772 / 833
生き続けた強者
しおりを挟む
「ふぅーーー、ふぅーーーー……ッッッ!!!!!!」
なんとか呼吸を整え、ブラックグリフォンの動きを抑制するために雷斬波を放つも、斬撃波よりも速い動きで躱され、掠りそうな雷斬波も……纏われる旋風によって弾き飛ばされる。
(くっ! 本当に……体の頑丈さ、なら……ジェットガルーダより、間違いなく上だっ!!)
ティールは戦闘開始時から疾風瞬閃と豹雷を使っている。
ラストも愛剣である牙竜ではなく、切り札であるデフィストに切り替えている。
当然、アキラも普段使用している刀から切り札、緋焔に切り替えて戦っているが……ブラックグリフォンとの戦闘が始まってから既に数分が経過しているも、戦況を動かす程のダメージは与えられていない。
(当たらないからって、避けられるからって言い訳してたら……捉えられない、よなっ!!!!!)
対ジェットガルーダ戦よりも、勝つイメージが薄い。
ジェットガルーダとの戦闘場所と比べて動き辛い地形というのもあるが、だからといって三人と一体は逃げようとはせず……ティールは多数の斬撃波を放ちながら、雷槍や岩槍も同時に放つ。
「っ、くっ!!」
鳥獣系であるにもかかわらず、堅い体を持つブラックグリフォンであっても、ティールの制限なしに放ち続ける遠距離攻撃は鬱陶しいと感じる。
まずは、絶えず遠距離攻撃を仕掛けてくるリーダーの少年を潰したい……そう思って動こうとするも、今度は変った武器を使う女性剣士が、さすがにそれは受けたくないと本能が判断する攻撃を仕掛けてくる。
「破っ!!!!」
「っ!!! キィエエエエッッ!!!!!!」
食らえば風穴が空きそうな炎突に対し、器用に身を捻って躱し、体勢を立て直す間に……これまた器用に風爪波を放つ。
「ぬっ!!!!」
ブラックグリフォンがアキラの斬撃や刺突を食らいたくないのと同じく、アキラからしてもブラックグリフォンの風爪撃や風斬波は食らいたくない。
(この威力、圧……やはり、防御力だけではなく、爪撃の威力もあのジェットガルーダより上か!!)
Aランクモンスターの中でも、ジェットガルーダは弱い方……という訳ではない。
ただ、以前アキラたちが戦ったジェットガルーダは、あくまでダンジョン内で生まれた個体。
もっと言うと、ボス部屋で生まれたジェットガルーダである。
生まれた時の戦闘力から、更に強くなる為には挑戦してくる冒険者たちを確実に殺さなければならない。
だが、ファルティナの大秘境という場所で誕生したブラックグリフォンには、そういった制限がない。
モンスターであろうと、冒険者であろうと殺し放題。
当然、ブラックグリフォンも傷を負うことはあり、逃走することも過去にはあった。
しかし……こうして生き続け、確かな強者としの強さを手に入れた。
「ぬぅううんッッッ!!!!!!」
「ッ!!!!!」
「っ!!! カッッ!!!!」
ラストの大斬をなんとか回避し、その先を狙って爪撃を叩き込もうとするヴァルには、同じく爪撃で対応。
結果は……ヴァルの押し負け。
後方に、地面に勢い良く叩きつけられるも、なんとか無理矢理地面に脚を合わせ、ダメージを軽減。
「ヴァルっ!!」
「っ!!! シュゥーーーー……」
瞬足で追いついたティールはポーション液を空中に放り、ヴァルは多少感じるダメージを無視して飲み干す。
(こっちの食らったら駄目な攻撃をよく理解してる……本当に頭がキレるな)
多少の知性があれば、アキラが放つ攻撃を食らってはならないことは解る。
ただ、ブラックグリフォンは戦闘が始まって数分も経たない中で、ラストが振るうデフィストのおおよその効果を把握。
爪撃にラストが攻撃を合わせようとすると、直前を動きを変え、背後から小さなブレストを放つ、もしくは鋭い多数の羽を飛ばすなどの攻撃にチェンジ。
(あんまり長く続くのも、後が怖くなる……いくしか、ないかッ!!!!!)
覚悟を決めたティールは遠距離からの攻撃を止め、完全な接近戦を仕掛け始めた。
なんとか呼吸を整え、ブラックグリフォンの動きを抑制するために雷斬波を放つも、斬撃波よりも速い動きで躱され、掠りそうな雷斬波も……纏われる旋風によって弾き飛ばされる。
(くっ! 本当に……体の頑丈さ、なら……ジェットガルーダより、間違いなく上だっ!!)
ティールは戦闘開始時から疾風瞬閃と豹雷を使っている。
ラストも愛剣である牙竜ではなく、切り札であるデフィストに切り替えている。
当然、アキラも普段使用している刀から切り札、緋焔に切り替えて戦っているが……ブラックグリフォンとの戦闘が始まってから既に数分が経過しているも、戦況を動かす程のダメージは与えられていない。
(当たらないからって、避けられるからって言い訳してたら……捉えられない、よなっ!!!!!)
