あっさりと初恋が破れた俺、神からのギフトで倒して殺して奪う

Gai

文字の大きさ
714 / 842

戦い続ければ……

しおりを挟む
「っ、ふっ! シッ!!!」

「っ!? ゥアアッ!! ッ!!」

疾風瞬閃を振るうティールと、変わらず剛腕と剛爪を振るうマウンテンベア。

ある程度なんでも出来るティールだが……マウンテンベアと天猿、どちらと戦っていて楽しそうかと言えば……マウンテンベアであった。

天猿は魔力量と魔力操作技術はAランクモンスター並みであり、前回アキラと共に挑んで戦っていた際、ティールは頭をフル回転させていた。
複数の攻撃魔法を同時に放つことに慣れているティールだが、その数と操作技術が並ではなく、ティールも必死にならなければどこかしらでミスが起きていた。

それほどまでに、天猿との戦いは必死にならなければならない。

だが……マウンテンベアとの戦いはアキラとマウンテンベアとの相性と同じく、ティールにとって中々有利な相性関係。
冷静に攻撃を見極め、素早く避けて斬撃を叩き込む。
加えて、ティールはいざとなれば時間制限付きではあるが、マウンテンベアと腕力で対抗出来なくもない。

(なんて言うか、こう……久しぶり、に……戦ってて、高揚……してるかも)

相性が良い、それは間違いない。
だが、マウンテンベアの攻撃力をもろに食らえば、ティールとて一発で形勢逆転されてしまう。
その状況が、ティールの闘争心を掻き立てていた。

(まぁ、でも。あんまり俺が楽しみ、過ぎるのは……あれだもんな)

当初の予定とは異なる。
そう判断し、ティールは疾風瞬閃を収め……身体強化に加えて疾風のスキルも同時に発動し、旋風を脚に纏う事でスピードアップ。

マウンテンベアの爪撃を完全に躱し、懐に潜り込み……体術、発勁を両手で発動。

「っ!!!!!?????」

ティール自身のスピードとカウンターという状況が重なり合い、ティールの発勁を受けたマウンテンベアは中々に侮れないダメージを腹部に受けながら宙を舞った。

肉や骨だけではなく、その更に内側にダメージが入ったことで、現在マウンテンベアの感情は痛みに支配されていた。

それでも……ボスモンスターとして搭載された野性の本能はそんな時でも働いた。

(……やはり、最後まで恐ろしかったな)

