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刻まれた記録
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地上に戻ってきたティール達はいつも通り冒険者ギルドに直行し、素材の一部を売却する。
「っ……こ、今回で……倒されたの、ですね」
「えぇ、そうですね。ようやく遭遇して討伐することが出来ました」
倉庫に置かれた死体の中には、ジェットガルーダの死体があった。
破竹の勢いで探索を進め、既に四十階層のボスであるもう一組のマウンテンベアと天猿を討伐していることから、ギルド職員の中にはあの三人ならジェットガルーダも討伐出来ると考える者が決して少なくなかった。
そんな中、遂にティールとラスト、アキラの三人組がジェットガルーダを討伐した。
そのため、本来であれば驚き過ぎて状況を理解するのに時間が掛かるところだが、今回担当した受付嬢は三人がいずれジェットガルーダを討伐するだろうと予想していたタイプであったため、戸惑うことなく解体や査定を進めていく。
「今回が初めての討伐だったと思われますが、どうだったでしょうか」
今回が初めてAランクモンスターであるジェットガルーダを討伐したという事もあって、受付嬢はギルド職員として、ティールたちの感想を纏めておきたかった。
「ん~~~~……とにかく、これまで戦ってきたモンスターとは、個が持つ力が大幅に違ったと言いますか……最初に多数の風や雷の斬撃波を放ったんですけど、あれを翼を扇がれただけで対処された時は、かなり衝撃を受けましたね」
決してその連続攻撃に全てを懸けていたわけではないものの、何か技を使って対処するのではなく、ただ翼を扇がれただけで吹き飛ばされてしまった。
その光景にはティールだけではなく、ラストやアキラも心底驚かされた。
「俺としては、とにかく速かった。それが一番の感想だ。近づいてくれれば戦り様はあるが、近づかず距離を取っての戦いが続けば、俺はあまり活躍出来なかっただろうからな」
ラストが放ったスラッシュバスターは、紛れもなく高火力の一撃だった。
ただ、ジェットガルーダの防御力、機転によって中々思うようなダメージを与えられない場面が続いたのも事実。
「私もラストと同じ感想だ。まず、ジェットガルーダの速さに対抗できる人物がいなければならない。加えて、あの多数の遠距離攻撃にも対応出来なければ、何も出来ずに殺されてしまうと感じた」
「マスターは否定するかもしれないが、やはりマスターがいなければこうして無事に討伐することは出来なかっただろう」
ラストの言葉に、アキラも頷く。
二人の攻撃もジェットガルーダにダメージを与えることは出来ており、ラストが切り札であるデフィストを振り抜き、与えた一撃は見事鉤爪を破壊することに成功した。
アキラの斬撃波も常にジェットガルーダに警戒心を与え、戦闘に貢献していた。
その為、二人とも今回のボス戦で全く役に立てていなかったとは思っていない。
ただ……立役者は、MVPはやはりティールだという思いが強かった。
「そりゃ否定したくなるけど……まぁ、確かに俺は俺で頑張ったとは思うかな」
消費した魔力量で言えば、天猿との魔法合戦時よりも多く魔力を消費し、ジェットガルーダとの鬼ごっこでは……それはもう走って走って走りまくった。
なので、ティール自身も今回の戦闘では本当に頑張ったと、良く頑張ったと自分を褒めたい気持ちが、ちょっとはあった。
その後も受付嬢はティールたちがどの様に勝利したのかを尋ね、三人は話せない部分は話さず、話しても問題無い部分だけを伝えた。
「ありがとうございます。貴重なお話を聞けました」
彼女はまだペーペーの受付嬢ではなく、もう五年以上真面目に受付嬢として働き続けている優秀な人材。
だからこそ、ティールたちが自分に全てを伝えてくれたわけではないと解りつつも、それなりに多くの事に答えてくれたことに感謝していた。
そして……この日、ギルドの記録にはティールたちが他の冒険者たちの手を借りず、Aランクモンスターを討伐したという記録が刻まれるのだった。
「っ……こ、今回で……倒されたの、ですね」
「えぇ、そうですね。ようやく遭遇して討伐することが出来ました」
倉庫に置かれた死体の中には、ジェットガルーダの死体があった。
破竹の勢いで探索を進め、既に四十階層のボスであるもう一組のマウンテンベアと天猿を討伐していることから、ギルド職員の中にはあの三人ならジェットガルーダも討伐出来ると考える者が決して少なくなかった。
そんな中、遂にティールとラスト、アキラの三人組がジェットガルーダを討伐した。
そのため、本来であれば驚き過ぎて状況を理解するのに時間が掛かるところだが、今回担当した受付嬢は三人がいずれジェットガルーダを討伐するだろうと予想していたタイプであったため、戸惑うことなく解体や査定を進めていく。
「今回が初めての討伐だったと思われますが、どうだったでしょうか」
今回が初めてAランクモンスターであるジェットガルーダを討伐したという事もあって、受付嬢はギルド職員として、ティールたちの感想を纏めておきたかった。
「ん~~~~……とにかく、これまで戦ってきたモンスターとは、個が持つ力が大幅に違ったと言いますか……最初に多数の風や雷の斬撃波を放ったんですけど、あれを翼を扇がれただけで対処された時は、かなり衝撃を受けましたね」
決してその連続攻撃に全てを懸けていたわけではないものの、何か技を使って対処するのではなく、ただ翼を扇がれただけで吹き飛ばされてしまった。
その光景にはティールだけではなく、ラストやアキラも心底驚かされた。
「俺としては、とにかく速かった。それが一番の感想だ。近づいてくれれば戦り様はあるが、近づかず距離を取っての戦いが続けば、俺はあまり活躍出来なかっただろうからな」
ラストが放ったスラッシュバスターは、紛れもなく高火力の一撃だった。
ただ、ジェットガルーダの防御力、機転によって中々思うようなダメージを与えられない場面が続いたのも事実。
「私もラストと同じ感想だ。まず、ジェットガルーダの速さに対抗できる人物がいなければならない。加えて、あの多数の遠距離攻撃にも対応出来なければ、何も出来ずに殺されてしまうと感じた」
「マスターは否定するかもしれないが、やはりマスターがいなければこうして無事に討伐することは出来なかっただろう」
ラストの言葉に、アキラも頷く。
二人の攻撃もジェットガルーダにダメージを与えることは出来ており、ラストが切り札であるデフィストを振り抜き、与えた一撃は見事鉤爪を破壊することに成功した。
アキラの斬撃波も常にジェットガルーダに警戒心を与え、戦闘に貢献していた。
その為、二人とも今回のボス戦で全く役に立てていなかったとは思っていない。
ただ……立役者は、MVPはやはりティールだという思いが強かった。
「そりゃ否定したくなるけど……まぁ、確かに俺は俺で頑張ったとは思うかな」
消費した魔力量で言えば、天猿との魔法合戦時よりも多く魔力を消費し、ジェットガルーダとの鬼ごっこでは……それはもう走って走って走りまくった。
なので、ティール自身も今回の戦闘では本当に頑張ったと、良く頑張ったと自分を褒めたい気持ちが、ちょっとはあった。
その後も受付嬢はティールたちがどの様に勝利したのかを尋ね、三人は話せない部分は話さず、話しても問題無い部分だけを伝えた。
「ありがとうございます。貴重なお話を聞けました」
彼女はまだペーペーの受付嬢ではなく、もう五年以上真面目に受付嬢として働き続けている優秀な人材。
だからこそ、ティールたちが自分に全てを伝えてくれたわけではないと解りつつも、それなりに多くの事に答えてくれたことに感謝していた。
そして……この日、ギルドの記録にはティールたちが他の冒険者たちの手を借りず、Aランクモンスターを討伐したという記録が刻まれるのだった。
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