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逃げてはならない
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(真正面から、来るということか)
至近距離からの四属性を混ぜた特大砲撃。
天猿がどれだけ本気で自分を殺そうとしているのか悟り……逆に、ラストは小さく笑みを零した。
そして渾身の一撃で牙竜を振り下ろし……専用技、スラッシュバスターを放った。
大岩だろうが鋼鉄だろうが、それこそマウンテンベアであろうが天猿だろうがぶった斬る必殺技。
「っ!!」
「ゥアっ!!??」
「「っ!!!!」」
だが、放たれたスラッシュバスターが天猿に届くことはなかった。
天猿は両手に溜めた魔力の四割ほどを地面に放ち、宙へ跳んでいた。
そして完全に竜人族の男を殺せるだけの魔力を空中で溜め、放つとうと計画していた。
まんまと一杯食わされた……そう見えたティールとアキラは、即座に抜剣。
ヴァルもほんの少しでもこれから天猿が放つであろう砲撃の軌道を変えようと動く。
「ガアアアアアアアアアアアアアっ!!!!!!!」
「っ!!!!!????? っ!!!!!!!!!!!!」
しかし、空中で天猿が絶対にラストを殺すためだけに魔力を溜めるコンマ何秒の間……ラストはまさかの事態に驚き混乱するのではなく、即座に宙に向き、狙いを定め……ブレスを放った。
単純なブレスではなく、圧縮された炎のブレスは集めていた天猿の魔力を貫き、そのまま喉を貫いた。
集めていた魔力が貫かれ、コントロールしなければならない主が意識を失った事で、暴発。
天猿は爆発に巻き込まれて吹き飛び……死体はティールたちの元へ飛んできた。
「っと…………はは。あそこまで読んでたのか……やるな、ラスト」
「うむ。私たちはすっかり騙されていたのにな」
ティールとアキラの二人は、本気で抜剣して援護をしようとしていた。
だが、結果として万が一を考慮していたラストはスラッシュバスターを放ったと同時に天猿が姿を消したのを確認し、圧縮したブレスを跳んだ天猿目掛けて放った。
「お疲れ様、ラスト。ヴァルもよく頑張ってくれたな」
二人を労いながら、ティールはラストにポーションを渡し、ヴァルに飲ませた。
「ふぅーーーー……苦しくはあった。ただ……良い経験と呼べる戦いではあった」
「その気持ち、よく解るぞ」
アキラは天猿と戦った際、その手数の多さに圧倒され、途中まで押されていたものの、なんとかメンタルを立て直して討伐することに成功した。
ラストと同じく、良い経験だったとは思える……それは間違いないが、あまりもう一度戦いたいとは思えない。
とはいえ、苦しいと感じる経験だからこそ、何度も乗り越えることが強くなる為の道だと知っているため、ヘタレな発言は出来なかった。
「それじゃあヴァル、また近々一緒に戦おうな」
「ワゥ」
手短に、しかしどこか嬉しさを含む声で返し、ヴァルは元居た場所へと転移した。
「ぃよし! 宝箱ゲット!!」
「…………そういえばマスター」
「ん? なんだ、ラスト」
「以前マウンテンベアと天猿を討伐した際に手に入れた宝箱も、解錠士に頼んで空けてもらっていなかったよな?」
「あ…………そういえば、そうだったな」
宝箱の中を確認するのは、ダンジョン探索を行う冒険者達が何故ダンジョンに潜るのか……その半分以上の理由を占めていると言っても過言ではない。
だが、三人は途中から手に入れた宝箱を解錠するのをすっかり忘れていた。
「地上に戻ったら……次の日に開けに行くか」
今日はとりあえず呑んで食べてぐっすり眠りたい。
それはティールだけではなく、ラストとアキラも同じ意見だった。
地上に戻った後、三人は予定通りにギルドへ直行し、これまでと同じく倉庫で解体と査定をお願いしてもらい、がっぽり稼いだ後……ササっとギルドから退出し、酒場へ夕食を食べに行くのだった。
