73 / 179
高校生活
2
しおりを挟む
幽霊だった雅臣と登校していた時のように、二人で並んで学校に向かっていると、左手にコンビニが見えた。
「なぁ、昼飯とか買っとかなくていいのか?」
校内の売店でも買えるが、昼休みが始まってすぐは戦場のような有り様だ。この時期なら朝に買っておいても腐る心配はないので、雅臣に確認してみる。
「用意してきているので大丈夫ですよ」
にこやかに微笑んで、右手に持った鞄を指差す雅臣。俺が帰った後、夕飯と一緒に買っておいたのだろうか。
「アンタ、晩飯どこで食べたんだ? 朝飯もちゃんと食べたか?」
「心配してくれてありがとうございます。実は料理が趣味なんですよ」
爽やかな朝の澄んだ空に栄える微笑を、ニコリと浮かべる雅臣。今朝、その食生活を心配した時に想像してしまった格好いい料理姿が浮かんできて、顔がほんのり熱くなってくる。
「アンタの家、お抱えのシェフとかいたんじゃないのか?」
「えぇ、いましたよ。息抜きに、よく彼らに料理を教わっていたんです」
この大きな掌のわりには細くて長い指が料理を作るのか、と雅臣の指先を見ていたら、この指の与える快感を思い出した肌がざわめきだした。
「どうしました、拓也。顔が真っ赤ですよ?」
「きょ、今日は日差しが強いんだよ!」
「そうですか? とても穏やかで過ごしやすいと思いますが」
「は、早く学校行くぞ」
ずんずん歩き始める俺の後を、クスクス笑いながら付いてくる雅臣。たぶん、俺がエロいことを思い浮かべったってことに気付いてやがる。分かってるなら、その指で悪戯っぽく触ってこいよ。
な……なんてことを考えているんだ、俺は。益々赤味を増していく顔に、がっくりと肩を落とす。すると、その肩に大きな掌が乗せられた。
「帰ったら……」
「へ?」
耳許で擽るように囁かれる声に肩を竦めながら振り返ると、熱を孕んだ青い瞳があった。
「帰ったら、拓也をください」
「お、俺はモノじゃないっ!」
肩に乗せられた手を払い、全速力で駆ける。だが、走ったのだけが原因ではない激しい鼓動で、すぐに息が切れて足が止まる。
朝っぱらから、あんな色っぽい顔をして誘うんじゃねぇよ。帰ったあとのことが楽しみで、一日中後ろが疼いてたらどうしてくれるんだよ。雅臣が好きすぎて、心臓がいくつあっても足りないじゃないか。
荒い息を整えていると、背後に歩み寄る人の気配を感じた。振り向かなくても誰なのかは、ソイツが近付くと温かなものに包まれていく心で分かる。息の乱れが収まり、普通に喋れようになった口を開く。
「昨日のケーキが余ってるから、帰ったら食わせてやる」
「ありがとうございます。美味しい紅茶を淹れますね」
膝に手を置き前屈みになっている俺の背中を、労るように撫でてくれる雅臣の、優しい温もりが心地好くて眠りに落ちそうになる。こんなところで寝ては駄目だと目を見開き、戯れすぎて遅刻しないように学校へと歩き始める。
学校が近付いてくると、チラホラ現れ始めた生徒達。いつもの登校風景だけど、それが本当に雅臣と学校に通っているんだと実感させられて嬉しくなってくる。
校門近くまで来ると、チラチラと俺達の様子を窺う視線を感じ始めた。こんな進学校に三年になって転校してきた生徒なんて珍しいから、興味を引かれているのだろうか。浴びせられる視線の先に目をやると、頬を紅潮させて蕩けたような顔をしている女子がいて、危惧していた視線だったのだと分かった。雅臣に見惚れている女子の視線に、腹の底から赤黒い淀みが沸き上がってくる。
「なぁ、アンタは……」
「何です?」
雅臣の問い掛けに、はっとなる。女子の視線にイラッとして俺は、とてつもなく恥ずかしいことを聞こうとしていたのだ。
「な、なんでもない」
「僕は拓也だけのものですよ。だから安心して」
周りに二人の親密さをアピールするように、雅臣が体を寄せて耳打ちしてきたので、倒れるんじゃないかというほど顔が熱を持つ。
アンタは、俺のものだろ? そう言い掛けた俺の不安を払拭させ、安心させる言葉をくれた。
俺より一歩も二歩も先を行く、大人の余裕いっぱいの雅臣。悔しいけれど、そんな雅臣に何度も俺は救われているんだ。
「俺も雅臣だけのものだ。さぁ、遅刻するからさっさと行くぞ」
「はい」
周りに聞こえないように、でも雅臣にはしっかり聞こえるように呟くと、足早に校門を潜っていく。俺の隣が自分の定位置なんだと言うように、どんなにスピードを上げても雅臣はぴったり付いてくる。雅臣のいる右側が、春の陽気のようにポカポカと温かくなっていく。
「宇佐美くん、ゆう……一条くん、おはよう!」
教室に入ると、先に登校していた海老原が挨拶しながら近付いてきた。長い前髪とデカい黒縁眼鏡で顔の上半分が隠れて表情は分からないが、きゅっと口角の上がったさくらんぼのような小さな口と明るい声色で、ご機嫌なんだと分かる。
「おはよう」
「おはようございます」
いつも通りの挨拶を返す俺の隣で雅臣も挨拶するが、無理矢理爽やかな声を出している気がする。見上げてみると、明らかな作り笑顔を浮かべていた。海老原が今までのくせで、幽霊さん、と言いそうになったのが気に入らないのか?
「拓也は……分かってますよね?」
「うん、分かってるよ。応援してたの知ってるでしょ?」
俺を隠すように歩み出た雅臣が、海老原と意味深な会話を交わす。
「お前ら、何の話をしてるんだ?」
「カニなんとかに確認をとっただけです」
雅臣の学ランの裾を掴んで引っ張りながら聞くと、振り返った優しい笑顔が心配する必要はないと安心させるようなような声で告げてきた。
「なにその、カニなんとかって?」
ケラケラと楽しそうに笑う海老原と雅臣を交互に見るが、やっぱり何の話をしていたのか分からない。二人の表情を見る限り悪い話ではないようなので、気にする必要はないだろう。雅臣が海老原をカニと呼び続けるのも、海老原は気にしていないようだし、訂正が面倒臭いのでスルーしておこう。
「鞄、置いてくるな」
まだ朝のホームルームが始まるまで時間はあるが、ずっと鞄を持ったまま話しているのも邪魔なので一旦席に向かう。すると、俺の席のある隣の列の一番後ろの席だったはずの雅臣が、鞄を持ったまま後を付いてきた。そして、俺の左横の席に鞄を置いた。
「そこ、佐久間の席だろ?」
「代わってもらったんです。先生にも許可はとってあります」
「何て言ったんだよ?」
「視力が悪いので一番後ろの席では黒板が見えない、という定番の理由ですよ」
「目、悪いのか?」
「いいえ、両目とも1.5ですよ」
コンタクトは入ってなかったよな、と青い瞳を覗くと、悪戯っぽくウインクしてきた。
俺の隣の席になりたいが為に平気で嘘をつくとか、最低じゃないか。そんな最低な嘘までついて隣の席になりたいと思ってくれたことが嬉しくて、胸がキュルンと締め付けられてしまった俺は、もっと最低だ。
「なぁ、昼飯とか買っとかなくていいのか?」
校内の売店でも買えるが、昼休みが始まってすぐは戦場のような有り様だ。この時期なら朝に買っておいても腐る心配はないので、雅臣に確認してみる。
「用意してきているので大丈夫ですよ」
にこやかに微笑んで、右手に持った鞄を指差す雅臣。俺が帰った後、夕飯と一緒に買っておいたのだろうか。
「アンタ、晩飯どこで食べたんだ? 朝飯もちゃんと食べたか?」
「心配してくれてありがとうございます。実は料理が趣味なんですよ」
爽やかな朝の澄んだ空に栄える微笑を、ニコリと浮かべる雅臣。今朝、その食生活を心配した時に想像してしまった格好いい料理姿が浮かんできて、顔がほんのり熱くなってくる。
「アンタの家、お抱えのシェフとかいたんじゃないのか?」
「えぇ、いましたよ。息抜きに、よく彼らに料理を教わっていたんです」
この大きな掌のわりには細くて長い指が料理を作るのか、と雅臣の指先を見ていたら、この指の与える快感を思い出した肌がざわめきだした。
「どうしました、拓也。顔が真っ赤ですよ?」
「きょ、今日は日差しが強いんだよ!」
「そうですか? とても穏やかで過ごしやすいと思いますが」
「は、早く学校行くぞ」
ずんずん歩き始める俺の後を、クスクス笑いながら付いてくる雅臣。たぶん、俺がエロいことを思い浮かべったってことに気付いてやがる。分かってるなら、その指で悪戯っぽく触ってこいよ。
な……なんてことを考えているんだ、俺は。益々赤味を増していく顔に、がっくりと肩を落とす。すると、その肩に大きな掌が乗せられた。
「帰ったら……」
「へ?」
耳許で擽るように囁かれる声に肩を竦めながら振り返ると、熱を孕んだ青い瞳があった。
「帰ったら、拓也をください」
「お、俺はモノじゃないっ!」
肩に乗せられた手を払い、全速力で駆ける。だが、走ったのだけが原因ではない激しい鼓動で、すぐに息が切れて足が止まる。
朝っぱらから、あんな色っぽい顔をして誘うんじゃねぇよ。帰ったあとのことが楽しみで、一日中後ろが疼いてたらどうしてくれるんだよ。雅臣が好きすぎて、心臓がいくつあっても足りないじゃないか。
荒い息を整えていると、背後に歩み寄る人の気配を感じた。振り向かなくても誰なのかは、ソイツが近付くと温かなものに包まれていく心で分かる。息の乱れが収まり、普通に喋れようになった口を開く。
「昨日のケーキが余ってるから、帰ったら食わせてやる」
「ありがとうございます。美味しい紅茶を淹れますね」
膝に手を置き前屈みになっている俺の背中を、労るように撫でてくれる雅臣の、優しい温もりが心地好くて眠りに落ちそうになる。こんなところで寝ては駄目だと目を見開き、戯れすぎて遅刻しないように学校へと歩き始める。
学校が近付いてくると、チラホラ現れ始めた生徒達。いつもの登校風景だけど、それが本当に雅臣と学校に通っているんだと実感させられて嬉しくなってくる。
