こんなわたしでもいいですか?

五月七日 外

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彼女の失われた青春

彼女の失われた青春③

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「まあ、大体こんな感じでわたしと昴は親友になったの」
「昴の天然っぷりはそのときからスゴいな……最早ただの変人レベルだよなぁ」

 場所は戻ってファミレス……わたしの話が一段落したので一息いれることになった。
 赤城君が気になったことがあるようで色々と聞いてきた

「いやぁ……まさか、ハイタッチが昴のおばあちゃん発祥とは……」
「そう言えば、赤城君と初めて話したときもハイタッチしたっけ?」
「そうそう!本当あのときはビックリしたよ……」
「わたしも昴と一緒にいたから変な挨拶が身に付いたのかも……」
「それにしても……っぷ!」

 何だか赤城君が失礼なことを考えている気がする……てか、今……吹いたよね?

「な、なにがおかしいのよぉ~」

 わたしが少し怒りながら言ったのに赤城君は笑いを堪えながら答える

「いやいや、二人ともネームセンスねえなぁと思ってさ!……ゆいゆいとすばるん……ぷぷっ!」
「それ以上言ったら赤城君にもあだ名つけるよ?」

 すると、赤城君がタジタジしだした

「そ、そのガチで遠慮しときます。ごめんなさい……」
「失礼だなぁ~!ね?か・け・る・ん!」

 わたしは嫌がらせで赤城君にあだ名を付けてあげた

「うっ、本当にネーミングセンスが……」
「かけるん?大丈夫?」
「あぁ、大丈夫だ。ゆいゆい!」
「その……」
「うん……」
「「やめとこっか」」

 これ以上はお互いの心が耐えられないので休戦することにした

「それにしても意外だったなぁ雛田さんがボッチだったなんて、昴はまあ予想できるけど」  
「あはは、けど……たぶん昴と仲良く出来なかったら今もわたしはボッチだよ……」

 ……本当にわたしはそう思うので、ついそう言ってしまった

「いや、それは違うだろ」
「違わないよ……」

 わたしは少しナイーブになってしまう

「俺はたぶん雛田さんがボッチのままでも今みたいにこうやって話してると思うぞ!……それに雛田さんがボッチなら俺もボッチ確定だしな!……あれ?俺ダメすぎじゃね?」

 赤城君は冗談混じりにそう言ってくれた(……本当、赤城君は無意識でこっちが嬉しくなるようなことを言うよね……)
 わたしは少し恥ずかしくなったので冗談混じりで返した

「でも、赤城君も昴に負けない位にはおかしいからボッチにはならないよ」 
「まじかよ!?俺は比較的常識人だと思ってたのに……まあ、そうだとしても俺は雛田さんと仲良くやってるよ。何なら俺がテニス勝負挑んで、ボロ負けしてから仲良くなるかもだし……いくらでも俺と雛田さんが仲良くなる理由はあるだろ」
「う、うん///そうだね///」

 ……なにこれ!?恥ずかしいけど、メチャクチャうれしい……
 このままだと赤城君の方をまともに見れなさそうだから話の続きを始めよ!

「そんなことよりも!わたしの人生相談続けるよ!」
「お、オッケー……」
「それじゃあ、親友になったわたしと昴の続きだね!」
「アイアイサー!」
「赤城君……真面目にきいてる?」
「ごめん、ふざけすぎた……」
「全くもう……それじゃあ続きからね……」



 そうして、わたしは昴が記憶を失う前の……言わば、私たちにとって最後の思い出について語り始めた……
 
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