マウンテンベアはなんとか後ろを振り向き、渾身の爪撃波を連続で放とうとしたが……アキラの炎斬波によって掻き消され、ついでに腕を切断。

「破ッ!!!!!!」

最後の最後まで緊張の糸を切らさず、マウンテンベアの腹部を一閃。

対処するにはあまりにも体勢が不十分であり、何より思考が纏まっていなかった。

「……………………」

「お疲れ様です、アキラさん…………えっと、もしかしてあまり楽しくなかったですか?」

「いや、そんな事はない」

ノータイムでそんなことはないと答えたアキラだが、ティールから見れば明らかに不満そうに見える。

「ただ……戦い易い、相手だと感じた」

「あぁ~~~、そうですね。それは、俺も同じことを思いました」

「……ただ、私の場合はやはり、緋焔あっての相性だと感じさせられた」

元が侍である以上、刀という武器には非情に感謝している。
だが、アキラとしては……やはり、それはそれでこれはこれ。

多少なりとも思うところがある。

「緋焔を持つことで勇気を持てたと感じた。そう思うと、やはり自分はまだまだだと感じる」

「…………では、まだまだだなと思わなくなるまで、色んな敵と戦いましょう。強い武器を使って戦っていたとしても、強敵との戦いは間違いなく強さに変わりますから!!」

アキラが大和に帰ってしまうまでの間、多くの敵と戦い……アキラに自信を持ってほしい。

そんなティールの思いをなんとなく察したのか、アキラは小さく微笑を零す。

「ふふ……あぁ、そうだな。強くなれば、戦い続ければ……いずれこの思いもなくなるだろう」

気持ちを整理し、マウンテンベアの死体を回収し……二人はまだ終わっていない、もう一つの戦いに目を向けた。
しおりを挟む
感想 123

あなたにおすすめの小説

追放された【ガチャ師】の俺、鑑定不能のゴミアイテムばかり出ると思いきや、実は神話級の遺物だった件

夏見ナイ
ファンタジー
ユニークスキル【ガチャ師】を持つレクスは、所属するSランクパーティで「ゴミ出し」と蔑まれていた。彼のスキルが生み出すのは、鑑定不能のガラクタばかり。ついに役立たずの烙印を押され追放された彼は、辺境の地で絶望の淵にいた。 だが、そこで彼は気づいてしまう。誰もがゴミと捨てた鑑定不能のアイテムこそ、かつて世界を創った神々の武具――『神話級の遺物』の封印された姿だったのだ! これは、ゴミ拾いと罵られた男が、世界で唯一の【神話級ガチャ師】として真の力に覚醒し、心優しい仲間と共に自分を追放した者たちを見返し、やがて世界の運命に立ち向かう逆転成り上がりファンタジー。

ダンジョンに捨てられた私 奇跡的に不老不死になれたので村を捨てます

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
私の名前はファム 前世は日本人、とても幸せな最期を迎えてこの世界に転生した 記憶を持っていた私はいいように使われて5歳を迎えた 村の代表だった私を拾ったおじさんはダンジョンが枯渇していることに気が付く ダンジョンには栄養、マナが必要。人もそのマナを持っていた そう、おじさんは私を栄養としてダンジョンに捨てた 私は捨てられたので村をすてる

〈完結〉貴女を母親に持ったことは私の最大の不幸でした。

江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」ミュゼットは初潮が来た時に母から「唯一のこの家の女は自分」という理由で使用人の地位に落とされる。 そこで異母姉(と思っていた)アリサや他の使用人達から仕事を学びつつ、母への復讐を心に秘めることとなる。 二年後にアリサの乳母マルティーヌのもとに逃がされた彼女は、父の正体を知りたいアリサに応える形であちこち飛び回り、情報を渡していく。 やがて本当の父親もわかり、暖かい家庭を手に入れることもできる見込みも立つ。 そんな彼女にとっての母の最期は。 「この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。」のミュゼットのスピンオフ。 番外編にするとまた本編より長くなったりややこしくなりそうなんでもう分けることに。

なんか修羅場が始まってるんだけどwww

一樹
ファンタジー
とある学校の卒業パーティでの1幕。

弁えすぎた令嬢

ねこまんまときみどりのことり
ファンタジー
 元公爵令嬢のコロネ・ワッサンモフは、今は市井の食堂の2階に住む平民暮らしをしている。彼女が父親を亡くしてからの爵位は、叔父(父親の弟)が管理してくれていた。  彼女には亡き父親の決めた婚約者がいたのだが、叔父の娘が彼を好きだと言う。  彼女は思った。 (今の公爵は叔父なのだから、その娘がこの家を継ぐ方が良いのではないか)と。  今後は彼らの世話にならず、一人で生きていくことにしよう。そんな気持ちで家を出たコロネだった。  小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

自力で帰還した錬金術師の爛れた日常

ちょす氏
ファンタジー
「この先は分からないな」 帰れると言っても、時間まで同じかどうかわからない。 さて。 「とりあえず──妹と家族は救わないと」 あと金持ちになって、ニート三昧だな。 こっちは地球と環境が違いすぎるし。 やりたい事が多いな。 「さ、お別れの時間だ」 これは、異世界で全てを手に入れた男の爛れた日常の物語である。 ※物語に出てくる組織、人物など全てフィクションです。 ※主人公の癖が若干終わっているのは師匠のせいです。 ゆっくり投稿です。

私の生前がだいぶ不幸でカミサマにそれを話したら、何故かそれが役に立ったらしい

あとさん♪
ファンタジー
その瞬間を、何故かよく覚えている。 誰かに押されて、誰?と思って振り向いた。私の背を押したのはクラスメイトだった。私の背を押したままの、手を突き出した恰好で嘲笑っていた。 それが私の最後の記憶。 ※わかっている、これはご都合主義! ※設定はゆるんゆるん ※実在しない ※全五話

処理中です...