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戦い続ければ……
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「っ、ふっ! シッ!!!」
「っ!? ゥアアッ!! ッ!!」
疾風瞬閃を振るうティールと、変わらず剛腕と剛爪を振るうマウンテンベア。
ある程度なんでも出来るティールだが……マウンテンベアと天猿、どちらと戦っていて楽しそうかと言えば……マウンテンベアであった。
天猿は魔力量と魔力操作技術はAランクモンスター並みであり、前回アキラと共に挑んで戦っていた際、ティールは頭をフル回転させていた。
複数の攻撃魔法を同時に放つことに慣れているティールだが、その数と操作技術が並ではなく、ティールも必死にならなければどこかしらでミスが起きていた。
それほどまでに、天猿との戦いは必死にならなければならない。
だが……マウンテンベアとの戦いはアキラとマウンテンベアとの相性と同じく、ティールにとって中々有利な相性関係。
冷静に攻撃を見極め、素早く避けて斬撃を叩き込む。
加えて、ティールはいざとなれば時間制限付きではあるが、マウンテンベアと腕力で対抗出来なくもない。
(なんて言うか、こう……久しぶり、に……戦ってて、高揚……してるかも)
相性が良い、それは間違いない。
だが、マウンテンベアの攻撃力をもろに食らえば、ティールとて一発で形勢逆転されてしまう。
その状況が、ティールの闘争心を掻き立てていた。
(まぁ、でも。あんまり俺が楽しみ、過ぎるのは……あれだもんな)
当初の予定とは異なる。
そう判断し、ティールは疾風瞬閃を収め……身体強化に加えて疾風のスキルも同時に発動し、旋風を脚に纏う事でスピードアップ。
マウンテンベアの爪撃を完全に躱し、懐に潜り込み……体術、発勁を両手で発動。
「っ!!!!!?????」
ティール自身のスピードとカウンターという状況が重なり合い、ティールの発勁を受けたマウンテンベアは中々に侮れないダメージを腹部に受けながら宙を舞った。
肉や骨だけではなく、その更に内側にダメージが入ったことで、現在マウンテンベアの感情は痛みに支配されていた。
それでも……ボスモンスターとして搭載された野性の本能はそんな時でも働いた。
(……やはり、最後まで恐ろしかったな)
マウンテンベアはなんとか後ろを振り向き、渾身の爪撃波を連続で放とうとしたが……アキラの炎斬波によって掻き消され、ついでに腕を切断。
「破ッ!!!!!!」
最後の最後まで緊張の糸を切らさず、マウンテンベアの腹部を一閃。
対処するにはあまりにも体勢が不十分であり、何より思考が纏まっていなかった。
「……………………」
「お疲れ様です、アキラさん…………えっと、もしかしてあまり楽しくなかったですか?」
「いや、そんな事はない」
ノータイムでそんなことはないと答えたアキラだが、ティールから見れば明らかに不満そうに見える。
「ただ……戦い易い、相手だと感じた」
「あぁ~~~、そうですね。それは、俺も同じことを思いました」
「……ただ、私の場合はやはり、緋焔あっての相性だと感じさせられた」
元が侍である以上、刀という武器には非情に感謝している。
だが、アキラとしては……やはり、それはそれでこれはこれ。
多少なりとも思うところがある。
「緋焔を持つことで勇気を持てたと感じた。そう思うと、やはり自分はまだまだだと感じる」
「…………では、まだまだだなと思わなくなるまで、色んな敵と戦いましょう。強い武器を使って戦っていたとしても、強敵との戦いは間違いなく強さに変わりますから!!」
アキラが大和に帰ってしまうまでの間、多くの敵と戦い……アキラに自信を持ってほしい。
そんなティールの思いをなんとなく察したのか、アキラは小さく微笑を零す。
「ふふ……あぁ、そうだな。強くなれば、戦い続ければ……いずれこの思いもなくなるだろう」
気持ちを整理し、マウンテンベアの死体を回収し……二人はまだ終わっていない、もう一つの戦いに目を向けた。
「っ!? ゥアアッ!! ッ!!」
疾風瞬閃を振るうティールと、変わらず剛腕と剛爪を振るうマウンテンベア。
ある程度なんでも出来るティールだが……マウンテンベアと天猿、どちらと戦っていて楽しそうかと言えば……マウンテンベアであった。
天猿は魔力量と魔力操作技術はAランクモンスター並みであり、前回アキラと共に挑んで戦っていた際、ティールは頭をフル回転させていた。
複数の攻撃魔法を同時に放つことに慣れているティールだが、その数と操作技術が並ではなく、ティールも必死にならなければどこかしらでミスが起きていた。
それほどまでに、天猿との戦いは必死にならなければならない。
だが……マウンテンベアとの戦いはアキラとマウンテンベアとの相性と同じく、ティールにとって中々有利な相性関係。
冷静に攻撃を見極め、素早く避けて斬撃を叩き込む。
加えて、ティールはいざとなれば時間制限付きではあるが、マウンテンベアと腕力で対抗出来なくもない。
(なんて言うか、こう……久しぶり、に……戦ってて、高揚……してるかも)
相性が良い、それは間違いない。
だが、マウンテンベアの攻撃力をもろに食らえば、ティールとて一発で形勢逆転されてしまう。
その状況が、ティールの闘争心を掻き立てていた。
(まぁ、でも。あんまり俺が楽しみ、過ぎるのは……あれだもんな)
当初の予定とは異なる。
そう判断し、ティールは疾風瞬閃を収め……身体強化に加えて疾風のスキルも同時に発動し、旋風を脚に纏う事でスピードアップ。
マウンテンベアの爪撃を完全に躱し、懐に潜り込み……体術、発勁を両手で発動。
「っ!!!!!?????」
ティール自身のスピードとカウンターという状況が重なり合い、ティールの発勁を受けたマウンテンベアは中々に侮れないダメージを腹部に受けながら宙を舞った。
肉や骨だけではなく、その更に内側にダメージが入ったことで、現在マウンテンベアの感情は痛みに支配されていた。
それでも……ボスモンスターとして搭載された野性の本能はそんな時でも働いた。
(……やはり、最後まで恐ろしかったな)
マウンテンベアはなんとか後ろを振り向き、渾身の爪撃波を連続で放とうとしたが……アキラの炎斬波によって掻き消され、ついでに腕を切断。
「破ッ!!!!!!」
最後の最後まで緊張の糸を切らさず、マウンテンベアの腹部を一閃。
対処するにはあまりにも体勢が不十分であり、何より思考が纏まっていなかった。
「……………………」
「お疲れ様です、アキラさん…………えっと、もしかしてあまり楽しくなかったですか?」
「いや、そんな事はない」
ノータイムでそんなことはないと答えたアキラだが、ティールから見れば明らかに不満そうに見える。
「ただ……戦い易い、相手だと感じた」
「あぁ~~~、そうですね。それは、俺も同じことを思いました」
「……ただ、私の場合はやはり、緋焔あっての相性だと感じさせられた」
元が侍である以上、刀という武器には非情に感謝している。
だが、アキラとしては……やはり、それはそれでこれはこれ。
多少なりとも思うところがある。
「緋焔を持つことで勇気を持てたと感じた。そう思うと、やはり自分はまだまだだと感じる」
「…………では、まだまだだなと思わなくなるまで、色んな敵と戦いましょう。強い武器を使って戦っていたとしても、強敵との戦いは間違いなく強さに変わりますから!!」
アキラが大和に帰ってしまうまでの間、多くの敵と戦い……アキラに自信を持ってほしい。
そんなティールの思いをなんとなく察したのか、アキラは小さく微笑を零す。
「ふふ……あぁ、そうだな。強くなれば、戦い続ければ……いずれこの思いもなくなるだろう」
気持ちを整理し、マウンテンベアの死体を回収し……二人はまだ終わっていない、もう一つの戦いに目を向けた。
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