760 / 833
追い付くために
しおりを挟む
(この重圧、威力、堅さ…………越えるべき、壁として……最高の、相手だッ!!!!!!)
アキラがスケイルコングと戦い始めてから既に二分が経過。
現在使用中の刀では、スケイルコングの鱗を切断し、肉を……骨を断つことが出来ないのは明白。
それでも、アキラは普段使いの刀を使い続け……切り札である緋焔を取り出さない。
早く戦いを終わらせるのであれば、緋焔を使うのが一番である。
そんな事は、アキラも解っている。
だが、使わない。
アキラはスケイルコングという先日まで潜っていたダンジョンに出現する、マウンテンベアに匹敵する戦闘力を有する強敵を相手に……己の身体能力と技術をメインとし、戦い続ける。
「ゴラッ!! っ!!!! ァアアアアアッッッ!!!!!」
(この、強敵を……一人で、倒せれば……少しは、追い付ける、筈だッ!!!!!!)
戦いながらアキラの頭の中に浮かぶのは、現在パーティーを組んで共に活動しているティールとラスト。
アキラは先日、彼らと共にAランクというどんなモンスターであっても強者であることが約束されている存在……そのうちの一体、ジェットガルーダと戦った。
間違いなく、アキラがこれまで戦ってきたモンスターの中で、最強の存在だった。
そんな最強を相手に三人で戦い……無事、討伐することに成功。
三人は一度だけではなく、何度も討伐することに成功した。
三人でAランクモンスター、ジェットガルーダを討伐した……それは、まぎれもない事実である。
ただ、アキラには見えず……思えなかった。
「ゴアアアアアッ!!!!」
「くっっっっ!!! それが、どうしたッ!!!!!」
ティールは、いずれAランクモンスターを一人で討伐出来る逸材。
本人は否定する可能性が高いが、アキラは現時点であっても……本気の本気となったティールであれば、一人でAランクモンスターを討伐するのは、不可能ではないのではと思っている。
そんなティールのパーティーメンバーであるラストも……その可能性を秘めていると、アキラは感じている。
強敵と真正面から戦いを好む竜人族。
ただの脳筋……という訳ではなく、戦闘に関しては柔軟な動きをみせる。
このまま成長姿をイメージすれば、彼らが単独でAランクモンスターを撃破する光景が想像出来る。
しかし……現在彼らと共に活動している自分には、その未来が想像出来ない。
(まだ。もっと、もっと……素早く、丁寧に。鋭くッ!!!!!)
アキラが彼らとパーティーを組むのは、期間限定。
その期間が迫れば、アキラは大和という別の大陸に存在する国に戻り、許嫁と結婚する。
アキラがティールたちと共に活動する期間は、それまでの間である。
であれば、そういった差は気にしなくて良いのでは? と思われるかもしれない。
だが……アキラは、そうは思わなかった。
彼らと出会うまでの冒険が楽しくなかった訳ではない。
ただ、ティールとラストと出会い、共に行動するようになってから……冒険は、更に楽しさを増した。
彼らとの出会いは、アキラにとって一生ものである。
「疾ッ!!!!!」
「っ!!!」
そんな彼らと別れる時……自分は、彼らの隣に立ち、共に冒険したのだと胸を張りたい。
リミットがある彼らとの冒険の中で、二人が窮地に立たされた時、絶対に手を差し伸べられる強さが欲しい。
(そのためには……お前ご時に、斬れなければ、ならないんだッ!!!!!!!!)
鱗と鱗の間を縫うように、捌くような斬撃がスケイルコングにダメージを与え始めた。
依然として、スケイルコングの拳は木々を、岩を、地面を粉砕する。
拳だけを避ければ良い……そんな甘い考えを持っていれば、一気に四肢を持っていく威力を有している。
そんな拳の嵐を駆け、跳ね、舞い……刀でスケイルコングを捌く。
(もらうぞ、お前の命!!!!!!!)
侍が振るう刃が、着々と鎧のゴリラに迫りゆく。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
新作、「執事なんかやってられるか!!! 生きたいように生きる転生者のスローライフ?」の投稿を始めました!!!
スローライフ寄りの話を書いてみました!!! 是非読んでくれると嬉しいです!!!!!
アキラがスケイルコングと戦い始めてから既に二分が経過。
現在使用中の刀では、スケイルコングの鱗を切断し、肉を……骨を断つことが出来ないのは明白。
それでも、アキラは普段使いの刀を使い続け……切り札である緋焔を取り出さない。
早く戦いを終わらせるのであれば、緋焔を使うのが一番である。
そんな事は、アキラも解っている。
だが、使わない。
アキラはスケイルコングという先日まで潜っていたダンジョンに出現する、マウンテンベアに匹敵する戦闘力を有する強敵を相手に……己の身体能力と技術をメインとし、戦い続ける。
「ゴラッ!! っ!!!! ァアアアアアッッッ!!!!!」
(この、強敵を……一人で、倒せれば……少しは、追い付ける、筈だッ!!!!!!)
