ミケちゃん、おはよう!〜野良猫だったミケちゃんとやすらぎさんの出会いのお話〜

水玉猫

文字の大きさ
12 / 35

クマパン号とクマパンちゃん

しおりを挟む
 明日は、いよいよ不妊手術の日。
 夜になって、一台の車がやって来ました。
 クマのパン屋さん工房の移動販売車、愛称クマパン号です。

 クマのパン屋さん工房は、やすらぎ治療室の近くにあった焼きたてパンのお店です。
 お店での販売の他に、かわいいクマの形をしたクマパン号で各地を回ってパンやクレープの販売もしていました。

 そのクマパン号が治療室の前に停まったので、やすらぎさんはびっくりしてしまいました。
 パン屋さんのオーナー夫妻が、ミケちゃんの激励に来てくれたのです。
 そして、やすらぎ夫妻には、その場でクレープを作ってくれました。

 あの夜から何年たっても、やすらぎさんはあの時のクレープの味を忘れることはできません。
 今では、もう、クマのパン屋さん工房のクレープを食べることができないだけに尚更なおさらです。
 

 ***


 クマのパン屋さん工房は、2016年1月に惜しまれつつ閉店してしまいました。

 店舗や移動販売車の他に、通販も始めていたので、おいしいパンのファンは全国に広がっていました。
 ブリオッシュメロンパン、バタークロワッサン、メープルピーカン。もう一度、あの味をと、お店の再開を望む人たちは大勢います。

 お店が閉店する時、クマのパン屋さん工房のマスコットのぬいぐるみが、やすらぎ治療室にあずけられました。
 そのぬいぐるみのクマの名は、クマパンちゃん。
 クマパンちゃんは、ミケちゃんのぬいぐるみのお友だちになりました。

 ツイッターにアップされるミケちゃんとクマパンちゃんの写真は、ミケちゃんにぬいぐるみのお友だちがたくさん増える切っ掛けの一つになりました。
 フォロワーさんたちがミケちゃんに、ぬいぐるみもプレゼントしてくれるようになったのです。

 だから、いつか、クマのパン屋さん工房のお店が再開して、クマパンちゃんが新しいお店に戻って行っても、ミケちゃんは寂しくありません。

 クマのパン屋さん工房のポリシーは、地域のパン屋さん。子どもたちが駄菓子屋さんのように遊びに来てくれるパン屋さんでした。
 いつか、新しいお店で、焼きたてパンの匂いと子どもたちの笑い声の中で、誇らしげなクマパンちゃんに会えたら、どれだけ嬉しいことでしょう。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

新しい家族は保護犬きーちゃん

ゆきむらさり
エッセイ・ノンフィクション
〔あらすじ〕📝初めて🐶保護犬ちゃんを迎え入れる我が家。 過去の哀しい実情のせいで人間不信で怯える保護犬きーちゃん。 初日から試行錯誤の日々と保護犬きーちゃんがもたらす至福の日々。 ◇ 🔶保護犬ちゃん達の過去・現在の実情の記述もあります🐾 🔶日々の些細な出来事を綴っています。現在進行形のお話となります🐾 🔶🐶挿絵画像入りです。 🔶拙いエッセイにもかかわらず、HOTランキングに入れて頂き(2025.7.1、最高位31位)ありがとうございます🙇‍♀️

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

👨一人用声劇台本「寝落ち通話」

樹(いつき)@作品使用時は作者名明記必須
恋愛
彼女のツイートを心配になった彼氏は彼女に電話をする。 続編「遊園地デート」もあり。 ジャンル:恋愛 所要時間:5分以内 男性一人用の声劇台本になります。 ⚠動画・音声投稿サイトにご使用になる場合⚠ ・使用許可は不要ですが、自作発言や転載はもちろん禁止です。著作権は放棄しておりません。必ず作者名の樹(いつき)を記載して下さい。(何度注意しても作者名の記載が無い場合には台本使用を禁止します) ・語尾変更や方言などの多少のアレンジはokですが、大幅なアレンジや台本の世界観をぶち壊すようなアレンジやエフェクトなどはご遠慮願います。 その他の詳細は【作品を使用する際の注意点】をご覧下さい。

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

おじさん、女子高生になる

一宮 沙耶
大衆娯楽
だれからも振り向いてもらえないおじさん。 それが女子高生に向けて若返っていく。 そして政治闘争に巻き込まれていく。 その結末は?

25歳の決意

S.H.L
恋愛
「25歳の決意」 ――別れたいのに別れられない。愛と依存の境界で、自分を取り戻すために髪を落とした女性の物語。

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

処理中です...