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騎士団に事情聴取された

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「顔色がだいぶ良くなったみたいだな」

「ウン……、アリガトウ」

 あの後、治癒士が調合した薬を飲んだ少女は顔色が良くなり今は俺の横でお茶を飲んでいる。

「うちの治癒士は優秀ですからね、大半の怪我や病気は治せますよ!」

 受付嬢がえっへん!と胸を張る。

「しかし、懐かれたな。シューラ」

 ニックがニヤニヤしながら言った。

 目覚めてから何故か少女は俺のそばを離れなくなった。

「まぁ、懐かれるのは良いんだけど……、そういえば名前を聞いてなかったな、名前なんて言うんだ?」

「エート……、リル!」

 少女、リルは元気よく答えた。

 俺達が話をしているとギルドの扉が開き兵士2人が入ってきた。

「あっ! セイルさん、ケインさん! こちらです」

 受付嬢が声をかけると兵士達がこちらにやって来た。

「ミラ嬢、通報ありがとうございます。貴方方が獣人を保護した方々ですね。私はリンダー国騎士団所属のセイルと言います」

「同じくケインだ、早速だが状況を詳しく説明してほしい」

 俺達は森に入って薬草を詰んでいた時にリルが倒れていた事を話した。

「なるほど……、リルと言いましたね。貴女は何故倒れていたんですか?」

「ヤシキカラニゲテキタ……、マダナカマガイル」

「他にもいるんですね?」

 リルはコクリと頷いた。

 セイルは懐から本を取り出してきた。

「この中に貴女が見た事があるマークはありますか?」

 本には貴族の紋章が書かれていた。

「アッ! コレッ!」

 リルが指さした紋章を見てセイルとケインは目を合わせ頷いた。

「協力ありがとうございます。明日には家宅捜索に入れるでしょう」

「家宅捜索、てもしかして目をつけていた所とか?」

「その通り、前々から怪しい噂があったんだ、奴隷を闇市で仕入れている、とか虐待しているとかな。リル嬢ちゃんのおかげで尻尾を掴めそうだ」

 どの国でも良くない貴族がいるんだな。 
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