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なにか、みつけた
ぼくの余命とふたつの記念日
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今日は、エムとぼくの大切な記念日だった。
三年前の今日、弁護士と証人として、エムとぼくは出会った。
そのときはそれっきりだったけれど、二年後の同じ日に偶然に再会して一瞬で恋に落ちた。ぼくらは、その日から、いっしょに暮らし始めた。
だから、今日は同棲一年目の記念日であると共に、出会った日からちょうど三年目の記念日なんだ。
そのダブルの記念日の夜はプレゼントを交換して、キャンドルを灯して二人でディナーを食べて、愛を交わすはずだった。
それなのに、ありえない!
ぼくとエムが別れた日という、歓迎せざる三番目の記念日が加わりそうなんだ。
今朝、ぼくらは、これまでで一番ひどい言い争いをした。
きっかけは、半日経てば思い出せないくらい些細でつまらないことだ。いつもなら、おとなの対応で、エムはサラッと受け流すのに、今朝は違った。逆に突っ掛かってきたんだ。大きな裁判を抱え徹夜続きで、相当ストレスが溜まっていたらしい。
思い返すと泣きたくなった。
だって、生きている間にエムと祝うことのできる最初で最後の記念日になったかもしれないんだ。それはエムだって、わかっているはずだ。
来年の今日、ぼくは遺影になっているかもしれない…… それを考えると、マジで泣けてきた。
エムと再会する一ヶ月前に、ぼくは医者から余命宣告を受けていた。
それまでも貧血をよく起こすようにはなっていたし、朝、目を覚ましても怠くて起き上がれない日も増えていた。でも、それは不摂生な生活のせいだとばかり思っていた。
当時のボーイフレンドのだれか—— くそ、忌々しい、もう、だれだったか、忘れたよ。
そいつのせいで引いた風邪が長引いて病院に行ったら、精密検査をされて、挙句の果てに余命宣告を受けたんだ!
ぼくの余命宣告を知ると、そいつは怖気づいて逃げやがった。病気が移るってさ。
なんだよ、それ! 無責任でだらしないおまえの方こそ、変な病気を持っていそうじゃないか!
今は、まだ、ふつうに生活できているけれど、それがいつ、できなくなるかはわからない。それが一ヶ月先なのか、二年先なのかはわからない。
確かなことはただ一つ。最短は不明。最悪、明日かもしれないし、最長でもあと三年ということだけだ。
どっちにしても、三年後には、ぼくはデージーの花の下(※1)。墓の中ということだ。
大学だって、奇跡でも起きて特効薬ができない限り、卒業なんて不可能だ。
なのに、エムが「医療の進歩は日進月歩だ。きみは、わたしより若い。わたしは毎月、医療機関に寄付を続けている。その寄付金の成果を信じて、学業を続けろ」と、わけの分からない理由で、ぼくの再入学の手続きをしてしまった。
本音は、家にぼくを一人で暇にさせておくと何をするかわからないから、色々屁理屈をつけて学校にでも放り込んでおくというところだろう。
※1 under the daisiesは、慣用句で「死」を意味します。
三年前の今日、弁護士と証人として、エムとぼくは出会った。
そのときはそれっきりだったけれど、二年後の同じ日に偶然に再会して一瞬で恋に落ちた。ぼくらは、その日から、いっしょに暮らし始めた。
だから、今日は同棲一年目の記念日であると共に、出会った日からちょうど三年目の記念日なんだ。
そのダブルの記念日の夜はプレゼントを交換して、キャンドルを灯して二人でディナーを食べて、愛を交わすはずだった。
それなのに、ありえない!
ぼくとエムが別れた日という、歓迎せざる三番目の記念日が加わりそうなんだ。
今朝、ぼくらは、これまでで一番ひどい言い争いをした。
きっかけは、半日経てば思い出せないくらい些細でつまらないことだ。いつもなら、おとなの対応で、エムはサラッと受け流すのに、今朝は違った。逆に突っ掛かってきたんだ。大きな裁判を抱え徹夜続きで、相当ストレスが溜まっていたらしい。
思い返すと泣きたくなった。
だって、生きている間にエムと祝うことのできる最初で最後の記念日になったかもしれないんだ。それはエムだって、わかっているはずだ。
来年の今日、ぼくは遺影になっているかもしれない…… それを考えると、マジで泣けてきた。
エムと再会する一ヶ月前に、ぼくは医者から余命宣告を受けていた。
それまでも貧血をよく起こすようにはなっていたし、朝、目を覚ましても怠くて起き上がれない日も増えていた。でも、それは不摂生な生活のせいだとばかり思っていた。
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そいつのせいで引いた風邪が長引いて病院に行ったら、精密検査をされて、挙句の果てに余命宣告を受けたんだ!
ぼくの余命宣告を知ると、そいつは怖気づいて逃げやがった。病気が移るってさ。
なんだよ、それ! 無責任でだらしないおまえの方こそ、変な病気を持っていそうじゃないか!
今は、まだ、ふつうに生活できているけれど、それがいつ、できなくなるかはわからない。それが一ヶ月先なのか、二年先なのかはわからない。
確かなことはただ一つ。最短は不明。最悪、明日かもしれないし、最長でもあと三年ということだけだ。
どっちにしても、三年後には、ぼくはデージーの花の下(※1)。墓の中ということだ。
大学だって、奇跡でも起きて特効薬ができない限り、卒業なんて不可能だ。
なのに、エムが「医療の進歩は日進月歩だ。きみは、わたしより若い。わたしは毎月、医療機関に寄付を続けている。その寄付金の成果を信じて、学業を続けろ」と、わけの分からない理由で、ぼくの再入学の手続きをしてしまった。
本音は、家にぼくを一人で暇にさせておくと何をするかわからないから、色々屁理屈をつけて学校にでも放り込んでおくというところだろう。
※1 under the daisiesは、慣用句で「死」を意味します。
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