325 / 864
寄生虫や金食い虫
しおりを挟む
ムーンウルフの素材などをギルドで売却し、約束通りティールとラストは助けた四人に夕食を奢ってもらっていた。
相変わらず色々と褒められるが……さすがにもう慣れてきた。
今まで歳上の者に褒められると、少々照れるところがあったが、もう何度も同じ状況を体験している。
嬉しいことには嬉しいが、どうたいった反応が正しいのか……そういう応えも理解した。
そして四人の酒が進んできたところで、ジュークという男が一つ、ティールにやや真剣な表情で質問した。
「ティールよう……お前はさ、マリアさんのこと狙ってるのか?」
「えっと、パーティーメンバー的な意味じゃなくて、異性としてってことですよね」
そういった話題に対し、決して鈍くはないので、やや酔っているジュークの言葉を直ぐに理解した。
「おう、そういう意味だ」
「全く狙ってませんよ。というか、俺はまだ二十二もなってない若造ですよ。色んな部分でマリアさんに釣り合ってませんよ」
確かに見た目、雰囲気や年齢など、色々とつり合ってない部分はある。
だが、今日少しだけだがティールの戦いっぷりをチラッとだけ見た四人は、強さという言ってんの身なら十分に槌り合っていると断言出来る。
「そうか、そりゃ良かったぜ。ティールみたいな強い奴がライバルだと、色々と厳しいからな」
「……ジュークさんは、本気でマリアさんに惚れてるんですね」
「そうなんだよこいつ。俺たちはライバルが多いから止めとけって言ってるんだけどよ」
ジュークの仲間の言葉通り、マリアを狙う男性冒険者は非常に多い。
元々は旅の冒険者だったが、マリアの心を射止める為にバラックに滞在している冒険者も多い。
そんな話をチラッと耳にした時、ティールは改めて無自覚な魔性の女性だと思った。
「バカ野郎。確かにティールみたいな驚きが強過ぎるライバルがいたら厳しいと思っちまうけど、だからって簡単に諦められる訳ないだろ!!」
「分かった分かった。分かったから、もうエールはその辺にしとけ。これ以上呑み過ぎると記憶を失うか、何かやらかして後々後悔することになるぞ」
「うぐっ……分かったよ」
過去に呑み過ぎてやらかした経験があり、仲間の助言通り、そこで再度エールを頼むのは止めた。
「ティールはまだ恋愛なんて分からない……いや、別にそんなこともねぇか。普通は冒険者になる前に、恋愛の一つや二つしてるか。どうなんだ、ティール?」
「……俺も男なんで、ありますよ。随分昔の話ですけど」
そう言うと、ティールは少し落ち込んだ雰囲気で当時のことを話し始めた。
十年前の記憶など、普通はもう覚えていないものだが……何故かあの時のことだけは明確に、記憶に残っている。
「あぁ~~、なるほどな。そりゃ子供ながらにきつい経験したな」
「俺、似た様な経験したことあるから解るぜ。やっぱり、世の中顔が良い奴が意中の女を持っていっちまうよな」
「けどよ、ティールぐらい強かったら、異性が向こうから寄って来るもんじゃねぇか?」
男の言葉に、ティールや首を横に振って答えた。
「そんなことありませんよ。それに、こんなまだガキの俺に寄って来る人なんて……寄生するか、金目的かのどちらかじゃないですか」
「ティール……お前、まだ子供なんだしもう少し夢見ても良いと思うぜ。残念ながら、その可能性は否定出来ないけどよ」
無駄に知性がある分、既にそういった考えに至ってしまう。
ジュークたちも、そういった被害にあった冒険者を知っているので「そんなこと起こらねぇよ」とは言えない。
「ですよね……ジュークさん、まだまだ若輩の考えではありますけど、本当にマリアさんとお付き合いしたいなら、乗り越えないといけない壁が最低でも二つはあるかと」
ティールなりに少し考え、最低でもその二つを越えなければ……友人以上の関係になるのは無理だと断言出来る。
相変わらず色々と褒められるが……さすがにもう慣れてきた。
今まで歳上の者に褒められると、少々照れるところがあったが、もう何度も同じ状況を体験している。
嬉しいことには嬉しいが、どうたいった反応が正しいのか……そういう応えも理解した。
そして四人の酒が進んできたところで、ジュークという男が一つ、ティールにやや真剣な表情で質問した。
「ティールよう……お前はさ、マリアさんのこと狙ってるのか?」
「えっと、パーティーメンバー的な意味じゃなくて、異性としてってことですよね」
そういった話題に対し、決して鈍くはないので、やや酔っているジュークの言葉を直ぐに理解した。
「おう、そういう意味だ」
「全く狙ってませんよ。というか、俺はまだ二十二もなってない若造ですよ。色んな部分でマリアさんに釣り合ってませんよ」
確かに見た目、雰囲気や年齢など、色々とつり合ってない部分はある。
だが、今日少しだけだがティールの戦いっぷりをチラッとだけ見た四人は、強さという言ってんの身なら十分に槌り合っていると断言出来る。
「そうか、そりゃ良かったぜ。ティールみたいな強い奴がライバルだと、色々と厳しいからな」
「……ジュークさんは、本気でマリアさんに惚れてるんですね」
「そうなんだよこいつ。俺たちはライバルが多いから止めとけって言ってるんだけどよ」
ジュークの仲間の言葉通り、マリアを狙う男性冒険者は非常に多い。
元々は旅の冒険者だったが、マリアの心を射止める為にバラックに滞在している冒険者も多い。
そんな話をチラッと耳にした時、ティールは改めて無自覚な魔性の女性だと思った。
「バカ野郎。確かにティールみたいな驚きが強過ぎるライバルがいたら厳しいと思っちまうけど、だからって簡単に諦められる訳ないだろ!!」
「分かった分かった。分かったから、もうエールはその辺にしとけ。これ以上呑み過ぎると記憶を失うか、何かやらかして後々後悔することになるぞ」
「うぐっ……分かったよ」
過去に呑み過ぎてやらかした経験があり、仲間の助言通り、そこで再度エールを頼むのは止めた。
「ティールはまだ恋愛なんて分からない……いや、別にそんなこともねぇか。普通は冒険者になる前に、恋愛の一つや二つしてるか。どうなんだ、ティール?」
「……俺も男なんで、ありますよ。随分昔の話ですけど」
そう言うと、ティールは少し落ち込んだ雰囲気で当時のことを話し始めた。
十年前の記憶など、普通はもう覚えていないものだが……何故かあの時のことだけは明確に、記憶に残っている。
「あぁ~~、なるほどな。そりゃ子供ながらにきつい経験したな」
「俺、似た様な経験したことあるから解るぜ。やっぱり、世の中顔が良い奴が意中の女を持っていっちまうよな」
「けどよ、ティールぐらい強かったら、異性が向こうから寄って来るもんじゃねぇか?」
男の言葉に、ティールや首を横に振って答えた。
「そんなことありませんよ。それに、こんなまだガキの俺に寄って来る人なんて……寄生するか、金目的かのどちらかじゃないですか」
「ティール……お前、まだ子供なんだしもう少し夢見ても良いと思うぜ。残念ながら、その可能性は否定出来ないけどよ」
無駄に知性がある分、既にそういった考えに至ってしまう。
ジュークたちも、そういった被害にあった冒険者を知っているので「そんなこと起こらねぇよ」とは言えない。
「ですよね……ジュークさん、まだまだ若輩の考えではありますけど、本当にマリアさんとお付き合いしたいなら、乗り越えないといけない壁が最低でも二つはあるかと」
ティールなりに少し考え、最低でもその二つを越えなければ……友人以上の関係になるのは無理だと断言出来る。
56
あなたにおすすめの小説
ダンジョンを拾ったので、スキル〈ホームセンター〉で好き勝手リフォームします
ランド犬
ファンタジー
異世界に転移した佐々木悠人は、召喚でも勇者でもなかった。ただ迷い込んだ先で見つけたのは、王都を望む郊外にひっそりと口を開けるダンジョン。足を踏み入れた瞬間、発動したスキルは
――〈ホームセンター〉
壁を張り替え、部屋を増やし、畑や牧場、カフェまで作れる不可思議な力だった。
気ままに始めたリフォームは、もふもふなネコミミ獣人の少女との出会いをきっかけに、思わぬ変化を呼び始める。
拡張され続けるダンジョンの先で、悠人が作り上げる“住める迷宮”とは――?