至近距離からの四属性を混ぜた特大砲撃。
天猿がどれだけ本気で自分を殺そうとしているのか悟り……逆に、ラストは小さく笑みを零した。
そして渾身の一撃で牙竜を振り下ろし……専用技、スラッシュバスターを放った。
大岩だろうが鋼鉄だろうが、それこそマウンテンベアであろうが天猿だろうがぶった斬る必殺技。
「っ!!」
「ゥアっ!!??」
「「っ!!!!」」
だが、放たれたスラッシュバスターが天猿に届くことはなかった。
天猿は両手に溜めた魔力の四割ほどを地面に放ち、宙へ跳んでいた。
そして完全に竜人族の男を殺せるだけの魔力を空中で溜め、放つとうと計画していた。
まんまと一杯食わされた……そう見えたティールとアキラは、即座に抜剣。
ヴァルもほんの少しでもこれから天猿が放つであろう砲撃の軌道を変えようと動く。
「ガアアアアアアアアアアアアアっ!!!!!!!」
「っ!!!!!????? っ!!!!!!!!!!!!」
しかし、空中で天猿が絶対にラストを殺すためだけに魔力を溜めるコンマ何秒の間……ラストはまさかの事態に驚き混乱するのではなく、即座に宙に向き、狙いを定め……ブレスを放った。
単純なブレスではなく、圧縮された炎のブレスは集めていた天猿の魔力を貫き、そのまま喉を貫いた。
集めていた魔力が貫かれ、コントロールしなければならない主が意識を失った事で、暴発。
天猿は爆発に巻き込まれて吹き飛び……死体はティールたちの元へ飛んできた。
「っと…………はは。あそこまで読んでたのか……やるな、ラスト」
「うむ。私たちはすっかり騙されていたのにな」
ティールとアキラの二人は、本気で抜剣して援護をしようとしていた。
だが、結果として万が一を考慮していたラストはスラッシュバスターを放ったと同時に天猿が姿を消したのを確認し、圧縮したブレスを跳んだ天猿目掛けて放った。
「お疲れ様、ラスト。ヴァルもよく頑張ってくれたな」
二人を労いながら、ティールはラストにポーションを渡し、ヴァルに飲ませた。
「ふぅーーーー……苦しくはあった。ただ……良い経験と呼べる戦いではあった」
「その気持ち、よく解るぞ」
アキラは天猿と戦った際、その手数の多さに圧倒され、途中まで押されていたものの、なんとかメンタルを立て直して討伐することに成功した。
ラストと同じく、良い経験だったとは思える……それは間違いないが、あまりもう一度戦いたいとは思えない。
とはいえ、苦しいと感じる経験だからこそ、何度も乗り越えることが強くなる為の道だと知っているため、ヘタレな発言は出来なかった。
「それじゃあヴァル、また近々一緒に戦おうな」
「ワゥ」
手短に、しかしどこか嬉しさを含む声で返し、ヴァルは元居た場所へと転移した。
「ぃよし! 宝箱ゲット!!」
「…………そういえばマスター」
「ん? なんだ、ラスト」
「以前マウンテンベアと天猿を討伐した際に手に入れた宝箱も、解錠士に頼んで空けてもらっていなかったよな?」
「あ…………そういえば、そうだったな」
宝箱の中を確認するのは、ダンジョン探索を行う冒険者達が何故ダンジョンに潜るのか……その半分以上の理由を占めていると言っても過言ではない。
だが、三人は途中から手に入れた宝箱を解錠するのをすっかり忘れていた。
「地上に戻ったら……次の日に開けに行くか」
今日はとりあえず呑んで食べてぐっすり眠りたい。
それはティールだけではなく、ラストとアキラも同じ意見だった。
地上に戻った後、三人は予定通りにギルドへ直行し、これまでと同じく倉庫で解体と査定をお願いしてもらい、がっぽり稼いだ後……ササっとギルドから退出し、酒場へ夕食を食べに行くのだった。
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