先生、教えて。

オトバタケ

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 適当に選んだ部屋は外観同様に白で統一されていて、絵本で見たことがある西洋の城の寝室のような作りになっていた。
 レースの天蓋が掛かっているキングサイズのベッドを、お伽噺に出てくるのと同じだ、と興奮しているのが分かる瞳で眺めている直人。
 そんな無垢な天使をベッドに押し倒し、覆い被さって唇を重ねる。

 あの女の感触など忘れてしまえ、他の女の感触など全部忘れてしまえ。
 俺の感触だけを覚えてろ、俺だけを求めて感じていろ。
 腹の底から沸き上がってくる黒い激情をぶつける俺に最初は戸惑っていた直人も、何かを感じたのか、分かったと言うように応えくれた。

 互いの息が乱れるまで続けた口付けを終えて見下ろした直人の顔は、俺を求める狩人に変わっていた。
 体を下にずらして直人のズボンと下着を下げると、芯を持ち始めている雄が現れた。
 俺によって変化したことに喜びを感じながら、更に熱くするために舌を這わせ始める。

「先生、まだお昼だよ?」
「この城は昼でもお尻に挿れていい特別な場所なんだ。それに、何回でも挿れていい場所だから、いっぱい気持ちよくなろうな」

 熱い吐息を吐いて戸惑いながら尋ねてくる直人のこの分身が、他の女の中に挿った感触を全て俺で塗り替えて俺で染めてやる。
 咥えながら自分のズボンと下着も下げ、後ろを解しながら直人を高めていく。

 段々と荒くなっていく直人の息を聞き、興奮した後ろがギュウギュウと締まる。
 ドクドクと脈打つ直人の分身を俺色に染めるため口内から出して、そこに跨がり後ろに収めていく。

「くっ……」

 直人から溢れ出た蜜だけでは滑りが足らずにスムーズにはいかなかったが、俺を覚えさせるようにゆっくり腰を沈めていく。
 きつさを感じてか直人の眉間に寄っていた皺も、全てが収まって後ろが直人の形に馴染むと取れていき、欲情に濡れた顔になって俺を見上げてきた。

「ナオくんは先生の、俺だけのものだ」
「そうだよ。ぼくは先生の。先生はぼくのだよ」
「あぁ、先生はナオくんの、直人だけのものだ」

 もう何度目なのか分からない、結婚式の誓いのような口付けを交わし、互いは互いのものだと確認しあう。
 神聖なキスを終えて、見つめ合って微笑んでいる最中に、悪戯するように腰を揺らしてやる。
 一瞬で雄の顔に変わった直人は上半身を起こして俺を抱き締め、激しく腰を振り始めた。
 一番太いところで快楽のポイントを突かれ、走り抜ける快感で体が崩れ落ちないように直人にしがみついて、その動きに合わせて腰を振る。
 快感でだらしなく開いてしまった口を塞いできた直人が、上の口でも繋がりたいと言うように激しく舌を絡めてきた。

 上でも下でも直人と繋がって直人を感じ、心も体も直人で染まっていく。
 直人にも俺で染まって欲しいと願いながら、上でも下でも直人を受け入れる。
 直人を最高潮に感じた体が爆ぜると、直人も俺の中でフィナーレを迎えた。
 直人で満たされていく体に、心も満ち足りていく。

 その後、ベッドでゆっくり愛し合い、体を清めに入った風呂で軽く戯れて城を後にした。
 一番近い公園の入口まで移動し、緋色に染まった空を見上げながらタクシーを待つ。

「先生、夜もいれていい?」
「三回も挿れただろ? もう今日はなしだ」
「はい……」

 きつく言った俺にしゅんと項垂れてしまう直人が可愛くて、明日少しくらい体が辛くても、もう一回くらいなら繋がってもいいかなという気になってくる。

「あっ、先生、流れ星だよ」
「え?」

 直人が指差す先には、白い光を点滅させて飛ぶ物体があった。

「残念ながらあれは飛行機だな」
「そうなんだ……」

 残念そうに頭を垂れる直人の鳶色の髪が、夕陽を浴びて金色に輝いている。
 まるで、俺だけの太陽みたいだ。

「流れ星だったら、ナオくんはどんな願い事をした?」
「先生とずっと一緒にいられますように! 」
「ナオくん……。先生の願い事もナオくんと一緒だよ」

 満面の笑みを湛えて告げてきた直人に胸がじわじわ温かくなるのを感じながら、どんなことがあっても離れ離れにならないようにと大きな掌にそっと触れると、離さないから大丈夫と言うように強く握りしめてくれた。
 到着したタクシーに手を繋ぎあったまま乗り込み、帰宅した。
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