32 / 133
なんたる失態
しおりを挟む
オイラは応接室から……風歌ちゃんは病室 《個室》から……
頑張った風歌ちゃん……可哀想に……泣き腫らした真っ赤な瞳
英士「風歌ちゃん逢ってくれてありがとう」
微かにコクンと頷いた風歌ちゃん
あれ? オイラさ初めてみんなの部屋で
『初めまして。凄く寂しい曲だね』
って言った時……
2回目に
『犬の絵を描いてみて下さいませんか?』
『はい。描けたよ。ワンちゃん』
『上手ね』
風歌ちゃんと初めて会話を交わした時も……
そして紙芝居の前にリモートで画面越しにさ……風歌ちゃんが前髪をクイックイッって引っ張ってて
『風歌ちゃん? 何してんの?』
『前髪を切りすぎちゃったの』
って
話た時もさ……
英士「風歌ちゃん? オイラさ名前を伝えたっけ?」
プルプルってちっちゃく首を横に振った風歌ちゃん
英士「マジか! なんたる失態……」
思わず頭を抱えてそう呟くと
『うふふ』
って声がしてさ
顔を挙げると
《面白いですね、ヤマノエイシ さん》
そう書いた紙をオイラに見せてた風歌ちゃん
英士「ぇ? 何で名前?」
風歌『『彼は、ヤマノエイシさんだよ』って冴多先生が……』
文字がカタカナなのは、音だけで聞いたから漢字で何と書くのか分からないから……
だって……
なるほど……確かにね、オイラは風歌ちゃんについての 資料に目を通した時に、漢字で《桜王風歌》って認識したんだもんね……
オイラは、紙に
《《山乃英士》です》
って書いて風歌ちゃんに見せてさ
風歌『山乃英士さん。お名前覚えました』
って
お茶目な風歌ちゃん……可愛い過ぎる……
英士「風歌ちゃんに、俺の職業……伝えてなかったよね?」
風歌『冴多先生のお友達だって聞いてます』
冴多ちゃんは、オイラから伝えたいよね? って。黙ってて くれたんだよね? 優しいから……
英士「もう、色んな事が、なんたる失態……だよ」
自嘲気味に言って風歌ちゃんを見つめると、今度は微笑む事なく ジっとオイラの事を見つめていた風歌ちゃん……
英士「オイラは、ライターの仕事をしています。冴多ちゃ……冴多先生よりお話を頂きました。お父さんの源本さん、御厨くん、るなちゃんの共通の思い。介護施設で起きた事をうやむやにしたく無いという思いに。風歌ちゃんの思いに……協力したいと思いました」
頑張った風歌ちゃん……可哀想に……泣き腫らした真っ赤な瞳
英士「風歌ちゃん逢ってくれてありがとう」
微かにコクンと頷いた風歌ちゃん
あれ? オイラさ初めてみんなの部屋で
『初めまして。凄く寂しい曲だね』
って言った時……
2回目に
『犬の絵を描いてみて下さいませんか?』
『はい。描けたよ。ワンちゃん』
『上手ね』
風歌ちゃんと初めて会話を交わした時も……
そして紙芝居の前にリモートで画面越しにさ……風歌ちゃんが前髪をクイックイッって引っ張ってて
『風歌ちゃん? 何してんの?』
『前髪を切りすぎちゃったの』
って
話た時もさ……
英士「風歌ちゃん? オイラさ名前を伝えたっけ?」
プルプルってちっちゃく首を横に振った風歌ちゃん
英士「マジか! なんたる失態……」
思わず頭を抱えてそう呟くと
『うふふ』
って声がしてさ
顔を挙げると
《面白いですね、ヤマノエイシ さん》
そう書いた紙をオイラに見せてた風歌ちゃん
英士「ぇ? 何で名前?」
風歌『『彼は、ヤマノエイシさんだよ』って冴多先生が……』
文字がカタカナなのは、音だけで聞いたから漢字で何と書くのか分からないから……
だって……
なるほど……確かにね、オイラは風歌ちゃんについての 資料に目を通した時に、漢字で《桜王風歌》って認識したんだもんね……
オイラは、紙に
《《山乃英士》です》
って書いて風歌ちゃんに見せてさ
風歌『山乃英士さん。お名前覚えました』
って
お茶目な風歌ちゃん……可愛い過ぎる……
英士「風歌ちゃんに、俺の職業……伝えてなかったよね?」
風歌『冴多先生のお友達だって聞いてます』
冴多ちゃんは、オイラから伝えたいよね? って。黙ってて くれたんだよね? 優しいから……
英士「もう、色んな事が、なんたる失態……だよ」
自嘲気味に言って風歌ちゃんを見つめると、今度は微笑む事なく ジっとオイラの事を見つめていた風歌ちゃん……
英士「オイラは、ライターの仕事をしています。冴多ちゃ……冴多先生よりお話を頂きました。お父さんの源本さん、御厨くん、るなちゃんの共通の思い。介護施設で起きた事をうやむやにしたく無いという思いに。風歌ちゃんの思いに……協力したいと思いました」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
15年目のホンネ ~今も愛していると言えますか?~
深冬 芽以
恋愛
交際2年、結婚15年の柚葉《ゆずは》と和輝《かずき》。
2人の子供に恵まれて、どこにでもある普通の家族の普通の毎日を過ごしていた。
愚痴は言い切れないほどあるけれど、それなりに幸せ……のはずだった。
「その時計、気に入ってるのね」
「ああ、初ボーナスで買ったから思い出深くて」
『お揃いで』ね?
夫は知らない。
私が知っていることを。
結婚指輪はしないのに、その時計はつけるのね?
私の名前は呼ばないのに、あの女の名前は呼ぶのね?
今も私を好きですか?
後悔していませんか?
私は今もあなたが好きです。
だから、ずっと、後悔しているの……。
妻になり、強くなった。
母になり、逞しくなった。
だけど、傷つかないわけじゃない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる