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一人に絞れば
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(なる、ほど……これは、冷静に見極めなければ……死ぬ、な)
ティールとアキラは、武器の性能も相まって、マウンテンベアとの相性が良かった。
だが……逆に、ラストは天猿との相性は全くもって宜しくなかった。
マウンテンベアと連携が無理だと判断した瞬間、直ぐにラストとヴァルだけに狙いを絞って多数の攻撃魔法を展開。
魔力量だけではなく、魔力操作技術もAランクモンスター並みということもあり、前方だけ注意していれば、背後から攻撃魔法を食らうこともあり得る。
だからこそ、ラストは上下左右斜め……三百六十度、全方位を警戒しながら大剣を振るう。
「ルルゥアアアアアッ!!!!」
「っ、ホキャッ!!」
ヴァルが果敢に高速で攻めていることもあり、そちらに多少の意識が割かれている事で、なんとか対処しきれている。
(確か、魔力量はAランクモンスター並み、だったか………………どうやら、下手に焦る、必要は……なさそうだな)
ラストは本当にチラッとだけヴァルの表情を確認した。
地を駆け、天猿に迫るラストの表情は……満面の笑み。
ただ笑っているのではなく、中々て気にダメージを与えられず、相手の攻撃は攻撃で恐ろしい……そんなハッキリと勝利のビジョンが見えない激闘に、ヴァルは心の底から笑みを浮かべていた。
(ヴァルが、楽しんでいるので、あれば……俺は、俺で、頑張ろう、か)
盟友と同じく、ラストも不敵に笑みを浮かべながら、大剣を振るい続ける。
「………………今のところ、私たちの手助けは必要ない……と思って良さそうだな」
「えぇ、そうですね……二人共、楽しそうに戦ってますからね」
マウンテンベアとの戦いを終えた二人は、最初こそ二人を手助けしようかいなか悩むも、ラストとヴァルが笑みを浮かべながら戦っているのを見て、考えを改めた。
二人は……おおよそ不利だと、相性が悪い相手との戦いを楽しんでいた。
「……して、あの天猿は私たちにも攻撃を仕掛けてくると思うか?」
「ん~~~~、そうでしょうね……出来なくはないと思いますけど、多分……無理ではないと思います」
天猿と攻撃魔法合戦を行ったティールだからこそ、一体のモンスターが四人相手に魔法で対応し続けれると断言出来る。
「でも、俺たちにまで手を回そうとすれば、さすがにヴァルの爪か牙が届くと思います」
「現状の弾幕を維持するのであればともかく、少しでもラストとヴァルへの攻撃が緩めば、そうなるか……さて、天猿はどういった選択を取るのだろうな」
逃げ場はない……と言えば、そういった状況とも言える。
だが……天猿がその気になれば、また話は別。
三人と一体を全て殺すことは出来なくとも……誰か一人だけを殺すことは、出来る。
「ホキャアアアアアアアアアアッ!!!!!」
覚悟が決まった天猿は、ラストに意識を八割、ヴァルに二割り割いてラストを仕留めに掛かった。
(っ!!! なるほど。そう、来たかッ!!!!!)
ザ・遠距離戦が得意な相手ということもあり、何だかんだで戦闘を楽しんではいたが、それでも基本的に戦っていて楽しい相手ではなかった。
だが……現在天猿が放つ殺気、圧には……思わず武者震いしてしまうものがあった。
「ガアアアァァアアアアアアアアアア゛ア゛ア゛ッ!!!!!!!」
その覚悟に答えようと、ラストは全身に竜化を使用。
まさに竜にならんとするその身で愛剣……牙竜を握り、弾幕の嵐の中を進む。
「ルルルゥアアアアォォオオオオオオオンッ!!!!!!!!!」
戦況から、完全に理解した。
この戦いを終わらせるのは自分ではなく、盟友であるラストだと。
だからこそ……ヴァルは全身全霊でラストに迫る炎槍を、風矢を……水槌を、岩刃を地面の爪で弾いて弾いて弾き飛ばし、ラストが少しでも万全の状態で天猿に接近出来るように動き回る。
そんなヴァルの動きに……天猿は一切気に留めず、ただ竜人族の強者を仕留める為に、右手に風と水の、左手に火と土の魔力を集中し始めた。
ティールとアキラは、武器の性能も相まって、マウンテンベアとの相性が良かった。
だが……逆に、ラストは天猿との相性は全くもって宜しくなかった。
マウンテンベアと連携が無理だと判断した瞬間、直ぐにラストとヴァルだけに狙いを絞って多数の攻撃魔法を展開。
魔力量だけではなく、魔力操作技術もAランクモンスター並みということもあり、前方だけ注意していれば、背後から攻撃魔法を食らうこともあり得る。
だからこそ、ラストは上下左右斜め……三百六十度、全方位を警戒しながら大剣を振るう。
「ルルゥアアアアアッ!!!!」
「っ、ホキャッ!!」
ヴァルが果敢に高速で攻めていることもあり、そちらに多少の意識が割かれている事で、なんとか対処しきれている。
(確か、魔力量はAランクモンスター並み、だったか………………どうやら、下手に焦る、必要は……なさそうだな)
ラストは本当にチラッとだけヴァルの表情を確認した。
地を駆け、天猿に迫るラストの表情は……満面の笑み。
ただ笑っているのではなく、中々て気にダメージを与えられず、相手の攻撃は攻撃で恐ろしい……そんなハッキリと勝利のビジョンが見えない激闘に、ヴァルは心の底から笑みを浮かべていた。
(ヴァルが、楽しんでいるので、あれば……俺は、俺で、頑張ろう、か)
盟友と同じく、ラストも不敵に笑みを浮かべながら、大剣を振るい続ける。
「………………今のところ、私たちの手助けは必要ない……と思って良さそうだな」
「えぇ、そうですね……二人共、楽しそうに戦ってますからね」
マウンテンベアとの戦いを終えた二人は、最初こそ二人を手助けしようかいなか悩むも、ラストとヴァルが笑みを浮かべながら戦っているのを見て、考えを改めた。
二人は……おおよそ不利だと、相性が悪い相手との戦いを楽しんでいた。
「……して、あの天猿は私たちにも攻撃を仕掛けてくると思うか?」
「ん~~~~、そうでしょうね……出来なくはないと思いますけど、多分……無理ではないと思います」
天猿と攻撃魔法合戦を行ったティールだからこそ、一体のモンスターが四人相手に魔法で対応し続けれると断言出来る。
「でも、俺たちにまで手を回そうとすれば、さすがにヴァルの爪か牙が届くと思います」
「現状の弾幕を維持するのであればともかく、少しでもラストとヴァルへの攻撃が緩めば、そうなるか……さて、天猿はどういった選択を取るのだろうな」
逃げ場はない……と言えば、そういった状況とも言える。
だが……天猿がその気になれば、また話は別。
三人と一体を全て殺すことは出来なくとも……誰か一人だけを殺すことは、出来る。
「ホキャアアアアアアアアアアッ!!!!!」
覚悟が決まった天猿は、ラストに意識を八割、ヴァルに二割り割いてラストを仕留めに掛かった。
(っ!!! なるほど。そう、来たかッ!!!!!)
ザ・遠距離戦が得意な相手ということもあり、何だかんだで戦闘を楽しんではいたが、それでも基本的に戦っていて楽しい相手ではなかった。
だが……現在天猿が放つ殺気、圧には……思わず武者震いしてしまうものがあった。
「ガアアアァァアアアアアアアアアア゛ア゛ア゛ッ!!!!!!!」
その覚悟に答えようと、ラストは全身に竜化を使用。
まさに竜にならんとするその身で愛剣……牙竜を握り、弾幕の嵐の中を進む。
「ルルルゥアアアアォォオオオオオオオンッ!!!!!!!!!」
戦況から、完全に理解した。
この戦いを終わらせるのは自分ではなく、盟友であるラストだと。
だからこそ……ヴァルは全身全霊でラストに迫る炎槍を、風矢を……水槌を、岩刃を地面の爪で弾いて弾いて弾き飛ばし、ラストが少しでも万全の状態で天猿に接近出来るように動き回る。
そんなヴァルの動きに……天猿は一切気に留めず、ただ竜人族の強者を仕留める為に、右手に風と水の、左手に火と土の魔力を集中し始めた。
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