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ライオス家の事

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「そういえばマイル様は学院の卒業後は領地に戻られるんですよね?」
「えぇ、向こうに戻り次第父の跡を継ぐ予定です」
「あらあら、随分と急な話ねぇ、普通はお父様に付いて勉強をするはずなのに」
 お母様の言う通りで普通は学院卒業後には父親の補佐役として仕事の手伝いをするのが当たり前だ。
「我が家はちょっと特殊でして……、父が夜逃げしていないんですよ」
「「夜逃げぇっ!?」」
 私はお母様と一緒に驚きの声をあげてしまった。
「父は息子の僕が言うのもなんですが貴族には向いて無かったんです。領地運営も上手く行かず周りの貴族からは馬鹿にされてストレスからお酒に逃げてしまい……、ある日突然、姿を消してしまったんです」
「それは……、何と言ったら……」
「僕は一人息子ですからね、母上と小さな妹や弟を養わないといけませんからね」
「ご兄弟がいらっしゃるんですか」
「えぇ、可愛いですよ」
「私は一人っ子ですから羨ましいですよ」
 マイル様と改めて話をしてみると人柄がよくわかる。
 会って間もないけど私はマイル様に少しずつだけど惹かれていった。
「ところでマイル様の実家ってどちらにあるんですか?」
「王国の東にあります。王都からは馬車で1週間ぐらいかかります。まぁ自然豊かな所ですよ」
   
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