あっさりと初恋が破れた俺、神からのギフトで倒して殺して奪う

Gai

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関門な保護者?

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グリフォン、マンティコア以降はBランクモンスターとの戦闘はなかった。

「今日も悪くなかったな」

結局野良ダンジョンの手がかりなども見つからなかったが、二人の戦いを観終えた後……アキラの闘争心は見事爆発。

以降、遭遇するモンスターは得意な相手、不得意な相手など関係無く、殆どアキラが対応した。
ティールやラストはさすがに少しは自分たちと変わった方が良いのではと思いつつも……Bランクモンスターと戦ったということは忘れていなかったので、何も言うことが出来なかった。

「……すまなかったな、マスター」

「? なにがだ」

そして探索が終了し、街に戻って冒険者ギルドの倉庫で素材の査定を行ってもらっている頃、ラストが少し渋い表情を浮かべながら、急に謝罪の言葉をティールに伝えた。

「グリフォンを真っ二つに切断してしまっただろ」

「あぁ、そうだな……って、そういう事か?」

真っ二つに切断してしまえば、当然切断面から血が溢れ出す。
グリフォンはBランクモンスターであるため、血ですらそれなりの価値が付く素材。

加えて、いくつかの臓器も文字通り真っ二つにしてしまい、使えそうな臓器も……地面に落下してしまった事で草や砂が付いてしまった。
物凄く影響があるわけではないが、売却するとなると汚れていない方が高く売れる。

「いいっていいって、そんな事全然気にしなくていいのに」

「……しかし、一応俺たちは冒険者だろう」

ラストが語る通り、冒険者であればただモンスターを討伐するのではなく、価値のある素材をどれだけ傷付けずに討伐しなければならない。

ちなみに……今回ラストが戦ったグリフォンは、ラストが長期戦を楽しんだ結果、爪や嘴なども損傷が多く、翼もところどころ焦げており……全体的に買い取り額が下がっていた。

だが、ティールは全く気にしていなかった。
何故なら……ぶっちゃけた話、素材の中で基本的に一番重要である素材、魔石が無事だったから。

「まぁな。でも、魔石は無事だったじゃん。それに、別に金に困ってる訳じゃないしさ」

ティールの言葉に、解体中の解体士たちや査定中の受付嬢たちが、ほんの僅かにぴくりと反応した。

(金には困ってない、か~~~)

(あんな子供が、とか……この光景を見せられちゃあ、嘘だなんて言えねぇな~~~)

貴族でもない子供が何を言ってるんだと、普通ならツッコまれるが……今回の探索だけでもラストが討伐したグリフォン以外の素材も多くあり、なんならティールが討伐したマンティコアもある。

どう考えても、金に困っていないという言葉は嘘ではないと解る。

(金には困ってない……まだ青年になってなさそうな子供が言うことじゃないけど)

(まだ子供? だけど、絶対に将来有望……どころか、既に大物よね?)

(貴族の令息、もしくは隠し子という訳でもなさそうだから、婚約者とかはいなさそうよね。アキラさんも……期間限定でどうこうしてるそうだし)

受付嬢たちからすれば、優秀な男性冒険者というのは、玉の輿相手。
その為に冒険者ギルドの受付嬢として働いている者も少なくない。

ティールは……まだ若く、受付嬢たちからすれば子供ではあるものの、良い条件は揃っている。
第一に冒険者としての実力が本物。
立場も既にBランクと、上澄みに入っている。
金にケチ臭いという話は聞かないが、無駄遣いするタイプという話も聞かない。

性格も荒っぽい、傍若無人という話も聞かない。
まだ少々若過ぎるという点を除けば、良い内容しかない。

ただ……パーティーメンバーであるラスト、期間限定とはいえともに行動しているアキラが保護者のように見えて、中々アタック出来ない。

どうすれば彼を攻略出来るのか。
そんな受付嬢たちの思惑など知る由もなく、ティールは今晩の夕食について考えていた。
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