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人生が詰んだ瞬間って全てが止まって見えるんだなぁ……

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「リューラ・ストレイラッジ! お前との婚約を破棄する!!」

(あ、終わった……)

 コーンラッド王国の貴族学院の卒業記念パーティーの最中、ディーナ・コーンラッド王太子が堂々と宣言しやがった。

 その傍らには涙目の王太子お気に入りの男爵令嬢がいた。

「私は真実の愛に目覚めたのだ!」

(いやいやその男爵令嬢、側近にも声かけてますよ~、俺も誘惑されたけどこっぴどく振ってやったらガン無視ですよ、その女)

 俺は口には出さないが内心冷めている、ていうかそれどころではない。

(あぁ~、絶対に親には怒られるし勘当されて追放だろうな、家は弟がいるから跡取りに関しては問題無いけど問題は婚約だよ、一応俺は王太子の側近の1人だし多分他の奴らと同等に見られてるだろうし婚約の話は無かった事になるんだろうなぁ……、あぁ~お先真っ暗だよ、いくら家の事情で王太子の取り巻きになったけどこんな泥舟乗る訳がないよ……)

 俺はこれから起こるであろう出来事に戦々恐々としながらも将来の事に関して考えていた。

(俺にも罪はあるんだろうし……、でも相手は王太子だぞ? 一侯爵家が止めれる訳無いだろ? 止めても聞く耳は持ってないだろうけどっ!!)

 この王太子は一度走り出したら止められない暴走列車みたいな性格だ。

 現在だって男爵令嬢の一方的な証言を鵜呑みにして婚約者であるディーナ公爵令嬢を断罪している。

 このパーティーには俺達の親も出席している、俺は恐ろしくて両親の顔はまともに見れていない。

 誰か早いとこ止めてほしい、ていうか王太子、話をこっちに触れないでくれ!

 お前らも相手が格上だって忘れてるだろ、本気出せば家ごとぶっ潰す事が可能な人達だぞ!

 あぁ~、完全に犯罪者扱いしてるよ……、公爵の凍てついた視線がわからないのか? お前らの両親なんか卒倒しそうになってるぞ。

 え? お前が止めれば良いだろ?

 そんな勇気があったらとっくに王太子の顔面にパンチを喰らわせて強制終了させてるよ。

 あ、漸く国王様がやって来た、そして王太子と男爵令嬢、俺を含めた取り巻きは兵士達に連れていかれた。

 そして、事情聴取を受け俺は即日釈放された、他の面々は暴れていて話すら聞けない状態だそうだ。

 後々聞いたら俺以外はみんな男爵令嬢の魅了にかかっていたらしい、だからといって言い訳にはならないけど。

 家に帰って来た俺はそのまま部屋で謹慎する事になった、まぁ身辺整理をしておけ、と言う事だろう。

 こうして俺シューラの貴族令息として詰んだ一日は終わった。
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