対ジェットガルーダ戦よりも、勝つイメージが薄い。
ジェットガルーダとの戦闘場所と比べて動き辛い地形というのもあるが、だからといって三人と一体は逃げようとはせず……ティールは多数の斬撃波を放ちながら、雷槍や岩槍も同時に放つ。
「っ、くっ!!」
鳥獣系であるにもかかわらず、堅い体を持つブラックグリフォンであっても、ティールの制限なしに放ち続ける遠距離攻撃は鬱陶しいと感じる。
まずは、絶えず遠距離攻撃を仕掛けてくるリーダーの少年を潰したい……そう思って動こうとするも、今度は変った武器を使う女性剣士が、さすがにそれは受けたくないと本能が判断する攻撃を仕掛けてくる。
「破っ!!!!」
「っ!!! キィエエエエッッ!!!!!!」
食らえば風穴が空きそうな炎突に対し、器用に身を捻って躱し、体勢を立て直す間に……これまた器用に風爪波を放つ。
「ぬっ!!!!」
ブラックグリフォンがアキラの斬撃や刺突を食らいたくないのと同じく、アキラからしてもブラックグリフォンの風爪撃や風斬波は食らいたくない。
(この威力、圧……やはり、防御力だけではなく、爪撃の威力もあのジェットガルーダより上か!!)
Aランクモンスターの中でも、ジェットガルーダは弱い方……という訳ではない。
ただ、以前アキラたちが戦ったジェットガルーダは、あくまでダンジョン内で生まれた個体。
もっと言うと、ボス部屋で生まれたジェットガルーダである。
生まれた時の戦闘力から、更に強くなる為には挑戦してくる冒険者たちを確実に殺さなければならない。
だが、ファルティナの大秘境という場所で誕生したブラックグリフォンには、そういった制限がない。
モンスターであろうと、冒険者であろうと殺し放題。
当然、ブラックグリフォンも傷を負うことはあり、逃走することも過去にはあった。
しかし……こうして生き続け、確かな強者としの強さを手に入れた。
「ぬぅううんッッッ!!!!!!」
「ッ!!!!!」
「っ!!! カッッ!!!!」
ラストの大斬をなんとか回避し、その先を狙って爪撃を叩き込もうとするヴァルには、同じく爪撃で対応。
結果は……ヴァルの押し負け。
後方に、地面に勢い良く叩きつけられるも、なんとか無理矢理地面に脚を合わせ、ダメージを軽減。
「ヴァルっ!!」
「っ!!! シュゥーーーー……」
瞬足で追いついたティールはポーション液を空中に放り、ヴァルは多少感じるダメージを無視して飲み干す。
(こっちの食らったら駄目な攻撃をよく理解してる……本当に頭がキレるな)
多少の知性があれば、アキラが放つ攻撃を食らってはならないことは解る。
ただ、ブラックグリフォンは戦闘が始まって数分も経たない中で、ラストが振るうデフィストのおおよその効果を把握。
爪撃にラストが攻撃を合わせようとすると、直前を動きを変え、背後から小さなブレストを放つ、もしくは鋭い多数の羽を飛ばすなどの攻撃にチェンジ。
(あんまり長く続くのも、後が怖くなる……いくしか、ないかッ!!!!!)
覚悟を決めたティールは遠距離からの攻撃を止め、完全な接近戦を仕掛け始めた。
194
あなたにおすすめの小説
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……
タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。
俺に王太子の側近なんて無理です!
クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。
そう、ここは剣と魔法の世界!
友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。
ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
☆ほしい
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
〈完結〉貴女を母親に持ったことは私の最大の不幸でした。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」ミュゼットは初潮が来た時に母から「唯一のこの家の女は自分」という理由で使用人の地位に落とされる。
そこで異母姉(と思っていた)アリサや他の使用人達から仕事を学びつつ、母への復讐を心に秘めることとなる。
二年後にアリサの乳母マルティーヌのもとに逃がされた彼女は、父の正体を知りたいアリサに応える形であちこち飛び回り、情報を渡していく。
やがて本当の父親もわかり、暖かい家庭を手に入れることもできる見込みも立つ。
そんな彼女にとっての母の最期は。
「この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。」のミュゼットのスピンオフ。
番外編にするとまた本編より長くなったりややこしくなりそうなんでもう分けることに。
ありふれた聖女のざまぁ
雨野千潤
ファンタジー
突然勇者パーティを追い出された聖女アイリス。
異世界から送られた特別な愛し子聖女の方がふさわしいとのことですが…
「…あの、もう魔王は討伐し終わったんですが」
「何を言う。王都に帰還して陛下に報告するまでが魔王討伐だ」
※設定はゆるめです。細かいことは気にしないでください。
追放された偽物聖女は、辺境の村でひっそり暮らしている
潮海璃月
ファンタジー
辺境の村で人々のために薬を作って暮らすリサは“聖女”と呼ばれている。その噂を聞きつけた騎士団の数人が現れ、あらゆる疾病を治療する万能の力を持つ聖女を連れて行くべく強引な手段に出ようとする中、騎士団長が割って入る──どうせ聖女のようだと称えられているに過ぎないと。ぶっきらぼうながらも親切な騎士団長に惹かれていくリサは、しかし実は数年前に“偽物聖女”と帝都を追われたクラリッサであった。
屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。
彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。
父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。
わー、凄いテンプレ展開ですね!
ふふふ、私はこの時を待っていた!
いざ行かん、正義の旅へ!
え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。
でも……美味しいは正義、ですよね?
2021/02/19 第一部完結
2021/02/21 第二部連載開始
2021/05/05 第二部完結
新作
【あやかしたちのとまり木の日常】
連載開始しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる