399 / 864
何はともあれ、良い経験だった
しおりを挟む
(我ながら、無茶をしたもんだ)
激闘の末、ようやっとアドバースコングの討伐に成功。
「はぁ、はぁ……まだ、残ってるんだ。早く、戻らないと」
幸いにも、現在ティールの方には他のモンスターがいない。
回復する余裕はある……が、ティールは忘れる前に、アドバースコングの死体からスキルを奪った。
「単語奪取」
二回発動し、スキルと残っていた魔力を回復。
(……剛拳無双? 初めて聞くスキルだな)
何はともあれ、新たな力を手に入れた事に変わりはない。
ポーションもササっと飲み、体力以外は全快状態に戻り、最後の戦闘に向かう。
勿論、アドバースコングの死体は亜空間に放り込んである。
「おらっ!!!!」
先程まで疾風瞬閃と豹雷の二刀流で戦っていたティールだが、アドバースコングの戦い方に影響されたのか、己の五体のみでモンスターの討伐を行う。
いきなり手に入れた剛拳無双は使用しないが、使わなくてもティールの打撃や身体能力は一級品。
アドバースコングの様なBランクモンスターが相手であれば別だが、それ以外のモンスターであれば、その打撃だけで十分致命傷になり得る。
「……勝ったん、だよな?」
「そうだな……お前ら!!!! この勝負、俺たちの勝ちだ!!!!!!!」
今回の討伐戦でリーダーを務めていた男は、安堵して地面に腰を下ろす前に、同じく命懸けでモンスターパーティーに挑んだ同僚たちに自分たちの勝利を告げた。
「「「「「「「「うぉおおおおしゃあああああああああああ!!!!!」」」」」」」」
勝利の雄叫びが、十三階層中に響き渡った。
普通に考えれば、大声を出すとモンスターが寄って来る。
しかし、現在一か所に集まっている冒険者たちの数を考えれば……どんな馬鹿でも、自分が速攻で殺されることぐらい、本能的に解かる。
「マスター、お疲れ様」
「おぅ、ラストもお疲れ様」
「……俺は、そんなに疲れてない」
「なんの強がりだよ。そんな汗だくな状態で、疲れてないってのはちょっと無理があるぜ」
「むっ……そうだな。思っていたよりも疲れた」
普段は依頼が終わった後も比較的余力を残している二人だが、今は地面に腰を下ろし、力なく地面に転がっていた。
「あのモンスター……どうでしたか」
「アドバースコングなぁ。無茶苦茶恐ろしかった」
ティールは、強敵を相手に嘗めた対応は取らない。
これまでの強敵を何度も倒してきているが、未だに上から見下ろすようなことはしない。
「なんて言うか、攻撃を食らった時に……本当に自分が壊れる、死ぬイメージが浮かんだんだよ」
「っ……そうか」
斬撃ではなく、打撃で攻めれば良いのでは? と考える者もいるだろう。
ただ、そうなれば次に放たれる一撃が、純粋に強力になるだけ。
鈍く重い攻撃であれば、圧し潰す強さが増す。
ティールの様な体の中に押し通す形に近い打撃であれば、それはそれで貫通力も増してしまう。
どんな攻撃を放つにしても、初っ端で倒さない限り、厄介な攻撃が迫り続ける。
そして当然だが、いきなり心臓や首を狙おうとしても、さすがに自身の急所ぐらいは把握している為、当然警戒心は高い。
「まっ、いざこうして終わってみれば、良い経験が出来た思わなくもない……一応な」
「それは良かったな」
今回の戦闘で、ラストもそれなりに収穫があった。
何にしても、上々な結果であることに変わりはない。
「さて、とりあえず俺たちが倒したモンスターだけでも回収するか。ラスト、自分が斬り倒したモンスターは覚えてるか?」
「……あぁ、何となくは覚えている」
二人はまだ下ろしていたい腰を上げ、自分たちが討伐したモンスターの死体を亜空間に放り込んでいく。
普段なら「どれだけ容量があるんだよ!!!!」って突っ込みたくなる場面だが、今は全員疲れ切っているので、誰もツッコむ者がいなかった。
激闘の末、ようやっとアドバースコングの討伐に成功。
「はぁ、はぁ……まだ、残ってるんだ。早く、戻らないと」
幸いにも、現在ティールの方には他のモンスターがいない。
回復する余裕はある……が、ティールは忘れる前に、アドバースコングの死体からスキルを奪った。
「単語奪取」
二回発動し、スキルと残っていた魔力を回復。
(……剛拳無双? 初めて聞くスキルだな)
何はともあれ、新たな力を手に入れた事に変わりはない。
ポーションもササっと飲み、体力以外は全快状態に戻り、最後の戦闘に向かう。
勿論、アドバースコングの死体は亜空間に放り込んである。
「おらっ!!!!」
先程まで疾風瞬閃と豹雷の二刀流で戦っていたティールだが、アドバースコングの戦い方に影響されたのか、己の五体のみでモンスターの討伐を行う。
いきなり手に入れた剛拳無双は使用しないが、使わなくてもティールの打撃や身体能力は一級品。
アドバースコングの様なBランクモンスターが相手であれば別だが、それ以外のモンスターであれば、その打撃だけで十分致命傷になり得る。
「……勝ったん、だよな?」
「そうだな……お前ら!!!! この勝負、俺たちの勝ちだ!!!!!!!」
今回の討伐戦でリーダーを務めていた男は、安堵して地面に腰を下ろす前に、同じく命懸けでモンスターパーティーに挑んだ同僚たちに自分たちの勝利を告げた。
「「「「「「「「うぉおおおおしゃあああああああああああ!!!!!」」」」」」」」
勝利の雄叫びが、十三階層中に響き渡った。
普通に考えれば、大声を出すとモンスターが寄って来る。
しかし、現在一か所に集まっている冒険者たちの数を考えれば……どんな馬鹿でも、自分が速攻で殺されることぐらい、本能的に解かる。
「マスター、お疲れ様」
「おぅ、ラストもお疲れ様」
「……俺は、そんなに疲れてない」
「なんの強がりだよ。そんな汗だくな状態で、疲れてないってのはちょっと無理があるぜ」
「むっ……そうだな。思っていたよりも疲れた」
普段は依頼が終わった後も比較的余力を残している二人だが、今は地面に腰を下ろし、力なく地面に転がっていた。
「あのモンスター……どうでしたか」
「アドバースコングなぁ。無茶苦茶恐ろしかった」
ティールは、強敵を相手に嘗めた対応は取らない。
これまでの強敵を何度も倒してきているが、未だに上から見下ろすようなことはしない。
「なんて言うか、攻撃を食らった時に……本当に自分が壊れる、死ぬイメージが浮かんだんだよ」
「っ……そうか」
斬撃ではなく、打撃で攻めれば良いのでは? と考える者もいるだろう。
ただ、そうなれば次に放たれる一撃が、純粋に強力になるだけ。
鈍く重い攻撃であれば、圧し潰す強さが増す。
ティールの様な体の中に押し通す形に近い打撃であれば、それはそれで貫通力も増してしまう。
どんな攻撃を放つにしても、初っ端で倒さない限り、厄介な攻撃が迫り続ける。
そして当然だが、いきなり心臓や首を狙おうとしても、さすがに自身の急所ぐらいは把握している為、当然警戒心は高い。
「まっ、いざこうして終わってみれば、良い経験が出来た思わなくもない……一応な」
「それは良かったな」
今回の戦闘で、ラストもそれなりに収穫があった。
何にしても、上々な結果であることに変わりはない。
「さて、とりあえず俺たちが倒したモンスターだけでも回収するか。ラスト、自分が斬り倒したモンスターは覚えてるか?」
「……あぁ、何となくは覚えている」
二人はまだ下ろしていたい腰を上げ、自分たちが討伐したモンスターの死体を亜空間に放り込んでいく。
普段なら「どれだけ容量があるんだよ!!!!」って突っ込みたくなる場面だが、今は全員疲れ切っているので、誰もツッコむ者がいなかった。
56
あなたにおすすめの小説
ダンジョンを拾ったので、スキル〈ホームセンター〉で好き勝手リフォームします
ランド犬
ファンタジー
異世界に転移した佐々木悠人は、召喚でも勇者でもなかった。ただ迷い込んだ先で見つけたのは、王都を望む郊外にひっそりと口を開けるダンジョン。足を踏み入れた瞬間、発動したスキルは
――〈ホームセンター〉
壁を張り替え、部屋を増やし、畑や牧場、カフェまで作れる不可思議な力だった。
気ままに始めたリフォームは、もふもふなネコミミ獣人の少女との出会いをきっかけに、思わぬ変化を呼び始める。
拡張され続けるダンジョンの先で、悠人が作り上げる“住める迷宮”とは――?
