こんなわたしでもいいですか?

五月七日 外

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GW騒動

GW騒動②

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「はいはーい!どうも皆さんこんにちわ!」

 なんて陽気な挨拶をしているのはもちろんわたくしこと赤城 飛翔 あかぎ かけるでございます!

 いやぁー、今回もおさらいコーナーカットされなさそうで何よりです。てっきり毎回はきついから各章ごとに一回でいいや!っていう感じでカットされるものかと……
 まあ、それはそれでわたくしは楽なのですが。

 挨拶も終わりましたし……そろそろ例のアレ、始めますか?嫌ですか……それでもわたくしは勝手に始めますよ!

 それでは元気に行きましょう!恒例のおさらいコーナー!
 何と!前回は遂に彼がデートに出掛ける!?というスゴい話しになる予定が集合するだけで一話終わる……本当、彼の物語は進まなさすぎではありませんかね?本気を出せば三行で終わりますよ

『GW初日に俺は何と!雛田さんとデートをすることになった。
 服選びに手間取るなど色々あったが、何とか雛田さんと駅前で合流しこれから俺たちは遊園地に向かうのであった……』はい!前回のお話しです。どうでもいいですけど『色々』って便利な言葉ですね……

「さて、おさらいもこれくらいにして、スピンオフを始め……間違えました……本編を始めますか!
 それでは、彼がデートをしている場面からですかね?どうぞ!」


「も……もうダメだ、死ぬ~!」
「もう一回だけ乗ろうよ~、お願い!」

 先程から上目遣いという高等テクを駆使しながら『今日何度目?』というお願いをしているのは、俺こと赤城飛翔 あかぎ かけるの彼女である……いや、ちがうな……(未来の?)彼女であるところの雛田さんこと雛田由依 ひなだ ゆいであった。

「一回休憩しよ?メリーゴーランドとかさ?」
「えぇ~!じゃあ後一回だけ乗ったらメリーゴーランドとかも乗ろうよ」
「わかった、後一回だけだからな?」

 ……何というか、雛田さんは絶叫系好きなんだろうなぁ~くらいには思っていたけど、まさかここまで好きだとは……もう二時間くらい絶叫系しか乗ってないよ!ていうか遊園地についてからずっと絶叫系だよ!
 そんなことを考えていたら、もう俺たちの順番が回ってきた。

「それでは、レバーをしっかりと降ろしてください!」

 係員のお姉さんが元気よく説明をしてくれる。大丈夫ですよ!俺、このジェットコースター乗るの4回目なんで……もちろん今日だけで……

「それでは、いってらっしゃーい!」

 お姉さんは無慈悲にも俺たちを送り出す。そしてジェットコースターはカタカタと音を鳴らしながら頂上へゆっくりと登っていく……

「雛田さん……もしも俺が死んだら海に散骨してください」
「だから死なないってば~!赤城君は怖がりだなぁ」
「べ、別に怖くなんてないんだからね!」

 そう、俺は絶叫系が大の苦手なのだ、怖すぎてついツンデレみたいなことを言ってしまうくらいに。
 そして、ジェットコースターは頂上まで登り……

「赤城君そろそろ来るよ~」
「雛田さん助けて下さい!お願いします何でもします」
「いやだよ~だ!」

 そんな悪魔のようなセリフが聞こえるのと同時にジェットコースターは本日四度目の急降下をした。

「やっほ~!」
「あああぁぁぁっーーー!!!」
 

「赤城君、大丈夫?」
「もうダメ……まだ地面がグルグルしてる……」
「しょうがないなぁ、じゃあちょっと休憩してお弁当たべよ?」
「あれ?昼飯はそこら辺で買うんじゃないの?」

 ……てっきり、ハンバーガーでも買うものかと思って弁当用意してないですよ?……

「何言ってるの~?デートなんだから弁当作ってくるに決まってるじゃん!」
「マジかよ!?今すぐ食べよ!」
「あれ?気分がわるいんじゃ……」
「もう直った!」
「はやっ!」

 そんなこんなで俺たちはランチタイムをとることにした。


「うまいっ!もう死んでもいいな」

 雛田さんが作ってくれた弁当は一段目にサンドイッチ、二段目に唐揚げやソーセージなどのおかず、三段目にデザートの果物が入っていてどれもビックリするくらいおいしかった。

「もう赤城君ってば、またそんなこと言って~///」
「本当にうまいからさぁ、それにしても今日はやけに大荷物だなぁと思っていたら、まさか弁当を作っていたとは……」
「えっへん!」

 雛田さんが自慢気に胸を張ってきた
 あの、そんなに胸を張るとですね……その……慎ましい大きさとは言えない何かがですね……妙に強調されて目線のやり場に困ると言いますか……
 俺は動揺を悟られないように出来るだけ適当に雛田さんを褒めた

「はいはい、えらいね~」
「ひっど~い!」 
 
 
「ご馳走さまでした、本当旨かったわ !」
「お粗末様でした」

 楽しくランチタイムを終えた俺たちはどのアトラクションを回るか話し合うことにした

「さて、次はどこ回る?」
「わたしはジェットコースター乗りたい!」
「いやいや、食後すぐはダメでしょ!」

 全く、雛田さんは俺が絶叫系ダメなのを知っていてこんなこと言うんだから……もしかして俺をいじめて楽しんでる?くっ、こうなったら俺も仕返ししてやる!

「じゃあさ~赤城君はどこ回りたいの?」
「お化け屋敷」

 俺がそう言うと雛田さんが急に顔を真っ青にした

「そ、その……食後だし、一回メリーゴーランドでも……」
「もしかして怖いの?」
「べ、別に怖くなんてないんだからね!」
「ぐはぁ!」
「どうしたの?」
「大丈夫、何でもない」

 雛田さんのツンデレ口撃で危うく死ぬところだった……仕方がない、雛田さんのかわいさに免じて今回は逃してやろう……

「そんなことより怖くないんだったら、お化け屋敷行くだろ?」

 もちろん俺に逃す気なんて無かった。やられたらやり返す……そう、倍返しだ!

「ごめんなさい!本当は怖いです……」
「フッフッフッ……今さら何を言ったって遅いわ!」
「イヤだぁ~!助けて!何でもするから!」

 ……マジで?ちょっと悩むんですけど……

「……じゃあ、メリーゴ……じゃなくて!お化け屋敷に決定!」
「イヤだぁ~!!」


 ちょっと気持ちがぶれそうになったが、俺たちはお化け屋敷に向かうことにした



 
 
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