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「…………はぁーーーーーーーー」
ブラックグリフォンとの戦闘を終えたティールたち。
激闘を終え、ティールは地面に膝を付き、大きな大きなため息を零した。
「大丈夫か、マスター」
「うん、大丈夫……疲れただけだから」
幸いなことに、大きなダメージを受けてはいない。
ただ……ティールは諸々消費し、なんとかブラックグリフォンの翼を、死体を回収した後、土魔法で適当な椅子を作り、腰を下ろした。
「すまない、マスター。俺たちの攻撃が足りないばかりに」
「いやいや、そんな事はないって。ラストもアキラさんも、ヴァルも上手く対応してくれてたよ」
途中からティールが主体となって攻めたものの、ラストたちが全く働いていなかった訳ではない。
ただ、ブラックグリフォンがこれまで彼らが対峙してきた敵と比べて、戦い方が上手く、固かった。
当れば、大きなダメージを与えられる攻撃力は有している。
しかし、彼は中々本命の当てさせてくれなかった。
「あれだけ堅くて素早いと、絡め手が使える俺が軸になって攻めないといけないと思うよ」
「……それでも、だ。そういった点に関しては、間違いなくマスター方が優れている。が、だからといって頼りにしなければ戦えないというのは、話しにならない」
「…………それじゃあ、次期待してるよ」
ティールとしては、自分がブラックグリフォンを騙す為に雷雲を使うタイミングを把握し、それに合わせて攻撃してくれただけでも本当に助かった。
だが、ラストの性格を解っているからこそ、彼の考えを否定する言葉を口には出さなかった。
「ルルゥ……」
「ふふ、本当に大丈夫だよ、ヴァル。幸いなことに怪我もしてないしさ」
心配そうな表情を浮かべながらティールに近づくヴァル。
盟友は心配しなくても大丈夫だと口にするが、とてもそうは思えない。
それはヴァルだけではなく、アキラも同じ感想だった。
「ティール……ブラックグリフォンを討伐したこと、後悔してるのか」
「っ…………後悔は、してないと思います。ただ、少し思うところがあったというか」
ブラックグリフォンはティールにとって二体目の人の言葉を喋れるモンスター。
つまり、完全に意思疎通が図れる個体。
岩窟竜レグレザイアの際は、必要な物が竜の涙だったということもあり、レグレザイアを討伐せずとも手に入れることが出来た。
今回は……特にブラックグリフォンの討伐依頼を受けていた訳ではない。
とはいえ、ダンジョンの錬成に関しては必要になりうる素材ということもあり、討伐しておいて損はないモンスター。
だが、ティールの中で、何か引っかかる。
「マスター……それは、あのブラックグリフォンが、人の言葉を喋ったからか?」
「……多分、そうだと思う。後…………レグレザイアの時と同じで、ちゃんと話せばしっかりとした会話が出来るって感じたのも大きいと思う」
「うむ…………確かに、モンスターにしてはこう……理知的な雰囲気というのが感じられたな」
「明確に意志の疎通が取れる、というのがティールの中で思うところに該当してしまうと」
「おそらく。あともう一つ……ブラックグリフォンからは、あまり殺意を感じませんでした」
モンスターが人間と対峙するというのに、殺意を放たないというのは、これいかに。
(……今、ここで解消しておかなければならない問題だろう)
アキラにとって、ティールは仲間であり、友人でもある。
そして……本人が否定するのは解っているが、恩人だとも思っている。
そんな恩人の刃が、闘志が、冒険心が曇りかけていた。
「私も、同じ感想だ。ただ、ブラックグリフォンは死を恐れてもおらず、寧ろ当然と思っていた」
「…………」
「殺意がなかったのは、私たちとの戦いを楽しんでいたからかもしれない」
「……ラストみたいな思考を持ってる、ということですか?」
「似た様な感覚かもしれない。加えて、私たちと戦うことで死ぬ可能性もあると解っていた……そして、自分は人間に殺されても仕方ない、当然だと認識していたのだろう」
全て、アキラの想像の話ではある。
ただ……アキラは過去に、似た様なモンスターとの戦闘経験があり、確信を持ってティールに伝えられた。
「だから、ティールがあのブラックグリフォンを討伐したことを、気に病む必要はない」
「……そう、ですね」
「それに、過去にブラックグリフォンが対峙した人間を殺したであろう可能性が頭にあったからこそ、殺したんじゃないのか」
「なっ、なんで解ったんですか」
「リーダーの考えを理解出来てこそ、パーティーメンバーというものだろう」
ポカーンとした表情を浮かべるティールに対し、傍に居るラストは「解る解る、確かにそういうものだと」という表情を浮かべながら何度も頷いていた。