戦いながらアキラの頭の中に浮かぶのは、現在パーティーを組んで共に活動しているティールとラスト。
アキラは先日、彼らと共にAランクというどんなモンスターであっても強者であることが約束されている存在……そのうちの一体、ジェットガルーダと戦った。
間違いなく、アキラがこれまで戦ってきたモンスターの中で、最強の存在だった。
そんな最強を相手に三人で戦い……無事、討伐することに成功。
三人は一度だけではなく、何度も討伐することに成功した。
三人でAランクモンスター、ジェットガルーダを討伐した……それは、まぎれもない事実である。
ただ、アキラには見えず……思えなかった。
「ゴアアアアアッ!!!!」
「くっっっっ!!! それが、どうしたッ!!!!!」
ティールは、いずれAランクモンスターを一人で討伐出来る逸材。
本人は否定する可能性が高いが、アキラは現時点であっても……本気の本気となったティールであれば、一人でAランクモンスターを討伐するのは、不可能ではないのではと思っている。
そんなティールのパーティーメンバーであるラストも……その可能性を秘めていると、アキラは感じている。
強敵と真正面から戦いを好む竜人族。
ただの脳筋……という訳ではなく、戦闘に関しては柔軟な動きをみせる。
このまま成長姿をイメージすれば、彼らが単独でAランクモンスターを撃破する光景が想像出来る。
しかし……現在彼らと共に活動している自分には、その未来が想像出来ない。
(まだ。もっと、もっと……素早く、丁寧に。鋭くッ!!!!!)
アキラが彼らとパーティーを組むのは、期間限定。
その期間が迫れば、アキラは大和という別の大陸に存在する国に戻り、許嫁と結婚する。
アキラがティールたちと共に活動する期間は、それまでの間である。
であれば、そういった差は気にしなくて良いのでは? と思われるかもしれない。
だが……アキラは、そうは思わなかった。
彼らと出会うまでの冒険が楽しくなかった訳ではない。
ただ、ティールとラストと出会い、共に行動するようになってから……冒険は、更に楽しさを増した。
彼らとの出会いは、アキラにとって一生ものである。
「疾ッ!!!!!」
「っ!!!」
そんな彼らと別れる時……自分は、彼らの隣に立ち、共に冒険したのだと胸を張りたい。
リミットがある彼らとの冒険の中で、二人が窮地に立たされた時、絶対に手を差し伸べられる強さが欲しい。
(そのためには……お前ご時に、斬れなければ、ならないんだッ!!!!!!!!)
鱗と鱗の間を縫うように、捌くような斬撃がスケイルコングにダメージを与え始めた。
依然として、スケイルコングの拳は木々を、岩を、地面を粉砕する。
拳だけを避ければ良い……そんな甘い考えを持っていれば、一気に四肢を持っていく威力を有している。
そんな拳の嵐を駆け、跳ね、舞い……刀でスケイルコングを捌く。
(もらうぞ、お前の命!!!!!!!)
侍が振るう刃が、着々と鎧のゴリラに迫りゆく。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
新作、「執事なんかやってられるか!!! 生きたいように生きる転生者のスローライフ?」の投稿を始めました!!!
スローライフ寄りの話を書いてみました!!! 是非読んでくれると嬉しいです!!!!!
161
あなたにおすすめの小説
スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜
東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。
ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。
「おい雑魚、これを持っていけ」
ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。
ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。
怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。
いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。
だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。
ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。
勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。
自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。
今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。
だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。
その時だった。
目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。
その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。
ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。
そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。
これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。
※小説家になろうにて掲載中
転生貴族の移動領地~家族から見捨てられた三子の俺、万能な【スライド】スキルで最強領地とともに旅をする~
名無し
ファンタジー
とある男爵の三子として転生した主人公スラン。美しい海辺の辺境で暮らしていたが、海賊やモンスターを寄せ付けなかった頼りの父が倒れ、意識不明に陥ってしまう。兄姉もまた、スランの得たスキル【スライド】が外れと見るや、彼を見捨ててライバル貴族に寝返る。だが、そこから【スライド】スキルの真価を知ったスランの逆襲が始まるのであった。
授かったスキルが【草】だったので家を勘当されたから悲しくてスキルに不満をぶつけたら国に恐怖が訪れて草
ラララキヲ
ファンタジー
(※[両性向け]と言いたい...)
10歳のグランは家族の見守る中でスキル鑑定を行った。グランのスキルは【草】。草一本だけを生やすスキルに親は失望しグランの為だと言ってグランを捨てた。
親を恨んだグランはどこにもぶつける事の出来ない気持ちを全て自分のスキルにぶつけた。
同時刻、グランを捨てた家族の居る王都では『謎の笑い声』が響き渡った。その笑い声に人々は恐怖し、グランを捨てた家族は……──
※確認していないので二番煎じだったらごめんなさい。急に思いついたので書きました!
※「妻」に対する暴言があります。嫌な方は御注意下さい※
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げています。
ゴミ鑑定だと追放された元研究者、神眼と植物知識で異世界最高の商会を立ち上げます
黒崎隼人
ファンタジー
元植物学の研究者、相川慧(あいかわ けい)が転生して得たのは【素材鑑定】スキル。――しかし、その効果は素材の名前しか分からず「ゴミ鑑定」と蔑まれる日々。所属ギルド「紅蓮の牙」では、ギルドマスターの息子・ダリオに無能と罵られ、ついには濡れ衣を着せられて追放されてしまう。
だが、それは全ての始まりだった! 誰にも理解されなかったゴミスキルは、慧の知識と経験によって【神眼鑑定】へと進化! それは、素材に隠された真の効果や、奇跡の組み合わせ(レシピ)すら見抜く超チートスキルだったのだ!
捨てられていたガラクタ素材から伝説級ポーションを錬金し、瞬く間に大金持ちに! 慕ってくれる仲間と大商会を立ち上げ、追放された男が、今、圧倒的な知識と生産力で成り上がる! 一方、慧を追い出した元ギルドは、偽物の薬草のせいで自滅の道をたどり……?
無能と蔑まれた生産職の、痛快無比なざまぁ&成り上がりファンタジー、ここに開幕!
灼熱の連撃(ラッシュ)と絶対零度の神速剣:転生した双子のチート令嬢は、その異能で世界を救う
夜詩榮
ファンタジー
あらすじ
現代日本。活発な空手家の娘である姉・一条響と、冷静沈着な剣道部員である妹・一条奏は、突然の交通事故に遭う。意識が薄れる中、二人を迎え入れたのは光を纏う美しい女神・アステルギアだった。女神は二人に異世界での新たな生と、前世の武術を応用した規格外のチート能力を授ける。そして二人は、ヴァイスブルク家の双子の姉妹、リーゼロッテとアウローラとして転生を果たす。
登場人物
主人公
名前(異世界) 名前(前世) 特徴・能力
リーゼロッテ・ヴァイスブルク 一条いちじょう 響ひびき 双子の姉。前世は活発な空手家の娘で黒帯。負けず嫌い。転生後は長い赤みがかった金髪を持つ。チート能力は、空手を応用した炎の魔法(灼熱の拳)と風の魔法(超速の体術)。考えるより体が動くタイプ。
アウローラ・ヴァイスブルク 一条いちじょう 奏かなで 双子の妹。前世は冷静沈着な剣道部員。学業優秀。転生後は長い銀色の髪を持つ。チート能力は、剣術を応用した氷/水の魔法(絶対零度の剣)と土の魔法(鉄壁の防御・地形操作)。戦略家で頭脳明晰。
蔑ろにされましたが実は聖女でした ー できない、やめておけ、あなたには無理という言葉は全て覆させていただきます! ー
みーしゃ
ファンタジー
生まれつきMPが1しかないカテリーナは、義母や義妹たちからイジメられ、ないがしろにされた生活を送っていた。しかし、本をきっかけに女神への信仰と勉強を始め、イケメンで優秀な兄の力も借りて、宮廷大学への入学を目指す。
魔法が使えなくても、何かできる事はあるはず。
人生を変え、自分にできることを探すため、カテリーナの挑戦が始まる。
そして、カテリーナの行動により、周囲の認識は彼女を聖女へと変えていくのだった。
物語は、後期ビザンツ帝国時代に似た、魔物や魔法が存在する異世界です。だんだんと逆ハーレムな展開になっていきます。
私はあなたの魔剣デス ~いや、剣じゃないよね、どう見ても違うよね?~
志位斗 茂家波
ファンタジー
この世界で誰も彼もが手に持ち、そして振るう事が出来る魔剣。
火を放ち、水を吹き出し、雷撃を放つ様々な力を持ち、生涯ずっと共にあり続ける。
「なので私も魔剣であり、すべての敵を排除するためにご主人様その力を奉げるのデス!!」
「ちょっと待って、剣じゃないよね?見た目どう見てもメイドなんだけど?」
「‥‥‥そう、忠剣というやつなのデス!!」
「それは忠犬って普通言うよね!?そもそも犬でもないだろ!!」
‥‥‥あり続けるはずなんだけど、なんで彼女が俺の魔剣なのだろうか。
これは、ある意味不幸でありつつも最強の魔剣(?)を手に入れた者の物語である‥‥‥
―――――
「小説家になろう」でも掲載。
妹が聖女の再来と呼ばれているようです
田尾風香
ファンタジー
ダンジョンのある辺境の地で回復術士として働いていたけど、父に呼び戻されてモンテリーノ学校に入学した。そこには、私の婚約者であるファルター殿下と、腹違いの妹であるピーアがいたんだけど。
「マレン・メクレンブルク! 貴様とは婚約破棄する!」
どうやらファルター殿下は、"低能"と呼ばれている私じゃなく、"聖女の再来"とまで呼ばれるくらいに成績の良い妹と婚約したいらしい。
それは別に構わない。国王陛下の裁定で無事に婚約破棄が成った直後、私に婚約を申し込んできたのは、辺境の地で一緒だったハインリヒ様だった。
戸惑う日々を送る私を余所に、事件が起こる。――学校に、ダンジョンが出現したのだった。
更新は不定期です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる