中を撫で、息が荒くなっていくのを感じた。

 音楽のリズムと身体の動きが一体となり、次第に下半身が昂り、女のなかに欲望を放出した。

 熱と欲望が渦を巻いて、その中に身を委ねていく。なん度も腰を振り、女の体の感触と声を聞きながら、交わり合った。今この瞬間だけは生きていることを実感する。

 女との行為が終わった後は、クラブ内の熱気がさらに増した。

 男たちの視線も、自分の周囲に集まっていることに気づいた。だからその場にいた別の男と交わった。次第にその場には他の人物も加わり、まるで群れの中にいるような感覚が広がっていく。相手の男達も、その場の熱に引き寄せられたように動き出す。

 初めは、四つん這いになり犬のような体勢で犯された。男が腰を振るたびに内臓が揺すられる感覚を与えられ、内側から電流のように官能的の熱が広がる。

 相手の身体はその欲望に導かれるままに自分を貫いていた。

 口づけが交わされ、流れる汗や体液が絡みつき、激しい交わりが繰り返された。肌が触れ合い、息が浅くなる度に、激しく打ち付けられる快感が身体を支配する。官能の火は消えることなく内側から流れ、すぐさま熱が広がる。

 彼の意識をどんどん遠くに追いやっていく。途中から何度対位が変わったかも覚えていない。

 意識が薄れ、身体がそのまま欲望に引き寄せられるように動き、ただ繰り返す。

 筋肉の中に流れるような官能的な熱、息が漏れ、音が絡み合う中で、尤瑚はただその流れに身を委ねた。










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