赫い眼下の蝶葬

 蝶、蛾、蜘蛛、蜂――世間でこの四種の特性を持つ人間をBMSWとよぶ。


 数十年前、政府の考案により労働力不足の解消を目的とする移民・難民の受け入れ、同時にそれらの人々を受け入れるために土地開発が行われるも、その目論みはどれも実を結ぶことなく終わりを迎えた。

 既存の都市に住めない者が郊外や土地開発の失敗によりゴーストタウン化した区域などに無秩序に居住し、スラム化した地域は管理できず放置され、完全な無法地帯と化し犯罪の温床となっていた。

 こうした問題と並行して、蜘蛛により引き起こされる猟奇的事件などの事案が社会問題となっていたなか、歓楽街で自堕落な生活を送っていた尤瑚はある夜、目の前で自殺した蜘蛛の男のことで警察に事情聴取を求められることとなった……

※ムーンライトノベルズにも掲載しています
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