悪役令嬢の身代わりで追放された侍女、北の地で才能を開花させ「氷の公爵」を溶かす
黒崎隼人
ファンタジー
「お前の罪は、万死に値する!」
公爵令嬢アリアンヌの罪をすべて被せられ、侍女リリアは婚約破棄の茶番劇のスケープゴートにされた。
忠誠を尽くした主人に裏切られ、誰にも信じてもらえず王都を追放される彼女に手を差し伸べたのは、彼女を最も蔑んでいたはずの「氷の公爵」クロードだった。
「君が犯人でないことは、最初から分かっていた」
冷徹な仮面の裏に隠された真実と、予想外の庇護。
彼の領地で、リリアは内に秘めた驚くべき才能を開花させていく。
一方、有能な「影」を失った王太子と悪役令嬢は、自滅の道を転がり落ちていく。
これは、地味な侍女が全てを覆し、世界一の愛を手に入れる、痛快な逆転シンデレラストーリー。
英雄将軍の隠し子は、軍学校で『普通』に暮らしたい。~でも前世の戦術知識がチートすぎて、気付けば帝国の影の支配者になっていました~
ヒミヤデリュージョン
ファンタジー
帝国の辺境で、ただ静かに生き延びたいと願う少年、ヴァン。
彼に正義感はない。あるのは、前世の記憶と、母が遺した『物理法則を応用した高圧魔力』という危険な理論だけだ。
敵の大軍が迫る中、ヴァンは剣も振るわず、補給線と心理を切り裂く。
結果、敵軍は撤退。代償も、喝采も、彼には無意味だった。
だが、その「効率的すぎる勝利」は帝国の目に留まり、彼は最高峰の『帝国軍事学院』へと引きずり出される。
「英雄になりたいわけじゃない。生き残りたいだけだ」
謎の仮面メイド『シンカク』、命を取引に差し出した狼耳の少女『アイリ』。
少年は選択する。正義ではなく、最も費用対効果の高い道を。
これは、合理が英雄譚を侵食していく、学園ミリタリーファンタジー。
【※作者は日本語を勉強中の外国人です。翻訳ソフトと辞書を駆使して執筆しています。至らない点もあるかと思いますが、物語を楽しんでいただければ幸いです。】
[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
異世界召喚されたけどスキルが地味だったので、現代知識とアイテムボックスで絶品料理を作ったら大商会になっちゃいました
黒崎隼人
ファンタジー
手違いで剣も魔法もない異世界に召喚された、しがない日本のサラリーマン、湊カイリ。
彼に与えられたのは、無限に物が入る【アイテムボックス】と、物の名前が分かる【鑑定】という、あまりにも地味な二つのスキルだけだった。
戦闘能力は皆無。途方に暮れるカイリだったが、異世界の食事が絶望的に不味いことを知り、大きなチャンスに気づく。
現代日本の「当たり前」の知識は、この世界ではとんでもない「宝」なのだと!
「醤油?味噌?そんなものがあれば、この世界の食文化はひっくり返るぞ!」
ひょんなことから出会った没落貴族の美少女・リリアナと共に、カイリは現代知識と地味スキルを駆使して屋台から商売をスタート。
絶品料理で人々の胃袋を掴み、さらには便利な生活用品を次々と発明していく。
伝説の神獣の幼体「フェン」やドワーフの鍛冶師など、頼れる仲間たちも加わり、彼らが立ち上げた「サンライズ商会」は瞬く間に大躍進!
迫り来る悪徳商会や腐敗した貴族の妨害も、現代のマーケティング術と知恵で痛快に打ち破る!
これは、平凡なサラリーマンが異世界の常識を覆し、食と生活に革命を起こして一代で大商会を築き上げる、痛快成り上がりファンタジー!
美味しい料理と、もふもふな相棒、そして仲間との絆。
人生、逆転できないことなんて何もない!
1つだけ何でも望んで良いと言われたので、即答で答えました
竹桜
ファンタジー
誰にでもある憧れを抱いていた男は最後にただ見捨てられないというだけで人助けをした。
その結果、男は神らしき存在に何でも1つだけ望んでから異世界に転生することになったのだ。
男は即答で答え、異世界で竜騎兵となる。
自らの憧れを叶える為に。
不死王はスローライフを希望します
小狐丸
ファンタジー
気がついたら、暗い森の中に居た男。
深夜会社から家に帰ったところまでは覚えているが、何故か自分の名前などのパーソナルな部分を覚えていない。
そこで俺は気がつく。
「俺って透けてないか?」
そう、男はゴーストになっていた。
最底辺のゴーストから成り上がる男の物語。
その最終目標は、世界征服でも英雄でもなく、ノンビリと畑を耕し自給自足するスローライフだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
暇になったので、駄文ですが勢いで書いてしまいました。
設定等ユルユルでガバガバですが、暇つぶしと割り切って読んで頂ければと思います。
転生したらスキル転生って・・・!?
ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。
〜あれ?ここは何処?〜
転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる