あっさりと初恋が破れた俺、神からのギフトで倒して殺して奪う

Gai

文字の大きさ
485 / 864

あっさりイチコロ?

しおりを挟む
高速移動しながら同時に魔法を発動する。
しかも詠唱なしに行うこの高等技術……これまで倒した相手の才能を奪ってきたティールだが、この技術に関しては紛れもなくティール本人が持っていた才能であった。

そのため、ヴァルターへの説明はあまり論理的ではなく、抽象的になってしまう。

どちらかと言えば論理派であるヴァルターは当然、直ぐに理解出来ず……その日はあまり進展せずに終わってしまった。

(頭の中が変にスッキリする感覚……つまり、武器と魔法……その二つを完全に分けて使えてるからこそ、頭が変にスッキリしてると感じるのかな?)

夕食を食べ終えた風呂で疲れを癒した後も、ティールから教えてもらった感覚を自分なりに解釈していた。

「っと、危ない危ない」

ヴァルターの視界の先には……先日から四男、オリアスの指導者となった女性冒険者、シャーリーがいた。

(……改めて見ると、本当に綺麗な人ですね)

数秒だけその姿を再確認し、直ぐにその場から離れる。
本人は全くそのつもりはない。そのつもりがなくとも……折角ティールが考え、ギャルバが現実にしようとした計画が崩れてしまう。

現在ヴァルターは十歳で、オリアスは八歳。
元々の性格の差というのもあるが、二人を比べてしまうと……非常にヴァルターが大人っぽく見えてしまう。

(あんなに綺麗な人がすぐ隣に居続けたら、オリアスはイチコロなんじゃないかな)

どんな女性がタイプなのか、なんて会話はしたことがない。
それでも……ヴァルターから見て、あれは掘れてしまっても仕方ない……と思わせる程の魅力を持つ女性。

現に、オリアスはいきなり想いを暴走させたりはしてないが、確実にシャーリーという女性を意識し始めていた。


翌日、先日と同じくヴァルターはティールから抽象的な指導を受けていた。

(ん~~~~……とりあえず、これ以上俺が教えることはないよな。まだ高速で動きながら魔法を発動することは出来ないけど、それでもなんか……あれだ、一歩も進んでないって感じに思えない。俺の指導力が高いからってわけじゃないんだろうけど)

かなり感覚で教えている自覚はある。

現在は剣を振るいながら詠唱なしで魔法を発動出来る様にする……それを模擬戦の中で何度も実行しようとしていた。

本当はそもそも詠唱をせずに魔法を発動することから始めるべきなのだが、ティールが長い間滞在できないため、強行突破を試みる。

「少し休憩にしましょうか」

「は、はい。分かり、ました」

慣れないことをさせているため、これまで行ってきた模擬戦と比べれば、攻撃の苛烈さは非常に抑えられている。

しかし……短期間の間に高等技術を習得するのであれば、荒治療する他ない。
そのため、当然の様に打撲などの怪我が増える。

「……ヴァルターさん。まだ高速移動しながら詠唱なしに魔法を発動する件に関しては一旦置いておき、別の事を学びませんか?」

「っ……やはり、僕には習得出来ないのでしょうか」

「そういう訳ではありません。寧ろヴァルターさんは俺の抽象的な説明を自分なり解釈しようと、確実に一歩ずつ前に進んでいます。ただ、その技術に関して……もう俺が細かく教えられることはないんですよ」

「マスターにも限界があるという事だ。その技術を習得する訓練であれば、俺やマスターがいない時でも出来るだろう」

「それは……そうかも、しれませんね」

眼を見れば解る。
ラストの言葉を聞き、しっかりと二人の考えを受け入れることが出来ていると。

(っ……ちょっと寒気がするな。この子は、俺みたいに先天性のスキルとして、知性のスキルを持ってる訳じゃないんだろ? そりゃ同年代の奴らが子供の頃、どういった考えを持っていたかなんて細かいデータはないけど……でも、ヴァルター様の向上心……前に進もうという強い意志には感服させられるな)

改めてヴァルターという少年の底力を知り、その強い意志に敬意を持った。
しおりを挟む
感想 125

あなたにおすすめの小説

ダンジョンを拾ったので、スキル〈ホームセンター〉で好き勝手リフォームします

ランド犬
ファンタジー
 異世界に転移した佐々木悠人は、召喚でも勇者でもなかった。ただ迷い込んだ先で見つけたのは、王都を望む郊外にひっそりと口を開けるダンジョン。足を踏み入れた瞬間、発動したスキルは ――〈ホームセンター〉 壁を張り替え、部屋を増やし、畑や牧場、カフェまで作れる不可思議な力だった。 気ままに始めたリフォームは、もふもふなネコミミ獣人の少女との出会いをきっかけに、思わぬ変化を呼び始める。 拡張され続けるダンジョンの先で、悠人が作り上げる“住める迷宮”とは――?