英雄将軍の隠し子は、軍学校で『普通』に暮らしたい。~でも前世の戦術知識がチートすぎて、気付けば帝国の影の支配者になっていました~
ヒミヤデリュージョン
ファンタジー
帝国の辺境で、ただ静かに生き延びたいと願う少年、ヴァン。
彼に正義感はない。あるのは、前世の記憶と、母が遺した『物理法則を応用した高圧魔力』という危険な理論だけだ。
敵の大軍が迫る中、ヴァンは剣も振るわず、補給線と心理を切り裂く。
結果、敵軍は撤退。代償も、喝采も、彼には無意味だった。
だが、その「効率的すぎる勝利」は帝国の目に留まり、彼は最高峰の『帝国軍事学院』へと引きずり出される。
「英雄になりたいわけじゃない。生き残りたいだけだ」
謎の仮面メイド『シンカク』、命を取引に差し出した狼耳の少女『アイリ』。
少年は選択する。正義ではなく、最も費用対効果の高い道を。
これは、合理が英雄譚を侵食していく、学園ミリタリーファンタジー。
【※作者は日本語を勉強中の外国人です。翻訳ソフトと辞書を駆使して執筆しています。至らない点もあるかと思いますが、物語を楽しんでいただければ幸いです。】
悪役令嬢の身代わりで追放された侍女、北の地で才能を開花させ「氷の公爵」を溶かす
黒崎隼人
ファンタジー
「お前の罪は、万死に値する!」
公爵令嬢アリアンヌの罪をすべて被せられ、侍女リリアは婚約破棄の茶番劇のスケープゴートにされた。
忠誠を尽くした主人に裏切られ、誰にも信じてもらえず王都を追放される彼女に手を差し伸べたのは、彼女を最も蔑んでいたはずの「氷の公爵」クロードだった。
「君が犯人でないことは、最初から分かっていた」
冷徹な仮面の裏に隠された真実と、予想外の庇護。
彼の領地で、リリアは内に秘めた驚くべき才能を開花させていく。
一方、有能な「影」を失った王太子と悪役令嬢は、自滅の道を転がり落ちていく。
これは、地味な侍女が全てを覆し、世界一の愛を手に入れる、痛快な逆転シンデレラストーリー。
[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
1つだけ何でも望んで良いと言われたので、即答で答えました
竹桜
ファンタジー
誰にでもある憧れを抱いていた男は最後にただ見捨てられないというだけで人助けをした。
その結果、男は神らしき存在に何でも1つだけ望んでから異世界に転生することになったのだ。
男は即答で答え、異世界で竜騎兵となる。
自らの憧れを叶える為に。
異世界召喚されたけどスキルが地味だったので、現代知識とアイテムボックスで絶品料理を作ったら大商会になっちゃいました
黒崎隼人
ファンタジー
手違いで剣も魔法もない異世界に召喚された、しがない日本のサラリーマン、湊カイリ。
彼に与えられたのは、無限に物が入る【アイテムボックス】と、物の名前が分かる【鑑定】という、あまりにも地味な二つのスキルだけだった。
戦闘能力は皆無。途方に暮れるカイリだったが、異世界の食事が絶望的に不味いことを知り、大きなチャンスに気づく。
現代日本の「当たり前」の知識は、この世界ではとんでもない「宝」なのだと!
「醤油?味噌?そんなものがあれば、この世界の食文化はひっくり返るぞ!」
ひょんなことから出会った没落貴族の美少女・リリアナと共に、カイリは現代知識と地味スキルを駆使して屋台から商売をスタート。
絶品料理で人々の胃袋を掴み、さらには便利な生活用品を次々と発明していく。
伝説の神獣の幼体「フェン」やドワーフの鍛冶師など、頼れる仲間たちも加わり、彼らが立ち上げた「サンライズ商会」は瞬く間に大躍進!
迫り来る悪徳商会や腐敗した貴族の妨害も、現代のマーケティング術と知恵で痛快に打ち破る!
これは、平凡なサラリーマンが異世界の常識を覆し、食と生活に革命を起こして一代で大商会を築き上げる、痛快成り上がりファンタジー!
美味しい料理と、もふもふな相棒、そして仲間との絆。
人生、逆転できないことなんて何もない!
莫大な遺産を相続したら異世界でスローライフを楽しむ
翔千
ファンタジー
小鳥遊 紅音は働く28歳OL
十八歳の時に両親を事故で亡くし、引き取り手がなく天涯孤独に。
高校卒業後就職し、仕事に明け暮れる日々。
そんなある日、1人の弁護士が紅音の元を訪ねて来た。
要件は、紅音の母方の曾祖叔父が亡くなったと言うものだった。
曾祖叔父は若い頃に単身外国で会社を立ち上げ生涯独身を貫いき、血縁者が紅音だけだと知り、曾祖叔父の遺産を一部を紅音に譲ると遺言を遺した。
その額なんと、50億円。
あまりの巨額に驚くがなんとか手続きを終える事が出来たが、巨額な遺産の事を何処からか聞きつけ、金の無心に来る輩が次々に紅音の元を訪れ、疲弊した紅音は、誰も知らない土地で一人暮らしをすると決意。
だが、引っ越しを決めた直後、突然、異世界に召喚されてしまった。
だが、持っていた遺産はそのまま異世界でも使えたので、遺産を使って、スローライフを楽しむことにしました。
不死王はスローライフを希望します
小狐丸
ファンタジー
気がついたら、暗い森の中に居た男。
深夜会社から家に帰ったところまでは覚えているが、何故か自分の名前などのパーソナルな部分を覚えていない。
そこで俺は気がつく。
「俺って透けてないか?」
そう、男はゴーストになっていた。
最底辺のゴーストから成り上がる男の物語。
その最終目標は、世界征服でも英雄でもなく、ノンビリと畑を耕し自給自足するスローライフだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
暇になったので、駄文ですが勢いで書いてしまいました。
設定等ユルユルでガバガバですが、暇つぶしと割り切って読んで頂ければと思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる