あっさりと初恋が破れた俺、神からのギフトで倒して殺して奪う

Gai

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それは応えられないかもしれない

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「でも、エリックが傍にいるんですし……また心が暴走することはないんじゃないですかね」

「そうだと良いんだが……恋心ってには今回の件とはまたちょっと別じゃないか? 今回はティールの強さが嫉妬心を暴走させる切っ掛けだっただろ」

「それはそうかもしれませんけど……まぁ、エリックとリーシアが基本的に両思いだっていうのはルーキーならこの街のルーキーなら大体は知ってそうですし、大丈夫ですよね」

恋心を暴走させてグレー……もしくはブラックなゾーンに足を踏み入れるのだけはないとティールも思いたい。

「そうだよな。とりあえず、その辺りは俺も目を光らせておく。そんで、この話とは別に一つ聞きたいことがるんだけどいいか」

「はい」

少々真剣な顔で訊いてきたガレッジを見て、何か重要な内容なのかとティールは身構える。

「ティール、お前はあと一年以内ぐらいにこの街から出て行こうとか思ってるか?」

「えっと……一年どころか、一週間ぐらい経てば次の街に行こうかと思ってます」

真面目に答えたティールの言葉を聞いたガレッジは分かり易く表情をがっかりさせる。
その理由が全く解らないティールは首を傾げて頭にはてなマークを浮かべる。

(べ、別に変な答えじゃないよな)

あからさまに落ち込んだ表情になったガレッジを見て、自分の答えが間違ってしまったと思うのはおかしくない。
仮に……もしここから偶然に不運が重なってガレッジと乱闘になったとしても、実力的にはティールが負けることはない。

だが、ティールとしてはガレッジの事を気に入っていて仲が悪くなりたくはないのでそういのは避けたい。

「だ、駄目ですか?」

「いや、そういう事じゃない。というか俺にお前の冒険を止める権利なんてない。だが、ベテランの俺から見ればお前は他のルーキー達に大きな刺激を与える。だからなるべく長い間この街に滞在してくれて良いなって思ってたんだよ」

ベテランからルーキー達に知恵を与えるのも新人達にとっては大きな財産となる。

だが、刺激というのは同期に他と比べて光る部分がある者がいてこそ得られる感覚。
ガレッジが考える中でティールはエリック以上に他のルーキー達に刺激を与える存在となる。

そんな存在にはなるべく長い間滞在して欲しいなとガレッジは考えていたが、ティールには特にこの街に留まる理由がない。
なので一週間後、長くて十日後には街を出てると決めていた。

「そ、そうですか……でも、もうこの街から違う街に向かうと決めてるので」

「あぁ、分かってる。そこには文句は言わねぇよ。お前の冒険はお前だけのものだ。他人が口を出すことじゃない。ただ……どういった場所を目指すんだ?」

「……特に決めてないですね。とりあえず違う街に移ってのんびり楽しもうかと思ってます」

のんびり楽しむ。
ある程度ランクの高い冒険者の口から出てもおかしくはないが、Eランクの冒険者が出せる言葉ではない。

休息を入れながらも毎日依頼を受け、街の住人の手伝いやモンスターの討伐をこなして金を稼ぎ、それらを生活費や武器の購入費に使う。

その生活の中で確かに楽しさ、達成感を感じる場面はある。
だが、苦しい……辛いと思ってしまう場面の方が圧倒的に多い。
のんびり楽しむ余裕など……ない。

(こいつの力を考えれば冒険者としての人生をのんびり楽しむのを難しくはない、か……変な奴に目を付けられないかだけが心配だな)

実力的には何も問題はない。
例え絡んで来た相手がランク的に格上の相手であっても倒せるだけの実力を持っている。

しかし世の中には力だけで解決しない問題もある。

「そうか……あまり無茶はするなよ」

「なるべくしないようにと思いますけど、どこかで無茶すると思います……俺も冒険者なんで、冒険しないといけない時が来ると思いますから」

ティールが冒険者になってから現在まで、冒険と言える体験はしていなかった。

(冒険……戦う相手に恐怖を抱いたのは幼い頃に遭遇したグレーグリズリーだったな。ああいった敵と戦うのは十分に冒険と言える筈。そういった敵と出会わないとは限らないし……場合によっては逃げられないかもしれない)

ティールも死にたくはないので本気で敵わないと思った相手からは逃げる。
ただし、逃げられない状態であれば戦うしかない。

その時こそ……冒険しなければならないと考えている。
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