英雄将軍の隠し子は、軍学校で『普通』に暮らしたい。~でも前世の戦術知識がチートすぎて、気付けば帝国の影の支配者になっていました~

ヒミヤデリュージョン
ファンタジー
帝国の辺境で、ただ静かに生き延びたいと願う少年、ヴァン。 彼に正義感はない。あるのは、前世の記憶と、母が遺した『物理法則を応用した高圧魔力』という危険な理論だけだ。 敵の大軍が迫る中、ヴァンは剣も振るわず、補給線と心理を切り裂く。 結果、敵軍は撤退。代償も、喝采も、彼には無意味だった。 だが、その「効率的すぎる勝利」は帝国の目に留まり、彼は最高峰の『帝国軍事学院』へと引きずり出される。 「英雄になりたいわけじゃない。生き残りたいだけだ」 謎の仮面メイド『シンカク』、命を取引に差し出した狼耳の少女『アイリ』。 少年は選択する。正義ではなく、最も費用対効果の高い道を。 これは、合理が英雄譚を侵食していく、学園ミリタリーファンタジー。 【※作者は日本語を勉強中の外国人です。翻訳ソフトと辞書を駆使して執筆しています。至らない点もあるかと思いますが、物語を楽しんでいただければ幸いです。】

悪役令嬢の身代わりで追放された侍女、北の地で才能を開花させ「氷の公爵」を溶かす

黒崎隼人
ファンタジー
「お前の罪は、万死に値する!」 公爵令嬢アリアンヌの罪をすべて被せられ、侍女リリアは婚約破棄の茶番劇のスケープゴートにされた。 忠誠を尽くした主人に裏切られ、誰にも信じてもらえず王都を追放される彼女に手を差し伸べたのは、彼女を最も蔑んでいたはずの「氷の公爵」クロードだった。 「君が犯人でないことは、最初から分かっていた」 冷徹な仮面の裏に隠された真実と、予想外の庇護。 彼の領地で、リリアは内に秘めた驚くべき才能を開花させていく。 一方、有能な「影」を失った王太子と悪役令嬢は、自滅の道を転がり落ちていく。 これは、地味な侍女が全てを覆し、世界一の愛を手に入れる、痛快な逆転シンデレラストーリー。

[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?

シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。 クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。 貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ? 魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。 ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。 私の生活を邪魔をするなら潰すわよ? 1月5日 誤字脱字修正 54話 ★━戦闘シーンや猟奇的発言あり 流血シーンあり。 魔法・魔物あり。 ざぁま薄め。 恋愛要素あり。

1つだけ何でも望んで良いと言われたので、即答で答えました

竹桜
ファンタジー
 誰にでもある憧れを抱いていた男は最後にただ見捨てられないというだけで人助けをした。  その結果、男は神らしき存在に何でも1つだけ望んでから異世界に転生することになったのだ。  男は即答で答え、異世界で竜騎兵となる。   自らの憧れを叶える為に。

異世界召喚されたけどスキルが地味だったので、現代知識とアイテムボックスで絶品料理を作ったら大商会になっちゃいました

黒崎隼人
ファンタジー
手違いで剣も魔法もない異世界に召喚された、しがない日本のサラリーマン、湊カイリ。 彼に与えられたのは、無限に物が入る【アイテムボックス】と、物の名前が分かる【鑑定】という、あまりにも地味な二つのスキルだけだった。 戦闘能力は皆無。途方に暮れるカイリだったが、異世界の食事が絶望的に不味いことを知り、大きなチャンスに気づく。 現代日本の「当たり前」の知識は、この世界ではとんでもない「宝」なのだと! 「醤油?味噌?そんなものがあれば、この世界の食文化はひっくり返るぞ!」 ひょんなことから出会った没落貴族の美少女・リリアナと共に、カイリは現代知識と地味スキルを駆使して屋台から商売をスタート。 絶品料理で人々の胃袋を掴み、さらには便利な生活用品を次々と発明していく。 伝説の神獣の幼体「フェン」やドワーフの鍛冶師など、頼れる仲間たちも加わり、彼らが立ち上げた「サンライズ商会」は瞬く間に大躍進! 迫り来る悪徳商会や腐敗した貴族の妨害も、現代のマーケティング術と知恵で痛快に打ち破る! これは、平凡なサラリーマンが異世界の常識を覆し、食と生活に革命を起こして一代で大商会を築き上げる、痛快成り上がりファンタジー! 美味しい料理と、もふもふな相棒、そして仲間との絆。 人生、逆転できないことなんて何もない!

莫大な遺産を相続したら異世界でスローライフを楽しむ

翔千
ファンタジー
小鳥遊 紅音は働く28歳OL 十八歳の時に両親を事故で亡くし、引き取り手がなく天涯孤独に。 高校卒業後就職し、仕事に明け暮れる日々。 そんなある日、1人の弁護士が紅音の元を訪ねて来た。 要件は、紅音の母方の曾祖叔父が亡くなったと言うものだった。 曾祖叔父は若い頃に単身外国で会社を立ち上げ生涯独身を貫いき、血縁者が紅音だけだと知り、曾祖叔父の遺産を一部を紅音に譲ると遺言を遺した。 その額なんと、50億円。 あまりの巨額に驚くがなんとか手続きを終える事が出来たが、巨額な遺産の事を何処からか聞きつけ、金の無心に来る輩が次々に紅音の元を訪れ、疲弊した紅音は、誰も知らない土地で一人暮らしをすると決意。 だが、引っ越しを決めた直後、突然、異世界に召喚されてしまった。 だが、持っていた遺産はそのまま異世界でも使えたので、遺産を使って、スローライフを楽しむことにしました。

不死王はスローライフを希望します

小狐丸
ファンタジー
 気がついたら、暗い森の中に居た男。  深夜会社から家に帰ったところまでは覚えているが、何故か自分の名前などのパーソナルな部分を覚えていない。  そこで俺は気がつく。 「俺って透けてないか?」  そう、男はゴーストになっていた。  最底辺のゴーストから成り上がる男の物語。  その最終目標は、世界征服でも英雄でもなく、ノンビリと畑を耕し自給自足するスローライフだった。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  暇になったので、駄文ですが勢いで書いてしまいました。  設定等ユルユルでガバガバですが、暇つぶしと割り切って読んで頂ければと思います。

処理中です...