ブラックグリフォンとの戦闘を終えたティールたち。
激闘を終え、ティールは地面に膝を付き、大きな大きなため息を零した。
「大丈夫か、マスター」
「うん、大丈夫……疲れただけだから」
幸いなことに、大きなダメージを受けてはいない。
ただ……ティールは諸々消費し、なんとかブラックグリフォンの翼を、死体を回収した後、土魔法で適当な椅子を作り、腰を下ろした。
「すまない、マスター。俺たちの攻撃が足りないばかりに」
「いやいや、そんな事はないって。ラストもアキラさんも、ヴァルも上手く対応してくれてたよ」
途中からティールが主体となって攻めたものの、ラストたちが全く働いていなかった訳ではない。
ただ、ブラックグリフォンがこれまで彼らが対峙してきた敵と比べて、戦い方が上手く、固かった。
当れば、大きなダメージを与えられる攻撃力は有している。
しかし、彼は中々本命の当てさせてくれなかった。
「あれだけ堅くて素早いと、絡め手が使える俺が軸になって攻めないといけないと思うよ」
「……それでも、だ。そういった点に関しては、間違いなくマスター方が優れている。が、だからといって頼りにしなければ戦えないというのは、話しにならない」
「…………それじゃあ、次期待してるよ」
ティールとしては、自分がブラックグリフォンを騙す為に雷雲を使うタイミングを把握し、それに合わせて攻撃してくれただけでも本当に助かった。
だが、ラストの性格を解っているからこそ、彼の考えを否定する言葉を口には出さなかった。
「ルルゥ……」
「ふふ、本当に大丈夫だよ、ヴァル。幸いなことに怪我もしてないしさ」
心配そうな表情を浮かべながらティールに近づくヴァル。
盟友は心配しなくても大丈夫だと口にするが、とてもそうは思えない。
それはヴァルだけではなく、アキラも同じ感想だった。
「ティール……ブラックグリフォンを討伐したこと、後悔してるのか」
「っ…………後悔は、してないと思います。ただ、少し思うところがあったというか」
ブラックグリフォンはティールにとって二体目の人の言葉を喋れるモンスター。
つまり、完全に意思疎通が図れる個体。
岩窟竜レグレザイアの際は、必要な物が竜の涙だったということもあり、レグレザイアを討伐せずとも手に入れることが出来た。
今回は……特にブラックグリフォンの討伐依頼を受けていた訳ではない。
とはいえ、ダンジョンの錬成に関しては必要になりうる素材ということもあり、討伐しておいて損はないモンスター。
だが、ティールの中で、何か引っかかる。
「マスター……それは、あのブラックグリフォンが、人の言葉を喋ったからか?」
「……多分、そうだと思う。後…………レグレザイアの時と同じで、ちゃんと話せばしっかりとした会話が出来るって感じたのも大きいと思う」
「うむ…………確かに、モンスターにしてはこう……理知的な雰囲気というのが感じられたな」
「明確に意志の疎通が取れる、というのがティールの中で思うところに該当してしまうと」
「おそらく。あともう一つ……ブラックグリフォンからは、あまり殺意を感じませんでした」
モンスターが人間と対峙するというのに、殺意を放たないというのは、これいかに。
(……今、ここで解消しておかなければならない問題だろう)
アキラにとって、ティールは仲間であり、友人でもある。
そして……本人が否定するのは解っているが、恩人だとも思っている。
そんな恩人の刃が、闘志が、冒険心が曇りかけていた。
「私も、同じ感想だ。ただ、ブラックグリフォンは死を恐れてもおらず、寧ろ当然と思っていた」
「…………」
「殺意がなかったのは、私たちとの戦いを楽しんでいたからかもしれない」
「……ラストみたいな思考を持ってる、ということですか?」
「似た様な感覚かもしれない。加えて、私たちと戦うことで死ぬ可能性もあると解っていた……そして、自分は人間に殺されても仕方ない、当然だと認識していたのだろう」
全て、アキラの想像の話ではある。
ただ……アキラは過去に、似た様なモンスターとの戦闘経験があり、確信を持ってティールに伝えられた。
「だから、ティールがあのブラックグリフォンを討伐したことを、気に病む必要はない」
「……そう、ですね」
「それに、過去にブラックグリフォンが対峙した人間を殺したであろう可能性が頭にあったからこそ、殺したんじゃないのか」
「なっ、なんで解ったんですか」
「リーダーの考えを理解出来てこそ、パーティーメンバーというものだろう」
ポカーンとした表情を浮かべるティールに対し、傍に居るラストは「解る解る、確かにそういうものだと」という表情を浮かべながら何度も頷いていた。
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