校門近くまで来ると、チラチラと俺達の様子を窺う視線を感じ始めた。こんな進学校に三年になって転校してきた生徒なんて珍しいから、興味を引かれているのだろうか。浴びせられる視線の先に目をやると、頬を紅潮させて蕩けたような顔をしている女子がいて、危惧していた視線だったのだと分かった。雅臣に見惚れている女子の視線に、腹の底から赤黒い淀みが沸き上がってくる。
「なぁ、アンタは……」
「何です?」
雅臣の問い掛けに、はっとなる。女子の視線にイラッとして俺は、とてつもなく恥ずかしいことを聞こうとしていたのだ。
「な、なんでもない」
「僕は拓也だけのものですよ。だから安心して」
周りに二人の親密さをアピールするように、雅臣が体を寄せて耳打ちしてきたので、倒れるんじゃないかというほど顔が熱を持つ。
アンタは、俺のものだろ? そう言い掛けた俺の不安を払拭させ、安心させる言葉をくれた。
俺より一歩も二歩も先を行く、大人の余裕いっぱいの雅臣。悔しいけれど、そんな雅臣に何度も俺は救われているんだ。
「俺も雅臣だけのものだ。さぁ、遅刻するからさっさと行くぞ」
「はい」
周りに聞こえないように、でも雅臣にはしっかり聞こえるように呟くと、足早に校門を潜っていく。俺の隣が自分の定位置なんだと言うように、どんなにスピードを上げても雅臣はぴったり付いてくる。雅臣のいる右側が、春の陽気のようにポカポカと温かくなっていく。
「宇佐美くん、ゆう……一条くん、おはよう!」
教室に入ると、先に登校していた海老原が挨拶しながら近付いてきた。長い前髪とデカい黒縁眼鏡で顔の上半分が隠れて表情は分からないが、きゅっと口角の上がったさくらんぼのような小さな口と明るい声色で、ご機嫌なんだと分かる。
「おはよう」
「おはようございます」
いつも通りの挨拶を返す俺の隣で雅臣も挨拶するが、無理矢理爽やかな声を出している気がする。見上げてみると、明らかな作り笑顔を浮かべていた。海老原が今までのくせで、幽霊さん、と言いそうになったのが気に入らないのか?
「拓也は……分かってますよね?」
「うん、分かってるよ。応援してたの知ってるでしょ?」
俺を隠すように歩み出た雅臣が、海老原と意味深な会話を交わす。
「お前ら、何の話をしてるんだ?」
「カニなんとかに確認をとっただけです」
雅臣の学ランの裾を掴んで引っ張りながら聞くと、振り返った優しい笑顔が心配する必要はないと安心させるようなような声で告げてきた。
「なにその、カニなんとかって?」
ケラケラと楽しそうに笑う海老原と雅臣を交互に見るが、やっぱり何の話をしていたのか分からない。二人の表情を見る限り悪い話ではないようなので、気にする必要はないだろう。雅臣が海老原をカニと呼び続けるのも、海老原は気にしていないようだし、訂正が面倒臭いのでスルーしておこう。
「鞄、置いてくるな」
まだ朝のホームルームが始まるまで時間はあるが、ずっと鞄を持ったまま話しているのも邪魔なので一旦席に向かう。すると、俺の席のある隣の列の一番後ろの席だったはずの雅臣が、鞄を持ったまま後を付いてきた。そして、俺の左横の席に鞄を置いた。
「そこ、佐久間の席だろ?」
「代わってもらったんです。先生にも許可はとってあります」
「何て言ったんだよ?」
「視力が悪いので一番後ろの席では黒板が見えない、という定番の理由ですよ」
「目、悪いのか?」
「いいえ、両目とも1.5ですよ」
コンタクトは入ってなかったよな、と青い瞳を覗くと、悪戯っぽくウインクしてきた。
俺の隣の席になりたいが為に平気で嘘をつくとか、最低じゃないか。そんな最低な嘘までついて隣の席になりたいと思ってくれたことが嬉しくて、胸がキュルンと締め付けられてしまった俺は、もっと最低だ。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
【完結】 男達の性宴
蔵屋
BL
僕が通う高校の学校医望月先生に
今夜8時に来るよう、青山のホテルに
誘われた。
ホテルに来れば会場に案内すると
言われ、会場案内図を渡された。
高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を
早くも社会人扱いする両親。
僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、
東京へ飛ばして行った。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる